洋梨型の小ぶりなヘッド
もはや化石になりつつある小ぶりな445㏄のヘッド。
現在製造している大手メーカーはヤマハ以外に、ミズノとテーラーメイドだけ。テーラーメイドは小ぶりではありますがディープフェースという感じでもなく、本当に古典的なのはRMX118ドライバーとミズノプロモデルSだけだと思います。
見た目や打感を重視する方には非常に魅力的なドライバーでしょう。
ヤマハもRMX118ドライバーに関しては上級者向けと割り切って設計しているようです。
それでは試打データから見ていきましょう。
試打データ
フブキAiⅡ試打データ
ヘッドスピード | 49.5m/s |
平均キャリー | 296y |
平均トータル | 328y |
平均サイドスピン | 64rpmドロー |
平均バックスピン | 1652rpm |
平均打ち出し角 | -1.7 |
平均打ち上げ角 | 13.2 |
左右ブレ | -14y |
こちらがノーマルシャフトの試打データです。
RMX218ドライバーと同じシャフトでありながら、弾道は全く異なります。試打データを見るとドローですが、基本的に捕まりは弱いです。
最初の二球でヘッド特性がおおむね分かったので、そこから思いっ切り振っていきました。結果として、平均296yのキャリーで、飛距離性能は非常に高いと言えます。
しかも、試打データの3球全てがキャリー296yという安定感を見せています。
トータル距離では、最大332yと素晴らしい値です。
試打データを見て分かる一番大きな特徴はバックスピン量の少なさだと思います。RMX118ドライバーは平均でも1652rpmですから、私が酷評したM5ドライバーと同レベルです。
しかし、弾道はドロップすることなく直進性がかなり高いように感じます。実際、サイドスピンはストレートに近い値が出ますし、ブレも15yの幅に収まります。
これだけ飛距離が安定して出て、しかも左右ブレも少ないのは好印象でした。
トルクが6.0あっても横から見た弾道にへこみは無く、強いです。
Tour-AD IZ6S試打データ
ヘッドスピード | 52.4m/s |
平均キャリー | 297y |
平均トータル | 325y |
平均サイドスピン | 119rpmドロー |
平均バックスピン | 1960rpm |
平均打ち出し角 | -1.5 |
平均打ち上げ角 | 12.6 |
左右ブレ | -17y |
RMX118ドライバーのようなディープフェースで捕まらないヘッドにはとりあえずIZを挿しておけば何とかなると思っているので、さっそく装着してみました。
キャリーは平均で1y伸びて297y。最大でも298yなのでこの試打データもほとんど縦距離のブレはありません。
バックスピンが少し増えて1960rpmととても良い感じの数字に。正直、GC2でバックスピンが1800rpmを下回るのは、実際の弾道がドロップしてしまう可能性が高いです。
ですから、このくらいバックスピンがあると実践投入しても安心して使えると思います。
この飛距離、実はエピックフラッシュサブゼロを超えています。さすがにノーマルのエピックフラッシュには敵いませんが、本当によく飛んでいます。
また、シャフトとの相性も良く、ヘッドの感覚やしなり戻りのタイミングもつかみやすいです。
こちらもサイドスピンは少なくて、最高でも229rpmのドローでした。
ヘッドやフェースの特徴
かなり好きなデザインです。
フェースも美しいストレートで、ヘッドの座りも良いです。ディープフェースでバックも分厚いので構えた時の安心感は抜群です。
ディープフェースで、海外ブランドのようにトゥ側のスペースは全くと言っていいほどありません。比較としてエピックフラッシュの画像を見てみてください。
RMX118ドライバーの打感は、RMX218ドライバーよりもさらに良く、芯のある重い打感です。
RMX118ドライバーの打音は、RMX218ドライバーと似た金属音系の甲高い音です。こちらも打っていてかなり楽しい感性に訴えかけてくるドライバーだと思います。
ヘッド重量は191gだと思います。そこまで重くありませんがから、IZ6Sでも314gに収まります。
ミート率
実は、今回の試打ではミート率が1.4を超えました。
私くらいのヘッドスピードだとなかなか1.4を超えることは無いのですが、RMX118ドライバーは常に1.4超えです。
これにはいくつかの原因が考えられますが、一つはディープフェースだと思います。正直ここまで厚いフェースは珍しいですし、打ちこなせる人も多くは無いでしょう。
しかし、こういった古典的な形状に慣れている人なら確実に飛距離アップ&強弾道が可能です。
カスタム提案
シャフト
カスタムシャフトは少し注意が必要だと思います。
バックスピンが少なくなりすぎる可能性が高いのでスピーダーの奇数シリーズはあまり相性が良くないことが予想されます。
組むとしても50g台の柔らかいスペックが良いでしょう。
ヘッド自体は捕まらないので、走り系の中調子のシャフトがピッタリだと思います。今回の試打データをとったIZの他には、スピーダーエボⅣ、ジアッタス、ディアマナRFあたりです。
癖が強いヘッドというイメージは無いので、様々なシャフトを試打してみると良いでしょう。
ウェイト
ノーマルだと10gのウェイトがヘッドの後ろの方に付いています。
このウェイトは4gから22gまで1.5g刻みで選択することが可能です。22gはさすがに重すぎるのでおススメできませんが、振り切れる限界まで重くすれば弾道の安定性と飛距離を手に入れられるでしょう。
ただ、一つ1600円(税抜)なのでショップなどで試してから購入してみることをおススメします。
データチャート
飛距離は満点の評価をします。安定して飛距離が出る上に、ブレも少ないので安定性も高評価しました。
また、スピン量は賛否両論化もしれませんが私は良いと思います。
このヘッドを選ぶ方はハードヒッターだと思うので、そういった方にはピッタリだと思います。
一方で、易しさは微塵も感じないくらい難しいと思います。ですから低めの評価ではあるものの、こちらもハードヒッターには無関係かと存じます。
総評
個人的に非常に良いドライバーだと思います。
球が吹き上がることとは無縁で、球のブレも少ないです。このヘッドを打ちこなせるならば、試打してほしいですし、ぜひ候補に入れて頂きたいと思います。
おススメ度
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