タイトリストが900シリーズの後継として発売したTSシリーズのドライバーに、新たにTS1とTS4が追加されました。
今回紹介するのは、捕まり重視の高弾道系であるTS1です。
このドライバーは総重量270g台の軽量仕様で、所謂ゼクシオ対抗に分類される重量帯。TS1は日本向けのドライバーであるVG3の後継モデルという噂もあります。
しかし、TSシリーズ自体はワールドワイドなモデルですから、真相は分かりません。
まずはスペックから紹介していきたいと思います。
TS1の特徴&スペック
まずは、見た目から。
TS1の特徴としては、ヘッドの長さが最も目立つところです。
TS2よりもさらに長いヘッド長で、エピックフラッシュと同じくらいのサイズ感でした。もちろん、ヘッド体積は460㏄です。
高弾道ドライバーに多く見られる特徴ですね。
次に、ウェイトです。
これがTS1についているウェイト。TSシリーズはTS2とTS4に採用されている台形のウェイトと、TS3に使用されている棒状のウェイトの二種類がありましたが、TS1にはオリジナルのウェイトが付いていていました。
こちらはオプションで-4g/-2g/STD/+2g/+4g/+6gが選択可能です。弾道の高さを調整するものですから、高すぎる場合はより軽いウェイトにすると良いでしょう。
各種重量
ヘッド重量
TS1のヘッドはかなり軽量で186g強しかありませんでした。TS2は192g、TS3は194gでしたから実に8g軽い訳です。
ハードヒッターには不向きなヘッド重量ですが、逆に言えばヘッドスピードを簡単に上げられる仕様でもあるので、アベレージプレーヤーにはちょうど良いでしょう。
トータル重量
タイトリストAiRSpeeder(SR)
何故か公表値より重いですが、本当は270gらしいです(笑)
270gというとゼクシオⅩのRシャフトやPRGR RSレッドあたりと同重量帯。軽いです。
キックポイントは先中。
フレックス | R | SR |
総重量 | 268g | 270g |
トルク | 5.0 | 4.8 |
タイトリストディアマナ50(S)
本当は275gらしいので、こちらも公表値より少し重くなってしまいました(笑)
まぁタイトリストなので重量誤差は仕方ありません。
275gというと、MグローレのRシャフトとかがライバルになりそうですね。ちなみにRシャフトにすると271gになります。
こちらも先中調子です。
フレックス | R | SR | S |
総重量 | 271g | 273g | 275g |
トルク | 5.7 | 5.6 | 5.5 |
試打データ
それでは、待望の?試打データです!(笑)
TS1(9.5°) x Titleist AiRSpeeder(SR)
ヘッドスピード | 53.2m/s |
平均キャリー | 282y |
平均トータル | 302y |
平均サイドスピン | 467rpmドロー |
平均バックスピン | 2841rpm |
平均打ち出し角 | 0.4 |
平均打ち上げ角 | 14.5° |
左右ブレ | -25y |
予想通り、バックスピンは結構多いですね。それでも最大の高さは47yでした。
例えるなら、G410SFTの軽量版。唯一、打ち上げ角がこちらの方が(ロフトの差以上に)低いのでここはTS1ドライバーの特徴と言えそうです。
かなり捕まりが強く、ヘッドの走りを抑えるのが大変でした。このあと紹介するディアマナを装着したものよりも捕まると思います。
TS1(9.5°) x Titleist Diamana50(S)
ヘッドスピード | 53.9m/s |
平均キャリー | 286y |
平均トータル | 304y |
平均サイドスピン | 198rpmドロー |
平均バックスピン | 2966rpm |
平均打ち出し角 | -0.8 |
平均打ち上げ角 | 14.6° |
左右ブレ | -16y |
こちらの方が弾道が高いです。最大の高さは50y。
明らかにしなり戻りのスピードが速く、しなやかでした。個人的にはこちらのシャフトの方が好みでしたね。
球の集まりも申し分なく、左8y~14yに集まりました。このくらいの安定感での最大飛距離はキャリーで288y、トータル307yです。
この手の軽量ドライバーではスピンロスで飛距離が伸びないことが多いのですが、スピンが出ているわりにTS1はよく飛んでいます。
おそらく、打ち上げ角の低さが効いているのと初速の速さ(Ave75.6m/s)が功を奏したのでしょう。
また、サイドスピンは100rpm台で非常に少ないです。
TS1(9.5°) x Titleist Diamana50(S) x C1ポジション(ロフト&ライ角-0.75)
ヘッドスピード | 53.8m/s |
平均キャリー | 300y |
平均トータル | 324y |
平均サイドスピン | 513rpmドロー |
平均バックスピン | 2068rpm |
平均打ち出し角 | -2.6 |
平均打ち上げ角 | 14.2° |
左右ブレ | -52y |
面白くなってしまったので、どのくらい飛距離を出せるのかチャレンジしてみました。
意図としては、バックスピンを減らすのと打ち出しを右にするためにC1ポジションを選択したわけですが、打ち出しは治りませんでした。
結果から言うと飛びます!
この試打データは3球の平均値です。最大飛距離はキャリーで306y、トータル333y。エピックフラッシュの309yに次ぐ大記録。
見事にバックスピンが減りましたが、サイドスピンと打ち出し角が悪化したので方向性はかなり左。
TS1ドライバーの飛距離のワケ
とりあえず速い
一番大きな点は、ヘッドスピード並びに初速の速さです。
重量が軽いゆえに、速度が向上したということです。また、気づいた方もいると思いますが、シャフトによってヘッドスピードが違います。
一般的に、ハードヒッターの方は硬い方が飛ぶのですが、私のようにシャフトをしならせまくるタイプの人はむしろ柔らかい方がヘッドスピードが上がります。
よって、ディアマナの方が1m/s近く高いヘッドスピードを実現したわけです。
よくわかんないけど真ん中に当たる
もともと芯から外すことは少ないですが、TS1ドライバーを試打している時は本当に真ん中にしか当たりませんでした。
少し見えにくいですね。
単純に、シャフトのしなり戻りのタイミングと私のスイングのタイミングが一致したのもありますが、ヘッドの力強さも影響していると感じました。
軽いながら、オートマチックでヘッドがブレないので再現性が高いです。
よくわかんないとか言っておきながら冷静に分析出来ました(笑)
ビジュアルで見る弾道の違い
こちらがAiRSpeeder。
そしてこちらがディアマナ。最高点がディアマナの方が手前に来てます。
曲がり方を見ると、AiRSpeederは打ち上げている時から左に流れているのに対して、ディアマナは落ち際で曲がります。
シャフトの違いを詳しく
スペックに関しては冒頭にある通りです。
ここでは感覚的な部分と、見た目に注目してみたいと思います。
分かりますかね?
AiRSpeederはかなり太いです。しかも、きれいなテーパーでなく中央部分が明らかに太くなっています。
昔のバブルシャフト?みたいな感じです。
グリップ部分の太さはややAiRSpeederの方が太いように感じましたが、気になるほどではありません。
試打している時に感じた違いは、しなり始めの挙動。トルクの差よりもAiRSpeederは剛性感があり、しなる幅が少ないです。
ですから、切り返しで手首を返し始めるタイプの方はAiRSpeederの方が合いそうな気がします。
また、写真では分かりにくいですが、TS1の純正シャフトはどちらもつや消しです。最近流行りつつあるデザインです。
構えるとこんな感じ。
少しだけフックに挿さっているように見えました。また、フェースのヒール側が広く、9.5°でも見えます。
ヘッドの形状としては、画像右上の部分が膨らんでおり、かなり丸っこいです。好みが分かれそうな部分。
TS1でカスタムを組むなら?
TS1のヘッドとしては、ロフトが9.5°、10.5°、カスタムオーダーのみの12.5°が選べます。
先に述べた通りウェイトは-4g/-2g/STD/+2g/+4g/+6gが選択可能。スリーブのSureFitは捕まりを増す方には調整幅がありますが、逆はライ角フラットくらいです。
もし、飛距離を伸ばすカスタムをするならば、より軽いウェイトにして重量を抑えるべきだと思います。これによりバックスピンが下がるのと、ヘッドスピードが上がることを促します。
シャフトは、難しいです。TS1ドライバーのヘッドスピードの要因はやはり”軽量”であること。
重くて硬いシャフトにしたら良さを殺してしまいそうです。ですから、組むとしても40g台から50g台前半。
フェースの反発で飛ばすエピックフラッシュとはカスタムの方向性が違います。純正の完成度が高いのでこの辺りは慎重に。
データチャート
TS1は飛距離、易しさで満点の評価。珍しくコスパも9点の高評価でした。
実は、低かが72000円(税抜)なので、店頭で54000円(税込)くらいになると思われます。ピンのドライバーやM6と同じ価格帯です。
TS1と飛距離が同レベルのエピックフラッシュは値引いて6万円くらいなので一回りコスパが高いですね。
一方で、スピンの評価はそこまで高得点にしませんでした。まぁ、しっかりとアッパーに打てれば問題ないのですが、なにせオートマチックなので難しいと思います。
総評
TS1ドライバーは、超軽量のドライバーでありながらハードヒッターの私が打っても負けない強いヘッドと最適な純正シャフトで素晴らしい飛距離性能を実現しています。
どちらかというと、私のようなハードヒッターよりもヘッドスピード40m/s以下のプレーヤーの方が恩恵を受けられると思います。
見た目は、シンプルな黒いヘッドとつや消しのシャフトでうまくまとまっているかなと。一度見てみてください。
おススメ度
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