中空充填剤の走り
中空アイアンは古くからありますが、その中に樹脂を充填したモデルは最近登場したばかりです。その中でも元祖と言えるのがテーラーメイドP790アイアンでしょう。
ブレード形状のようなバックフェースでありながら、中空構造で中に樹脂を充填しています。今となってはホンマもオノフもキャロウェイもやっていますが、テーラーメイドが火付け役だと私は思っています。
だからこそP790アイアンは常に時代の先駆けであって欲しいですし、他社の追随を許さないアイデアを出してくれるだろうと期待しています。
2021年に発売されたP790アイアンは、前作からデザインも一新されただけでなく、これまでとは違う樹脂を充填しているという点も変更されました。今回はそんなP790アイアン(2021)を徹底的に試打、比較を行っていきたいと思います。
P790(2021)アイアンのデザイン
まずはバックフェースから見ていきます。
2021年モデルのP790アイアンでは艶消しとクロームメッキのコントラストがついたデザインとなりました。これはかっこいいです。
構えるとこんな感じです。ブレードはそこまで薄くないですが、大きく感じないのが不思議です。打点がトゥ寄りなのは私の打点ではありません笑
一応、ブレード部分はスコアラインの延長の色とボディの色が変えてあるみたいです。
P790アイアン(2021)のトゥ側にはネジがあります。ここから樹脂を入れるのでしょうかね。前作にもありました。
ソールにはスピードポケット。これの効果は謎ですが、テーラーメイドはこれが大好きですよね。まぁ剥がれたりはしないので良いんですけど。
試打データ
モデル | モーダス105 | NS950neo |
ヘッドスピード | 46.5m/s | 45.7m/s |
ボールスピード | 61.4m/s | 60.8m/s |
平均キャリー | 188y | 196y |
平均トータル | 198y | 208y |
平均サイドスピン | 752rpmフェード | 204rpmドロー |
平均バックスピン | 6215rpm | 4982rpm |
平均打ち出し角 | -0.7° | -0.5° |
平均打ち上げ角 | 22.6° | 22.4° |
最大の高さ | 53y | 51y |
落下角度 | 54° | 53° |
左右ブレ | 12y | -7y |
今回は2021年モデルのP790アイアンのストックである2種類のシャフトで試打を行いました。
赤がモーダス105、白がNS950neoです。見事にこの二つのシャフトで方向性が分かれました。モーダス105としては珍しくフェードします。しかもかなり弾道は集まっています。
特にこのモーダス105の試打データはキャリー平均が188yでバックスピン量が6000rpmを超えているというのは異常。P790アイアン、凄すぎます。
950neoの方は設計通り、高弾道で飛距離が伸びています。滞空時間が長いので200yに迫る平均キャリー。
どちらの試打データでも打ち上げ角は同じなのでこれはP790アイアン固有のものと捉えて良いでしょう。
2021年モデルのP790アイアンのフィーリング
2021年モデルになって劇的に変わったのは打感です。
スピードフォームからスピードフォームエアーという充填剤に変わりました。これは従来のものより軽量でソフトな特性を持っているらしく、実際に打感が柔らかいです。
内部にはタングステンウェイトが入っていますね。T100などとは違って中央にタングステンを配置しています。
ただ、柔らかいだけと言えばそうなので、不自然な打感であることは事実です。
データチャート
評価は非常に高いです。なんというか、減点するポイントが無いんです。
P790アイアンは登場した時から良いアイアンだと思ってきましたし、年々改良されていることもやはり印象が良いです。特に、2021年モデルは素晴らしく進化していますので、今P790アイアンを使っていても、購入検討をおススメしたいです。
総合評価
中空充填系アイアンとしてはかなりの完成度です。弱点は、弾道をコントロールすることに難がある(かなりオートマチック)という点、打感が不自然に良いという点です。まぁ前者はP770との棲み分けもあると思うので、そちらを期待したいですね。
打感は好みが分かれるかもしれませんが、前作より良くなっているというのを評価したいですね。
US使用だとモーダスやDG105で12万円くらい。国内向けより2万円くらい安いです。送料入れても1.5万円ほど安いですね。

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