105gに新たな選択肢
105g帯には、モーダス105、DG105、島田K’s105、プロジェクトX IOなど数多くのスチールシャフトがラインナップされています。
そんな中、新たな選択肢が登場しました。ファインドプラス社が展開するXROM(クロム)というシャフトです。このシャフトは黒いコスメが特徴。すでにYouTubeなどで特集されていると思いますが、それを購入したので評価していきます。
XROMのデザイン
XROMのコスメはソリッドな黒にやや光沢のある文字で表現されています。
XROM、105、BLACK STEELと書かれています。わざわざブラックスチールと書かなくても良いんですがね。
境目はこんな風なグラデーションになっています。
これが先端部分ですが、下のモーダス120と比べると明らかに細いです。バット側は普通ですが、先端はステップの度に細くなっていくようなデザインです。
試打データ
ヘッドスピード | 46.8m/s |
ボールスピード | 55.5m/s |
平均キャリー | 166y |
平均トータル | 174y |
平均サイドスピン | 817rpmドロー |
平均バックスピン | 7012rpm |
平均打ち出し角 | -1.0° |
平均打ち上げ角 | 23.8° |
最大の高さ | 45y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | -15y |
XROMはかなり独特な試打データです。7000rpmを超える高スピンなのにドロー回転が平均で817rpmもかかっています。曲がり幅自体はそこまで大きくありませんし、打ち出しから左に出ているので引っかけというわけではないかなと思いました。
また、初速が出ないので高スピンと組み合わさって飛距離がイマイチ伸びません。ただ、キャリーは安定するのでそこはアイアンに置いてメリットになるでしょう。また、ストロング化している飛び系アイアンにもマッチしそうな特性でもあります。
打ち出しから高くて、スピンでさらに上がっていくような弾道。横から見た弾道の形状が凹んではいないも面白いですね。
XROMのフィーリング
フィーリングとしては、硬くも柔らかくもありません。黒くてカーボンみたいだから柔らかいと思うかもしれませんが、そんなことはないのでご安心を。
実際、メーカー公表値でもSで333cpmですから、モーダス105くらいの硬さということになります。
実際振動数的には普通の硬さですが、動的なスイング中の硬さはやや柔らかいです。柔らかいというか、トップの切り返しでのねじれ感が強いかなと思いました。この時の動きが大きいもののゆっくりなのでコントロール性は高いです。
また、数値的にもフィーリング的にも分かる点としてダウンブローの角度が小さいです。通常3~4°のアタックアングルですが、2.5°ほどしかつきません。これでいて高スピンなのは謎が多いです。
打点傾向
打点はヒール気味になりやすいと感じました。ローテーション量が増えていることも影響しているとは思いますが、このヒール寄りの打点で高スピンになるのも面白いです。
ヒール気味になるので打感が悪くなってしまうアイアンもあるかもしれませんね。
振動数
XROMは1本取りシャフトなので、同じシャフトをカットする量で硬さを変えることができます。振動数は以下のPDFに記載されているので参考までに。
実は、しなやかと釘打っておきながらSで333cpmと、結構しっかりしています。フレックスは5つで、それぞれのフレックスによる振動数のフローは小さいです。
XROMと合うヘッド
試打データを見て分かる通り、XROMは高スピンでドローがしっかりかかるシャフトです。ですから、比較的ヘッドの動きが遅いフェース長の長いヘッドであったり、ストロングロフトのモデルとの相性が良いのは間違い無いでしょう。
具体的なモデルでは、G425アイアン、ステルスアイアン、VD40アイアンなどです。これに似たモデルも相性は期待できると思います。今の主流のモデルばかりなので組み合わせに関して心配する必要はないでしょう。
一方で、今回試打したような718CB(34°)は合っていないと思うので、注意してください。クラシックロフトを単純に軽くしたいのであれば、モーダス105の方が良いです。
データチャート
飛距離性能は良くも悪くも高くありません。これはストロングロフトとの相性が良くなるという利点と合わせると総合的に考えればプラスだと思います。
価格は1本1.3万円ほどしますので、通常のスチールシャフトの2〜4倍なので決して安くはありません。振動数の割にはしなやかですし難易度は低いですから、XROMが合う人は飛び系に操作性を与えたい人で尚且つヘッドスピードが45m/s以下のユーザーだと思います。
総合評価
105g帯はライバルが多い上にユーザー数も多いので差別化が難しいと思います。XROMは他社製品とは圧倒的に違ったフィーリングと打点傾向、挙動を見せるので、それらと比較して優劣をつける必要はありません。
デザイン的なかっこよさも含めて、欲しくなる人が多いのではないかという予感がします。
おススメ度 (4 / 5)
コメント