低スピンでは無かったLST
これは完全に私見なのですが、GシリーズなどからあるLST=ロースピンテクノロジーは、これまで一度も低スピンだったことがありませんでした。
ハードヒッターの方は同じことを思っていた方もいるかもしれませんね。
G425シリーズは、G410とは違い、3モデル同時発売となっているので、さぞ前作から進化したのだと期待したいですね。G425LSTの飛距離性能、特徴などを試打データを中心に評価していきます。
さっそく試打データを見ていきましょうか。
試打データ
ピンG425LST 9°×ピンツアー55S
ヘッドスピード | 53.2m/s |
ボールスピード | 76.3m/s |
平均キャリー | 301y |
平均トータル | 323y |
平均サイドスピン | 103rpmストレート |
平均バックスピン | 2480rpm |
平均打ち出し角 | 0.5° |
平均打ち上げ角 | 15.6° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 45° |
左右ブレ | -4y |
これはほぼ完ぺきな試打データでは無いでしょうか。かなりすばらしいです。
まず、最大飛距離は、キャリー306y、トータル328yでした。G425LSTは平均でも300yオーバーの高性能なドライバーですね。
バックスピンは2300rpm付近を推移します。前作と比べるとかなり低スピンになったと思います。ちなみに、カタログにはG425LSTはG410LST比200rpmバックスピン量が減っているらしいです。これはその通りだと思います。
G425MAXのバックスピン量が少し多めだったのもあり、G425LSTがシリーズの中で最も低スピンのドライバーということになりました。
さらに褒めますと、サイドスピン。ほとんど曲がらないストレートな弾道です。2桁rpmしかサイドスピンがかからないので安心して振れます。前作はオープンフェースだったこともあり、捕まりは弱めでしたが、G425LSTはほぼニュートラル。
打ち上げ角は思ったよりも高かったです。この辺りは後でまた詳しく書きます。
打ち出し角もほとんどストレートなので文字通り”まっすぐ”。
G425LSTは他のドライバーに合わせるために3球だけ残していますが、このような弾道が8球ほど取れましたから安定感も評価したいところです。
ピンG425MAX 9°×ALTA J CB SLATE X
ヘッドスピード | 52.5m/s |
ボールスピード | 74.8m/s |
平均キャリー | 284y |
平均トータル | 303y |
平均サイドスピン | 529rpmドロー |
平均バックスピン | 2798rpm |
平均打ち出し角 | -1.8° |
平均打ち上げ角 | 15.5° |
最大の高さ | 50y |
落下角度 | 47° |
左右ブレ | -41y |
ピンツアー55と同じくらいの重量ですが、こちらは純正J CBのXフレックスです。重量が60gあるのですが、捕まりはピンツアーより良いです。
弾道は高いです。重量はピンツアーと同じくらいでもだいぶ柔らかいです。シャフト特性としては、バックスピンが多く、打ち出しから左に飛びやすいといった感じです。
最大飛距離はキャリーで287yでした。
ピンG425LST 9°×VENTUS BLUE6S
ヘッドスピード | 53.7m/s |
ボールスピード | 74.9m/s |
平均キャリー | 296y |
平均トータル | 317y |
平均サイドスピン | 18rpmストレート |
平均バックスピン | 2452rpm |
平均打ち出し角 | 0.2° |
平均打ち上げ角 | 16.9° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 46° |
左右ブレ | 0y |
G425LSTの重いヘッドと、カウンターバランスのVENTUSは最強なんではないかと思います。曲がる気がしません。
最大飛距離は、キャリーで305y、トータル328yです。弾道自体はピンツアーの物とあまり変わりません。
ベンタスで組んだ時も打ち上げ角度は低くならないどころか、むしろ高め。G425LSTはテーラーメイドにぶつけてきているかのような高打ち上げ低スピンも打ててしまう器用なヘッドだと確信しました。
ピンG425LST 9°×テンセイCK PRO ORANGE60S
ヘッドスピード | 53.7m/s |
ボールスピード | 74.6m/s |
平均キャリー | 293y |
平均トータル | 314y |
平均サイドスピン | 180rpmドロー |
平均バックスピン | 2518rpm |
平均打ち出し角 | 0.5° |
平均打ち上げ角 | 16.1° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 46° |
左右ブレ | -9y |
ベンタスと同じくカウンターバランスのテンセイCK PROオレンジも弾道は直線的でした。重量感としてはこのスペックがピンツアーの次に良かったです。
最大飛距離は、キャリーで293y、トータル314yでした。バックスピンは平均で2500rpm前後です。
打ち上げ角は16°で、ベンタスと同じような球のあがり方です。一緒に写っているテンセイホワイトがやたら低いので高弾道に見えますが、そんなことは決してありませんのでご注意ください。
ピンG425LST 9°×テンセイCK PRO WHITE60S
ヘッドスピード | 51.9m/s |
ボールスピード | 71.9m/s |
平均キャリー | 291y |
平均トータル | 315y |
平均サイドスピン | 4rpmストレート |
平均バックスピン | 2044rpm |
平均打ち出し角 | -0.1° |
平均打ち上げ角 | 16.2° |
最大の高さ | 44y |
落下角度 | 42° |
左右ブレ | -9y |
こちらも最大飛距離はキャリー293y、トータル316yです。
そもそも低スピンのG425LSTに超低スピンのシャフトを組んでいるので、バックスピンが少ないのは当たり前ではあります。久しぶりにここまで低スピンな組み合わせを見ました。
サイドスピンはこのシャフトでもほとんどかかりません。恐ろしいほどの安定感です。これだけ色々なシャフトで試してこのような散らばりなので、これがG425LSTのヘッド性能であることは間違いないでしょう。
ただ、ホワイトに関しては、カウンターバランスでは無いのもありますし、ボロンチップなので、とにかく重くてかったるいです。
カスタムシャフトを組むのであれば、カウンターバランスが特におススメで、あまり先端の動きが少なすぎる物は組み合わせない方が良いかもしれません。
他社製品と比較したG425LSTのポジション
G425LSTはこのマトリックス図で言えば、XD-3とTW747 455の間くらいです。ほぼニュートラルという素性の良いヘッドと言って間違いないでしょう。どんなシャフトにも合うと思います。スクエアフェースですし。
G425LSTの音と打感
G425LSTの音は、MAXほど爆音ではありませんでした。シリーズの中ではおとなしい音です。
こんな言い方をして伝わるかは分かりませんが、M3ドライバーのあのドスンと叩く感触があります。あまりピンっぽくはなくて、一昔前のテーラーに似ています。
G425LSTの体積は他の2モデルよりも小さい445㏄ですから、このような打音と打感の違いを生んだのだと思います。
細かいことを言えば、フェースもシャローなので他の二つとはまったく似ていません。ピンらしいラインナップの仕方ですね。
G425LSTのウェイトと各種重量
前作比0.8g増。G425LSTもMAX同様ヘッドう重量はかなりヘビー級です。ピンはスリーブが6.5gほどなので、ヘッド全体だと205~206gということになります。SiMがヘッド単体195.5g、トータル202.5gというのを考えればいかにG425LSTのヘッドが重いかが分かるかと思います。
G425LSTの可変ウェイトの重量は14.3gで、前作の12g?と比べるとこちらも重くなっています。というか、ウェイトが重くなっているんですね。
G425LSTのデザイン
体積が445㏄とやや小さいのはソールが短くなっていることからも分かります。
フラットになっている分やや開いているようにも見えますが、ほぼスクエアです。G410LSTと比較すると全然スクエアです。
振った感触
先ほど先延ばしにした打ち上げ角の高さを解説します。
ポイントはソールの長さとウェイトですね。ウェイトが少ないので、地面にお尻が擦ることはなく、フェースを上向かせるのは難しくありませんでした。
そのため、スピンが少ないまま打ち上げ角が高めになり、中弾道になっているのだと私は考えています。
G425LSTはMAXにあったデメリットもありませんし、G410LSTの時に気になったことも解消されているといった感じです。
今回の試打は、新たに追加されたピンツアー55S。私も、65がハードすぎると思っていたので、ちょうどよかったです。55でもトルク3.7なので決してグニャグニャではありませんし、デザインも同じなので中々良いです。
G425LSTとG410LSTを比較して
どんなユーザーがこのG425LSTを選ぶかを考えると、やはり前作のLSTを使用している人と、キャロウェイやテーラーを使っていてもっと方向性を良くしたいと思っている人だと思います。
まず、G410LSTと比較します。マトリックス図の通りではありますが、あえて言葉にしてみましょう。
- G425LSTの方が捕まる
- G425LSTは低スピン高打ち出し
- 打感はどちらも硬いが音はG425LSTの方が低い
- 曲がりは大差なし
結果、G425LSTの方が、シャフトを選ばない素性の良いシャフトという感じに仕上がっていると思います。シャフトの選択肢が多いというのは、フィッターがいれば良いですが、自分で決めるとなるとちょっと難しくなってしまうという面もあります。
カスタムの可能性
基本的にどんなシャフトでも合うので、あまり心配はしていません。一つ注意するなら、ヘッド重量が重いため、組んでみたら思ったよりもトータル重量が重くなってしまうことがあることです。
とくに振り心地を軽くしたいなら、カウンターバランスにするなどの対策がおススメです。カウンターバランスのシャフトとの組み合わせは良いと思います。
さらに、短尺との組み合わせです。
これは前作でも良かったのでG425LSTでも相性は抜群だと考えています。スクエアフェースになったことで、より広い層に訴求できるヘッドになっています。
また、前作のような重量違いのウェイトが発売されるかはまだ分かりません。というのも、G425シリーズはアジア・オセアニア地域の先行発売だからです。
G410用の可変ウェイトもUS用だったので、まだ未定である以上今後の動向を見ていく必要があるでしょう。
データチャート
G425LSTの性能面は完璧。難易度が若干高いですが、これでもG410よりは改善されているので決して評価を下げるつもりはありません。
個人的にかなり評価していますので、大きなチャートになりました。
総評
超良いです。ピンはあまり好きではないのですが、G425LSTは本当に良いです。名器です。
とにかく素性が良いというところ、どんなシャフトとも合わせられますし、ドロップの心配もありません。しかも打ち出し角をコントロールしやすいというのが安心感があります。
G410シリーズはプラスが当たりでしたが、G425はLSTが当たりです。
おススメ度



ちなみに、G425シリーズはアジア・オセアニア地域で先行発売となりますので、US仕様が出るのはまだ先です。
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