マキロイが使っていたシャフト
テンセイシリーズは国内に展開されたカウンターバランスのオレンジの他に、今回紹介するホワイト、レッド、ブルーがあります。
この中でも特に低弾道なテンセイCKプロホワイトはUSPGAのプレーヤーに人気です。ブルーもフランチェスコ・モリナリ選手が使用した経歴がありますが、ホワイトは圧倒的に人気です。
国内でも三浦桃香プロが使用しているらしく、やはりハードヒッターに好まれる仕様だということが分かります。今回の試打レビューでは、テンセイCKプロホワイトをテンセイCKプロオレンジと比較しながら検証していきます。
試打データ
シャフト | テンセイCKプロホワイト | テンセイCKプロオレンジ |
ヘッドスピード | 51.9m/s | 53.7m/s |
ボールスピード | 71.9m/s | 74.6m/s |
平均キャリー | 291y | 293y |
平均トータル | 315y | 314y |
平均サイドスピン | 4rpmストレート | 180rpmドロー |
平均バックスピン | 2044rpm | 2518rpm |
平均打ち出し角 | -0.1° | 0.5° |
平均打ち上げ角 | 16.2° | 16.1° |
最大の高さ | 44y | 51y |
落下角度 | 42° | 46° |
左右ブレ | -9y | -9y |
非常に面白いデータになったと思います。ヘッドはピンG425LSTの9°です。
まず、大きな違いはバックスピン量です。これがトピックと言って良いでしょう。テンセイCKプロホワイトは平均的に500rpmほどバックスピンが少ないです。
そもそもオレンジだって十分バックスピン量の少ないモデルですからそれよりもさらに500rpmも少ないとなるといかにテンセイCKプロホワイトが低スピンかが分かると思います。
これと並んで重要なデータがもう一つあります。ヘッドスピードとボール初速です。テンセイCKプロホワイトのヘッドスピードの遅さは驚きですが、感覚的にも全く持って振れていませんでしたので納得です。
これはどちらかというとオレンジがカウンターバランスでピンのような重いヘッドとの組み合わせが良いというのが少なからずあるとは思います。カウンターバランスで振り抜きの良いオレンジが速かったと言えなくもないのです。
テンセイCKプロホワイトのヘッドスピードが遅い理由は、先端剛性が比較的高いことに対して、中間剛性も高いからだと思います。これにより、手元側をしならせることが出来ない限りほとんどヘッドが返ってくることはありません。
これこそがテンセイCKプロホワイトの最大の特徴でしょう。
それでも、低スピンである故に飛距離性能はオレンジと同等です。

ビジュアルで見る弾道
テンセイCKプロホワイトは、決して高弾道ではないテンセイCKプロオレンジよりも低いです。超が付くほど低弾道です。
安定感は同じくらいだと思います。
新しい感覚の”安心感”
安心感という曖昧な言葉は、なんとなく理由が分からないけど安定した弾道のシャフトを褒めるときによく使う言葉ですが、テンセイCKプロホワイトにはしっかりとした理由があると思います。
例えば、ボロンチップ。剛性も高く独特な動きをする素材です。
これによって、「もったり」した挙動を見せます。これは、ボールにヒットした時にも同じで、当たり負けしない剛性の高さがあります。
この当たり負けしないというのは、しっかりと試打データに現れています。打ち出し角が左ならフェードし、右に打ち出せばドローします。私は、後者はよく起こるのですが、前者は中々珍しい現象です。もちろん、サイドスピンは最低限です。
テンセイCKプロホワイトの”安心感”は感覚的ではなく、データも伴っているというところが素晴らしいですね。
他の製品と比較
この図で言えば、テンセイCKプロホワイトの位置はスピーダーTRの真下、ツアーAD PTと同じ高さです。ハードヒッターの中でも、引っ掛けのミスが怖い人におススメなシャフトですね。
データチャート
ハードヒッターのためのサイトであるここでの評価は非常に高い物となるでしょう。しかし、お世辞にも簡単に打てるシャフトとは言えません。たとえヘッドスピード50でも打ちこなせる人の割合は限られているでしょう。
テンセイCKプロホワイトの価格は同じテンセイプロシリーズのオレンジと大体同じです。
総評
前から気になっていたシャフトでしたが、本当に面白いシャフトでした。
このもったり感は、同じく捕まらないシャフトではクロカゲXT、捕まるシャフトではツアーAD TPに似ていると私は感じました。
テンセイCKプロオレンジでも球が高い、もっと捕まりの弱い物を求めているひとは是非、テンセイCKプロホワイトを買ってみましょう。
おススメ度
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