ローグの復活
キャロウェイは2つのモデルを2年ごとに更新する形で毎年新作を登場させます。2022年のキャロウェイはローグSTシリーズ。2018年に初めて登場したローグは、これまでの流れから、方向性重視に大きく舵を切ったモデルでした。
ある意味、ゲームチェンジャーなので、今年のローグSTもかなり期待できます。
ローグSTは、MAX、MAX D、MAX LS、MAX FASTの4機種展開。USモデルではこれに加えてLSトリプルダイヤモンドが同じ値段で販売されます。
今回は、最もターゲットユーザーが多いであろうローグST MAXドライバーを試打評価していきます。






ローグST MAXのデザイン
ソールは、トゥ&ヒールにカーボンパーツを配置して、後方に重量感のあるパーツを装着しています。
ジェイルブレークフレームの後方にある色の違うパーツは外せませんが、重そうです。
このアングルが一番ローグST MAXの特徴を捉えていると思います。ソールは非常に平らになっていて、ウェイトパーツが低く後ろになっているのが分かります。
このアングルは、ピンG425MAXと酷似しています。ローグST MAXも高慣性モーメント系なので、結局同じ形になってしまうのでしょう。
ローグST MAXドライバーはカーボンクラウンを艶消し塗装で仕上げています。デザインはとてもかっこいいです。このラインではXR以来の艶消しヘッドです。
構えると、かなりヘッドが長いことが分かります。正直ローグST MAXを見てしまうと、いかにステルスが小ぶりで小さく作っているかが明らかになってしまいます。この画像では分かりにくいですが、若干フックフェースです。
試打データ
ローグST MAX9°×純正ベンタス
ヘッドスピード | 56.6m/s |
ボールスピード | 79.3m/s |
平均キャリー | 301y |
平均トータル | 319y |
平均サイドスピン | 171rpmドロー |
平均バックスピン | 2958rpm |
平均打ち出し角 | -4.1° |
平均打ち上げ角 | 15.8° |
最大の高さ | 58y |
落下角度 | 49° |
左右ブレ | -33y |
軽いシャフトで、ヘッドもやや軽いからか、ヘッドスピードが異常に出ました。同日計測したローグST MAX LSは、この後に計測しても3m/sほどスピードが落ちたので、ヘッドスピードが上がるのはローグST MAXドライバー特有です。さらに、それに乗じて初速も非常に高い値を推移します。平均で79.3m/sは素晴らしい。
サイドスピンは非常に少なく、ストレート弾道が打てます。やはりローグST MAXドライバーは、高慣性モーメントのドライバーの特徴が多く現れています。
平均キャリー300yオーバーではありますが、バックスピン量は3000rpmに迫る高い値。確かによく考えると、純正シャフトが50g台ではあるもののエピックシリーズでいえばエピックMAXはかなりスピン量の多いモデルでした。そう考えると、ローグST MAXドライバーのターゲットもヘッドスピード的には45m/s以下のレベルに限定される気もします。
ローグST MAX9°×ツアーAD UB6S
ヘッドスピード | 53.7m/s |
ボールスピード | 75.7m/s |
平均キャリー | 309y |
平均トータル | 333y |
平均サイドスピン | 101rpmドロー |
平均バックスピン | 2050rpm |
平均打ち出し角 | -3.8° |
平均打ち上げ角 | 16.0° |
最大の高さ | 47y |
落下角度 | 42° |
左右ブレ | -30y |
ツアーAD UB6Sを組んでみました。ローグST MAX LSの方で相性が良かったシャフトですが、ローグST MAXの方でもバッチリ。
平均キャリーは純正シャフトを上回る309y、最高飛距離はキャリー314y、トータル340yです。左打ち出しのストレート弾道で、バックスピン量はかなり少ないです。
純正シャフトでは、スピンの多さで飛距離が伸びなかったので、低スピン系のシャフトと組み合わせることで飛距離性能は格段に良くなるかなと思います。
ローグST MAX9°×テンセイプロホワイト1K 60S
ヘッドスピード | 55.3m/s |
ボールスピード | 78.1m/s |
平均キャリー | 300y |
平均トータル | 320y |
平均サイドスピン | 263rpmフェード |
平均バックスピン | 2743rpm |
平均打ち出し角 | -4.3° |
平均打ち上げ角 | 16.3° |
最大の高さ | 56y |
落下角度 | 48° |
左右ブレ | -6y |
ローグST MAXドライバーの良さはやはり安定性なので、それを最大限活かすセッティングを探してみました。意外にもテンセイプロホワイト1Kが結果が良かったです。
左には飛ぶけど引っ掛けないローグST MAXのヘッドに、フェード系のテンセイプロホワイト1Kはやはり引っ掛けにくいセッティングになりました。
最大飛距離はキャリー304yでトータル319y。高さは少し高めで低スピンにはなりませんでしたが、安定感とミスの傾向はスコアを出しやすいセッティングと言えます。
ローグST MAXのセッティング
ヘッドはやや軽い192.5gでした。シャフトは重くしても良さそう。
ポジション的には、RMX120の真上あたりなので、そこがポイント。試打データからも打ち出し角だけ左に飛ぶタイプなので、重さをオーバースペックにすれば方向はストレートに近づきます。
つまり原点対称の位置にあたるレジオフォーミュラM+などが合いそうです。ただ、スライサーは純正のままで良いですし、必ずしもストレートに近づけるのが得策でもないのでそこは試打してみましょう。
フィーリング
ローグST MAXドライバーには、新たに設計されたAIフェースSS22が搭載されています。
マーベリック同様のミスヒットへの強さに加えて初速向上も狙っています。このフェースの打感ですが、初代ローグのような柔らかいものではなくなりました。ローグST MAXドライバーの打感はエピックスピードに似ていて、軽くて静かな感じです。
ローグST MAXが合う人
今現状アウトサイドインでスライスしている人はあまり良くないです。
私としては、プッシュアウトやプッシュスライスをしてしまう人向けなドライバーだと思いました。カスタマイズすれば様々な人が安定性を手に入れることもできるとは思いますが、巨大なヘッドゆえにセッティングは容易ではありません。
そしてヘッドスピードですが、純正スペックでは45m/sくらいが上限かと思います。それ以上の人はローグST MAX LSを使えば良いです。
データチャート
安定性はかなり高評価しております。どう頑張っても一方向に飛ぶので、スコアアップには最適でしょう。一方で、スピン量はターゲットかどうかしっかりと見極めた上で判断。まぁLSモデルがあるのでハードヒッターはそっちを使えば良いです。
総合評価
初速性能の高さやヘッドスピードが上がるほどの軽さはメリットになる人が多いと思います。このスピードが出てこれだけ安定することにローグST MAXドライバーの価値があるのではないでしょうか。
需要は確実に捉えているのでハマる人多そうです。ぜひ試打してみましょう。
おススメ度
ローグST MAXドライバーはUSモデルがやすいです。







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