ラインナップを刷新
タイトリストはアイアンのモデル数が非常に多いメーカーです。2021年モデルとしては一気に4モデルを発売しました。流石の体力ですね。
そして2021年のモデルチェンジは、ロフトを見直した年となりました。T100とT100Sがフラッグシップとしてタイトリストが得意とする層を捉えたために、下位のモデルを寝かせることが出来るようになったようです。
今回紹介する2021年モデルのT200アイアンは7番で31°のロフト、前作よりもマッスル感強めのデザインになりました。この記事では性能はもちろん、フィーリングや振り心地なども含めた評価をしていきたいと思います。
T200(2021)のデザイン
バックフェースは、所謂蓋をした系のなんちゃってマッスルみたいな感じ。2021年モデルのT200アイアンのこのデザインは、振動や反響を制御するために装着されているようです。SIM2MAXアイアンも同じ構造ですね。
なんとなく前作のT200よりもソールが厚くなっているような気がします。
ソール形状は、後ろ側が少し削られているようなデザインになっています。三浦のダブルカットソールみたいな抜けの良さそうなソールです。
構えるとこの顔です。T200自体はフェースが短めだという印象がありましたが、ほんの少しですが、大きくなったような。
試打データ
モデル | N.S.PRO105T | N.S.PRO880AMC |
ヘッドスピード | 39.9m/s | 45.6m/s |
ボールスピード | 58.4m/s | 61.1m/s |
平均キャリー | 188y | 188y |
平均トータル | 199y | 197y |
平均サイドスピン | 288rpmドロー | 194rpmドロー |
平均バックスピン | 4756rpm | 5899rpm |
平均打ち出し角 | -1.8° | -1.3° |
平均打ち上げ角 | 24.6° | 24.4° |
最大の高さ | 51y | 56y |
落下角度 | 53° | 55° |
左右ブレ | -13y | -8y |
試打クラブは2種類のシャフトが用意されていましたので両方試打してみました。105TはT100Sの試打でも打ちましたが、スピンが少ない感じがしますね。
シャフトに関しては後述しますのでそちらで。
試打データを見てみると、どちらもキャリーが188y出ています。飛距離性能は高いですね。初速もレベルが高いです。
白が105T、赤が880AMC
T200アイアンの特徴的な試打データは、打ち上げ角度です。高いですね。私の感覚が正しければ先ほどデザインで言及したソールが多少働いているのではないかとかんがえています。
同じキャリー188yでも、これだけ弾道が違います。これは本当にタイトリストの純正シャフトの面白いところであり、そのシャフトの違いがしっかりと現れるT200アイアンのヘッドの素性の良さも伺えます。
超秀逸な純正シャフト
105Tの方は、すでに打っていますが複数のヘッドで打ったことで分かってきました。
先中調子で111.3gという変わったスペックのシャフトです。スピンは少なめで、34°のT100でなければスピン不足なのは否めません。逆に言えば、飛距離が出しやすいシャフトです。
880AMCはプリントされている通り、アセンディング・マス・コンセプトの略のようです。ぱっと見わからないかもしれませんが、AMTにそっくりなネーミング。ここからもこのシャフトがウェイトフローになっていることが分かるかなと思います。
トルクは105Tが1.9°なのに対して880AMCは2.1°と大きめ。880AMCは中元調子みたいです。フィーリングは880AMCの方が好みでした。軽いですが、しっかり振れます。
フィーリング
T200アイアンのフィーリングをまずは打感から。
打感は、そこそこ良いです。ただし31°だと打感の良いライバルも多いので、打感が決め手になるほど良くはないです。タングステンウェイトは、両端に配置しているのもあると思いますし、バックフェースのマッスルプレートの効果もあるのか、響きは良くてガシャガシャすることはありませんでした。
よく作られた打感です。
ヘッドの動きは非常に穏やかで、安定した弾道が打ちやすいです。ただ、T100のような操作性はないので、ちょっとオートマチックなアイアンが欲しい方はT200を選ぶと良いと思います。
データチャート
T200アイアンは全体的にバランスの良いアイアンだと思います。スピン性能が若干低いですが、シャフトを変えればなんとかなりそうなくらいです。あくまで純正ならこの評価という風に思ってください。
ただ、どの項目も10点をあげられる訳ではないというのも一つ特徴なので、魅力には欠けるのは否めません。
総合評価
T200アイアンは、万人うけしそうなモデルだと思います。ハードヒッターには合わない特徴が多いものの、需要のあるアイアンであることは間違いありません。
最近どんどんストロングになっていくアイアンですが、あえて寝かせるのがタイトリストらしいです。
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