一般化しつつある弾道計測機
今や試打計測が当たり前になっているゴルフ業界ですが、そんな中でも10万円以下で購入できる弾道計測機の市場は拡大しつつあるように思います。
初期からあるスカイトラックやフライトスコープミーぼ、スイングキャディなど数多くの弾道計測機は、その販路がそこまで広くはなかったので、普及したとは言い難いです。
しかしガーミンアプローチR10は発売当初から注目され、その機能の豊富さと価格のバランスから欠品が続きます。システムとしては、スカイトラック以外の低価格弾道計測機と同じドップラーレーダー式です。
この記事ではガーミンアプローチR10が他のドップラーレーダー式弾道計測機と何が違うのか、何が優れているのか、何が劣っているのかを徹底的に解説していきたいと思います。
ガーミンアプローチR10の概要
ガーミンアプローチR10の概要をまとめるとこんな感じです。
- ドップラーレーダーによる弾道計測
- 弾道をビジュアルでリアルタイム表示
- アタックアングルやクラブパスなどクラブ軌道も分かる
- 価格は7万円程度
- 手軽なサイズ
他の計測器と違うのは黄色いアンダーマーカーを引いた2つです。弾道がビジュアルでリアルタイムで分かるのは30万円のスカイトラックやミーボプラスでしか備わっていない機能です。
また、クラブパスに関してはドップラーレーダー式の計測機としてはかなり珍しい機能。カメラで測定するスカイトラックやGC2、GC4の得意分野です。
ガーミンアプローチR10が表示出来る測定値
ガーミンアプローチR10で表示出来るのは以下の測定値です。
- 飛距離(キャリー&トータル)
- キャリー&トータル偏差(落下地点と到達地点の中心からのずれ=ブレ幅)
- クラブパス(=軌道)
- クラブフェース(スクエア比)
- 軌道に対するフェース角
- スイング軌道(アタックアングル)
- 打ち出し角度
- サイドスピン
- バックスピン
- スマッシュファクター(ミート率)
- 最高到達地点(高さ)
少々名称が分かりにくいものが多いように思います。ミーボはその辺りが非常に分かりやすいので、ガーミンアプローチR10は親切さに欠けます。
ただ、ガーミンアプローチR10で表示される測定値としてはこれ以上にない充実度かなと思います。
ガーミンアプローチR10の計測の精度
室内計測でGC2と比較してみました。
良い時
ヘッドスピード、ボール初速はまずまず良い数値が出ます。バックスピン量も悪くないですね。
ただ、飛距離に関してガーミンアプローチR10は若干多めに出ています。フィーリングに近いのはやはりGC2です。
これはそっくりな弾道が出ましたね
わざとカットで打ってもバックスピン量は補正されたような数値が出てしまいます。ちょっと意地悪ですが、打つ人は毎回うまく打てないからこういう計測機を使うのでこれは頂けません。
ダメな時
毎回うまく計測できる訳ではありませんでした。
こちらも10yほどのズレがありますね。バックスピン量はガーミンアプローチR10の方が安定して調整しているように思います。このデータでもヘッドスピードとボール初速はかなり近いです。
逆玉は結構出ます。
データの方はサイドスピンが真逆ですが、他はそこそこ良い数字かなと思います。
逆球になるパターン
インテンショナルショットでガーミンアプローチR10の癖を見極めていった時に、気付いたことがありました。
それは、打ち出し角とスピンの方向が違う場合に逆球が出やすいということです。左打ち出しのスライスや右打ち出しのフックのことです。
プッシュアウトや左に引っ張る弾道はちゃんと計測されることからも、この特性は明らかではないかと思います。
ガーミンアプローチR10の信頼できる数値
複数の練習場で計測をして、複数種類のボールも試した結果としての結論を述べます。
- ヘッドスピード
- ボール初速
- 打ち出し角度
- 打ち上げ角度
この4つは信頼できるかなと思います。飛距離は惜しいですが、極端なミスショットには反応しません。特にバックスピンが増えてショートするのはほぼダメです。
致命的なのはサイドスピンではないでしょうか。多い少ないはまだ許せますが、逆のものが半分くらいの確率で出ますので意味のない計測値ということになります。
ガーミンアプローチR10の多彩な画面切替
ガーミンアプローチR10は画面を手軽に切り替えることが出来ます。メインはこの画面。
まぁ低価格なので安っぽさは目を瞑ります。屋外で使う分にはあまり必要ないと思います。
クラブデータメインの画面がこちらです。ビジュアルで分かりやすいですし、綺麗です。
ボールデータメインがこの画面です。あまり見やすくはないですね。「サイドスピン」などの文字が小さいです。地面に置いて見るのは厳しいですね。(アタッチメントでスマホを置けるのはついています)
大きく表示する画面もあります。距離と方向性だけ表示します。使った感じは、この画面と最初の弾道がビジュアルで見える画面のどちらかをメインで使用するかなという感じです。
ガーミンアプローチR10の使い方
使用するのはこのアプリです。S62などの他のデバイスでも使用するアプリに集結されています。
使用方法はガイドが出てくるので、特に説明はしません。
ボールの真後ろに確実に置いてください。これを雑にやると、ボールデータは大丈夫ですが、クラブデータが正確に取れなくなります。
内容物
こんなケースが付属しています。かっこいい。
中には本体と、マグネットでくっつける脚、スマホホルダー、充電用コードが入っています。
こんなデザインです。シンプルで良いですね。
後ろに赤いラインが描いてあるのでアライメントを取りやすいです。
スマホホルダーはキャディバッグなどに付けられるようなクリップになっています。
ガーミンアプローチR10のイマイチなとこ
ズバリ、エラーです。
今スマホのアプリですら弾道計測を出来る時代ですから、こういった製品を購入することの意義は、
- 快適に使うことが出来ること
だと私は考えています。そうなった時に、エラーが出るのはよろしくありません。
特にこのガーミンアプローチR10で出るエラーは赤いランプが点滅する「ビジー状態」です。この状態では計測は出来ません。屋外練習場だと結構出ます。隣が近い練習場の方が良く出ました。
正直致命的なくらいこのビジー状態が出るのでイライラします。ミーボやスイングキャディはこうしたエラーがほとんど出ないので快適です。
日常ユースに使いたいと思える代物ではありませんでした。
それから、データに関しても少し思うところがあります。それは方向性の表示機能です。意味がないなら、無い方が良いです。屋外で使用する分には、実際の弾道を見れば良いのですが、室内でメインで使いたいというのであればあまりお勧めしません。
総合評価
今何も弾道計測機を持っていないのであれば、買っても良いかもしれません。
注意して欲しいのは、自分がどこで使うかです。屋外の練習場しか行かないのであれば他の製品よりお勧め出来ます。しかし、室内で使用するのであれば、ミーボやスイングキャディの方が優れていると思います。
ただ、度々出るビジー状態はかなりの減点要素です。これを解消する方法が見つかるなら辛うじてアリなのかなという感じです。
おススメ度
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