2019年にようやく解禁!
テンセイCKプロオレンジはもともとアメリカ市場向けに開発されたシャフトで、タイガーウッズが仕様していたことで注目されているシャフトです。
所謂USミツビシ開発の逆輸入シャフトで、これまでではクロカゲXTが同じような経緯でした。
現に、ティーオリーブの売り上げランキングの上位を占めており、その勢いはとどまるところを知りません。
ですが、スペックを見る限り決してやさしくはありません。中古でたくさん出てくることが予想されます。
特徴は、カウンターバランス(手元重心)設計と、高い先端剛性です。USPGAのプロに人気の要素がかなり詰まったシャフトと言えそうです。
さっそく試打データを見てみましょう。今回はXD-3の9.5°のヘッドに装着したデータです。いつものTS3ではありませんが、スピン性能などはほぼ同等なので比較してみてください。
試打データ
テンセイCKプロオレンジ50S
ヘッドスピード | 53.7m/s |
平均キャリー | 287y |
平均トータル | 317y |
平均サイドスピン | 699rpmドロー |
平均バックスピン | 1710rpm |
平均打ち出し角 | -0.1 |
平均打ち上げ角 | 13.5 |
左右ブレ | -51y |
50Sくらい重量が軽いとさすがに捕まります。
この後他の重量でも言及しますがテンセイCKプロオレンジは元調子ながら平均的にドローが出ます。本当のところはイマイチ分かりませんが、私のヘッドスピードでは思いっ切り振ってドローがでるイメージです。
少なくとも、ドローヒッターでなお且つヘッドスピード48m/sを超えるような方なら同じだと思います。
ちなみに、全て強いドローなのでこれだけ左に集まっていますが、ブレは-57y~-43yの14yの幅に収まっています。
ですから、どうしてもテンセイCKプロオレンジを使いたいけど腕に自信がない、もしくはヘッドスピードが足りないという方にはピッタリでしょう。
他の重量と同様に、バックスピンや打ち上げ角は低いので50Sでも弾道は低くなります。
残念ながら横から見た画像を取り忘れたのでありませんが、純正のような弾道の凹みが現れないのはシャフト先端の剛性の高さ故でしょう。
テンセイCKプロオレンジ60S
ヘッドスピード | 53.1m/s |
平均キャリー | 280y |
平均トータル | 303y |
平均サイドスピン | 70rpmドロー |
平均バックスピン | 2316rpm |
平均打ち出し角 | -1.7 |
平均打ち上げ角 | 14.9 |
左右ブレ | -13y |
今回は時間が十分に取れたので用意されていた全てのスペックを試してみることにしました。
総重量311.4g。
他のシャフトのデータと比べるならこの60Sに注目してください。
結論から言うと、サイドスピンの少なさが目立ちます。「平均」という言葉には裏があって、マイナスの値がでるとプラスと相殺して見当違いな数字が表れるということがあります。
ですが、今回のこのデータは全てドロー。具体的な数値を上げると12rpm、96rpm、103rpm。
いかに安定してサイドスピンが出ないかが分かったと思います。この傾向はツアーADのIZに似ています。違いはしなり感で、客観的に見てIZも硬いものの、テンセイCKプロオレンジの方がだいぶ硬く感じます。
ですが、打ち出し角が割と大きく左に出てしまうことがあるので注意が必要です。球のブレも-22y~-1yの幅21yです。
テンセイCKプロオレンジ60X
ヘッドスピード | 52.9m/s |
平均キャリー | 283y |
平均トータル | 308y |
平均サイドスピン | 308rpmドロー |
平均バックスピン | 2081rpm |
平均打ち出し角 | -1.2 |
平均打ち上げ角 | 13.8 |
左右ブレ | -28y |
何故か重量が軽いSよりも捕まってしまいました。
総重量314g。そんなに重くはない。
平均飛距離はやや伸びたものの、安定感が悪化。-40y~-11yの幅29yと大きめのブレ幅になってしまいました。
ですが、60Sとの決定的な違いも現れています。それはバックスピン量の少なさです。
捕まっている値はいえ、似たような回転数、度数のショットを比べても200rpmほど少なくなります。
振り心地はほとんど同じなので、SとXはバックスピンをどの程度求めるかで変えていくとうまくセッティングできると思います。
テンセイCKプロオレンジ70S
ヘッドスピード | 53.6m/s |
平均キャリー | 292y |
平均トータル | 317y |
平均サイドスピン | 211rpmドロー |
平均バックスピン | 2178rpm |
平均打ち出し角 | 1.6 |
平均打ち上げ角 | 13.4 |
左右ブレ | -6y |
今回試打した中で最も印象が良かったのがこの70Sです。
総重量320g。さすがにヘッドスピード50m/sは欲しいところ。
もちろん、私のヘッドスピードから言えば70Sが適正なのも影響していますが、それにしても良い。何が良かったかというと、感触です。
非常に曖昧になりそうなのでできる限り論理的に説明してみます。
なぜ、感触が良くなったのか。考えられる原因は以下の通りです。
・打ち出し角を自由にコントロールできる
・サイドスピンが安定してドロー&低スピン
・どんなに叩いても球が吹かない
・ヘッドスピードがでる
一番大きいのは打ち出し角操作性です。ドローが出ることは他の重要を打ってすでに把握していたので、打ち出し角を右にしてみました。
横から見るとこんな感じ。強弾道なのが分かる。
本来ここまで重くて硬いシャフトだと右に打ち出すとそのまま棒球で抜けてしまうことが多いです。しかし、しっかりと戻ってきてくれるので安心して右に打ち出すことが出来たのでしょう。
そうと分かっていれば振っていけるのも納得。その結果として速いヘッドスピードになったと言えるでしょう。
テンセイCKプロオレンジ70S × エピックフラッシュサブゼロFW
ヘッドスピード | 50.1m/s |
平均キャリー | 248y |
平均トータル | 266y |
平均サイドスピン | 603rpmドロー |
平均バックスピン | 3317rpm |
平均打ち出し角 | -1.6° |
平均打ち上げ角 | 12.8° |
左右ブレ | -34y |
FWに挿すとどのようになるのかも言及してみます。
結論から言うと、長さに関係なく捕まります。
むしろ、短い方がオートマチックに動く感覚があったので、打ちやすいです。この辺りもカウンターバランス故でしょう。
弾道は低く、飛距離も十分出ます。純正から15gほど重量アップしていますが、飛距離は4yの低下で済んでいるので優秀ですね。
テンセイCKプロオレンジには、ハイブリッドモデルも登場していますので、フェアウェイウッドにはハイブリッドを装着する方もいると思います。
特に、テンセイCKプロオレンジでは90g台まであるので、かなりハイスペックなフェアウェイウッドを作ることも可能。
カウンターバランスという特性を活かしつつ、硬めのフィーリングを求めるのであれば、テンセイCKプロオレンジハイブリッドも候補に入れることをおススメします。
ハイブリッド用の試打は出来次第更新します。
デザイン
ここのデザインがあまりかっこよくないと思ってしまうんですよね(笑)
カーボンシャフトの無塗装の部分って左の画像のようになっているのですが、なんとなく安く済ませているように見えてしまいます。
ちなみに、間違いやすいテンセイCKオレンジというシャフトは、シャフト先端に書いてあるプリントやシールが違うので注意してください。
テンセイCKプロオレンジでカスタムするなら
ヘッド重量
まず、テンセイCKプロオレンジはカウンターバランスのシャフトなので、基本的にはヘッド重量が重いものとの相性が良いと思います。
ゼクシオ11もそうですが、クラブの両端に重量があるとヘッド軌道、クラブ軌道を安定させやすいからです。
これまで試打してきた中では、エピックフラッシュサブゼロやSiM(M5も)、ピンG410LST、XD-3Cが重いヘッドに当たります。
また、そのほかのモデルでもウェイトを変えることで重量アップできるので、セットで考えればカスタムの幅は広いでしょう。
ST200やTS3などの比較的軽いヘッドでもウェイトで何とかなりそうです。
方向性
どのサイトを見ても左のミスに強いと書いてあるのですが、私の考えは少し違います。
確かに、左のミスが出やすいシャフトではありませんが、特筆すべきはそれでいてドローを打っていける剛性分布なんです。
周りの上級者の人に軒並み打ってもらったのですが、ドローヒッターでは8割、フェードヒッターで4割がドローイメージと答えました。
左にはいかないけど、右にもいかない、ほんのちょっとだけドローという絶妙なセッティングを私は評価しているのです。
よって、ヘッドはシンプルなものが望ましいです。
カスタム組むなら、方向性を後から変えられる方が良いですが、テンセイCKプロオレンジなら少し捕まらないくらいでも重量とフレックスをしっかりフィッティングして決めれば確実に仕上がります。
高さ
テンセイCKプロオレンジの弾道の高さは、低め。ハードヒッターにとっては必須の条件です。
私も使用するクロカゲXTほどフェースが寝ない訳ではありませんが、国内向けのシャフトよりは明らかに低く打てます。
また、先に述べた通りドローイメージなので吹くリスクは少ないでしょう。
以上三点を総合して考えると、とにかく左のミスを減らしたいならST200とG410LST、ドローで飛距離が欲しいならエピックフラッシュサブゼロとG410PLUS、ST200xあたりですね。
データチャート
性能に関しては文句のつけようがないかと思います。
もし70Sだけで判断するなら安定性も10点の評価をすると思います。ヘッドとの相性が8点と普通の評価ですが、これはヘッドをある程度選ぶ必要があるということです。
ちなみに、今回の組み合わせは抜群に良かったです。他にはTS3やピンG410、M5、エピックフラッシュサブゼロあたりのハイスペックなヘッドが望ましいです。
どれにしても、総重量320g近くなるのでハードヒッター向けなのは否めません。よって、易しさが低評価になりました。
総評
正直、天邪鬼な私としては批判する気満々で試打しました(笑)
ですが、結果には逆らえません。しかも結果が良いだけでなく、上級者が求めるフィーリングの部分まで高評価できる仕上がりだったのが素晴らしいです。
これからカスタムを組むという方、ハードヒッターで球が暴れる方はぜひ試打することをおススメします。
おススメ度




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