ベンタスシリーズの進化形
ベンタスシリーズは、テンセイの対抗馬として語られることが多いですが、別にそこまでバチバチでもなく、ただ単に同じくらいの価格帯、つまり素材選びをしているというだけだと私は考えています。
テンセイシリーズはとにかく幅広いラインナップですが、ベンタスは2022年に登場するベンタスTRブルーを合わせても4種類。
この記事で評価するベンタスTRのTRはTour Ratedの略で、一応ベンタスTRブルーというネーミングなので今後ベンタスTRブラックなんかも登場する予感がします。それではまずベンタスTRブルーのデザインから見ていきます。
ベンタスTRブルーのデザイン
ベンタスシリーズのデザインはこれまでもカッコいいと評価してきましたが、ベンタスTRブルーはその中でも特にカッコいいです。
ベンタスTRブルーとベンタスブルーとの違いは少しラメの入ったカラーリングとTRの文字。
上の画像では真ん中がベンタスTRブルーです。とても高級感のある深いブルー。レクサスのモルフォチョウのカラーを模したあの青に似ています(分かりにくい)。青紫と言った方が正確かなと思います。
ベンタスTRブルーにも先端にベロコアと表記があります。この画像だとラメがよく分かるかなと思います。
試打データ
ベンタスTRブルー6S×エピックフラッシュサブゼロ9°
ヘッドスピード | 54.3m/s |
ボールスピード | 75.1m/s |
平均キャリー | 302y |
平均トータル | 326y |
平均サイドスピン | 256rpmフェード |
平均バックスピン | 2125rpm |
平均打ち出し角 | -2.7° |
平均打ち上げ角 | 15.1° |
最大の高さ | 44y |
落下角度 | 42° |
左右ブレ | 4y |
ベンタスTRブルーは、かなりフェードバイアスの効いたシャフトでした。確かに、ベンタスブルーとベンタスブラックの中間的なフィーリングではあったものの、初速の出方はブラック寄り、方向の集まり方はブルー寄りという風な感じです。
安定してフェードになってくれるので思い切り捕まえに行っても引っ掛けない特性。
バックスピン量は2000rpmを切ることもあるくらいに低スピン。ベンタスTRブルーの最高飛距離はキャリーで307yでした。
ベンタスTRブルー6S×ステルス9°
ヘッドスピード | 53.1m/s |
ボールスピード | 75.2m/s |
平均キャリー | 294y |
平均トータル | 314y |
平均サイドスピン | 5rpmフェード |
平均バックスピン | 2582rpm |
平均打ち出し角 | -6.9° |
平均打ち上げ角 | 15.0° |
最大の高さ | 48y |
落下角度 | 45° |
左右ブレ | -37y |
ベンタスTRブルーをテーラーメイドのステルスドライバーに組み合わせて打ってみました。結果としては相性最悪で、全然ヘッドスピードも初速も出ない散々なものになってしまいました。

左に大きく打ち出していることからも、ベンタスTRブルーとステルスドライバーの相性の悪さが伺えます。
最高飛距離はキャリーで305yでした。右に飛ぶと予想していただけに意外な結果になりましたが、捕まえることができるというベンタスブルー的な要素もあるんだと思いました。
ベンタスTRブルー6S×ローグSTトリプルダイヤモンドLS9°
ヘッドスピード | 54.4m/s |
ボールスピード | 77.7m/s |
平均キャリー | 310y |
平均トータル | 334y |
平均サイドスピン | 255rpmフェード |
平均バックスピン | 2217rpm |
平均打ち出し角 | -2.0° |
平均打ち上げ角 | 15.5° |
最大の高さ | 48y |
落下角度 | 43° |
左右ブレ | 7y |
せっかく借りたローグSTトリプルダイヤLSをベンタスTRブルーと組み合わせてみました。結果は素晴らしいもので、サイドスピンは安定して少なく常にフェード。読みやすい方向性はスコアに繋がりそうです。
個人的にベンタスTRブルーのおススメセッティングの一つと認定しています。平均飛距離はキャリー310yで最高はキャリー316y。
バックスピン量は2200rpm程度で、低スピン傾向ですが、比較的高弾道なのがベンタスTRブルーの独特なところ。
ベンタスTRブルーの特徴
ベンタスTRブルーの特徴をまとめると以下のようになります。
- かなりフェードバイアス
- 左のミスはほぼ消せる
- 弾道はやや高め
- パワーをかけるポイントによって感じる硬さがかなり変わる
- 短く見える
最大の特徴は方向性だと思います。ベンタスTRブルーの方がベンタスブラックよりも右に飛ぶと私は考えています。
剛性分布を見てもベンタスTRブルーはベンタスブラック寄りなので、納得ではある。ちなみに、振り心地はベンタスブルーにそっくり。見事に中間的な特徴になっていて大変面白いです。
フィーリングですが、ワッグルすると重くて硬いのが一瞬で分かります。これは手元剛性が高いのと単純に重量が重いからでしょう。スペック分析は後述。
ベンタスTRブルーのスペック
重さは50g台からで、今回試打した60Sは68gもあります。
トルクは3.1とかなり小さくいかにもUS仕様のシャフトだなと感じますね。中調子ですが、先程の剛性分布では手元と先端の剛性がベンタスブラック並みなのでしなやかさとは無縁。
他社製品やベンタスシリーズと比較
同じベンタスシリーズで比べるとこんな感じです。私がオリジナルで作成したマトリックスチャートを置いておきます。
ベンタスTRブルーは右に飛ぶことは確実で、ミスヒットは高さに出やすいです。
他社製品と比べると、すでに上の簡易チャートに掲載されているベンタスブルーを基準にすればベンタスTRブルーがかなり右になることは予想できますね。
↓ベンタスTRブルーも掲載した完全版はこちら↓

ベンタスTRブルーほど右に飛ぶなら、マーベリックサブゼロ以右と組めばまず引っ掛けることはないでしょう。引っ掛けたらそれはあなたのせいであり、ベンタスTRブルーのせいではありません。
ベンタスTRブルーの振動数
ベンタスTRブルーの振動数は6Sで266cpmでした。
6Sとしてはやや硬めなスペックです。ベンタスシリーズはブルー以外ほとんど同じ振動数なのでシリーズ内での格差は少ないです。
ベンタスTRブルーの振り心地
打点の傾向としては、センターに当たりやすいタイプではありません。その分一方向(右)に集めるのは比較的容易。
ベンタスTRブルーでミスをするなら、ヒール側かつトップ目に当たることが多かったです。つまり、ミスをするとスピンが増えて飛ばなくなるということなので、方向の特性含めスコアに繋がりそうなシャフトと言えそう。
データチャート
ベンタスTRブルーはやさしさ以外は高評価しました。特に安定性が高く、それだからこそ振れるので飛距離も稼げるという仕様。メーカーカスタムにラインナップされるかは、執筆時点では分かっていませんが国内展開はするので時間の問題でしょう。
総合評価
ベンタスシリーズは全体的に好きではないのですが、ベンタスTRブルーは比較的打ちやすいです。ベンタスブルーも割と得意なのでそれも影響しているかもしれません。ベンタスブルーを今使っていて、もっと左のミスを減らしたいという人にはベンタスTRブルーは間違いなくおススメです。
おススメ度













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