謎のラインナップ
テンセイのハイブリッド用シャフトはこれまでも高い評価を得てきました。CKプロシリーズは、ブルーやオレンジが多くのプロに使用されていました。
今回特集するのはテンセイプロ1Kハイブリッドです。デザインはホワイトとも言えないグレーっぽいカラーリングです。以前レビューしたTSRハイブリッドに採用されていたのが実はこのシャフトです。
テンセイプロ1Kハイブリッドのスペック
テンセイプロ1Kハイブリッドは60g台から90g台まで幅広いラインナップ。トルクは高すぎず低すぎずという感じで、全て元調子。
90g台にはTXも存在します。コンセプト的にはドライバー用のものと似ていて、レジンの量を最小限に抑えていたり、手元側の1Kクロスなど。そして気づきませんでしたがカウンターバランスらしいです。
試打データ
テンセイプロ1Kハイブリッド80S×ステルス2レスキュー22°
ヘッドスピード | 49.4m/s |
ボールスピード | 64.1m/s |
平均キャリー | 220y |
平均トータル | 234y |
平均サイドスピン | 301rpmフェード |
平均バックスピン | 3972rpm |
平均打ち出し角 | 2.7° |
平均打ち上げ角 | 21.1° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 52° |
左右ブレ | 21y |
テンセイプロ1Kハイブリッドではフェードになりました。ステルス2レスキュー自体はドロー弾道なのですが、テンセイ1Kハイブリッドを組む限りドローよりもフェードの方が打ちやすいと感じます。
はっきりとしたフェードなので方向は掴みやすいです。バックスピン量は4000rpmを切るので距離は十分に出ます。縦距離も5yの幅に収まっています。
テンセイのハイブリッド用シャフトはハードヒッターにメリットがあるので私としては非常に打ちやすかったです。ややダルめでシャキシャキはしていませんが、それが良さでしょう。
テンセイプロ1K80S×エピックフラッシュ24°
ヘッドスピード | 48.7m/s |
ボールスピード | 65.2m/s |
平均キャリー | 220y |
平均トータル | 234y |
平均サイドスピン | 291rpmフェード |
平均バックスピン | 4315rpm |
平均打ち出し角 | -0.9° |
平均打ち上げ角 | 20.0° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 52° |
左右ブレ | 5y |
私が普段使用しているハイブリッドです。他の試打データと異なり番手が一つ下ですが、飛距離はまずまず出ています。サイドスピンはフェードですが、そこまでバックスピン量は増えませんでした。
ドローも打てます。最大飛距離はキャリー224yでした。
テンセイプロ1Kハイブリッドは、やはり方向性が右に寄りやすいという印象が強いです。弾道の高さはドライバー用の1Kほど低くなることはないのでそこまでハードではありません。
テンセイプロ1K80S×エピックスーパーハイブリッド21°
ヘッドスピード | 50.4m/s |
ボールスピード | 65.6m/s |
平均キャリー | 214y |
平均トータル | 226y |
平均サイドスピン | 492rpmフェード |
平均バックスピン | 5160rpm |
平均打ち出し角 | -1.4° |
平均打ち上げ角 | 19.1° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 52° |
左右ブレ | 7y |
やや吹いた感じがします。バックスピン量が多くなりやすい組み合わせでした。エピックスーパーハイブリッドはそこまでフェードバイアスが強いと思いませんがテンセイプロ1Kと組み合わせると突如スライスが出始めます。
飛んでいないだけで方向性は大きく曲がることはなく、問題なさそうです。綺麗にヒットすればキャリー220yになります。
テンセイプロ1Kはスピン量が必ずしも少ない訳ではないようです。
テンセイプロ1K80S×APEX 21°
ヘッドスピード | 47.8m/s |
ボールスピード | 64.3m/s |
平均キャリー | 225y |
平均トータル | 239y |
平均サイドスピン | 193rpmフェード |
平均バックスピン | 3800rpm |
平均打ち出し角 | -0.7° |
平均打ち上げ角 | 19.3° |
最大の高さ | 49y |
落下角度 | 50° |
左右ブレ | 3y |
テンセイプロ1Kとの組み合わせが最も良かったのがこのAPEXです。かなりフェードしやすいハイブリッドですが、結果的にはしっかり捕まえていけるのでスピン量が最適化されて安定した飛びにつながっています。
初速が特別出ているわけではなく、スピン量がちょうど良いのでキャリーが伸びたのだと考えられます。最大飛距離はキャリー232yです。
テンセイプロ1Kで、左を防ぎつつ飛距離が出る組み合わせを求めているのであればAPEXとの組み合わせを検討してみてください。
テンセイプロ1K 70S×TSR3ユーティリティメタル21°
ヘッドスピード | 51.1m/s |
ボールスピード | 64.7m/s |
平均キャリー | 219y |
平均トータル | 233y |
平均サイドスピン | 27rpmストレート |
平均バックスピン | 4147rpm |
平均打ち出し角 | 3.2° |
平均打ち上げ角 | 21.3° |
最大の高さ | 55y |
落下角度 | 52° |
左右ブレ | 13y |
距離は特別飛んでいるわけではないと思います。ただハイブリッドでやたら飛ぶのも考え物なのでこのくらいでちょうど良いかと。
弾道は全体的には右に寄っていて左を防ぐ能力に長けていると思いました。ただ、捕まえようとした時に抵抗するようなことはないので素直な中に引っ掛けにくさを持つフィーリング。
コントロールショットも自在です。バックスピンもかかるのでキャリーの安定感、グリーンでのグリップも悪くないでしょう。
テンセイ1Kハイブリッド70S×タイトリストTSR2ユーティリティメタル21°
ヘッドスピード | 48.6m/s |
ボールスピード | 64.4m/s |
平均キャリー | 229y |
平均トータル | 244y |
平均サイドスピン | 14rpmストレート |
平均バックスピン | 3490rpm |
平均打ち出し角 | 1.4° |
平均打ち上げ角 | 20.5° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 50° |
左右ブレ | 5y |
21°なので4番ハイブリッドと言えるこのクラブの平均キャリーは229yで素晴らしいです。バックスピン量は低めで3500rpmほどです。
方向性は極めてストレートでしたが、なぜか打ち出し角度が安定せずこんな感じになりました。確かにこのような読めなさを含んでいることは認めますがフィーリングは抜群に良いです。
初速があまり出なかったので、打点調整をすればもう少し飛び方も変わるかなと思います。基本的に打点が高めで集まるので低スピンになっています。
テンセイプロ1Kハイブリッドの良い点
- 左に飛びにくい
- バックスピンが適度にかかる
- フェードとストレートが作れる
- 縦ブレが少ない
テンセイプロ1Kハイブリッドのイマイチな点
- 距離を出すのは簡単ではない
- スライスする
テンセイプロ1Kハイブリッドのセッティング
テンセイプロ1Kハイブリッドは、基本的に左を防ぐセッティングに使うのが良いと思います。ドローも作れますので自由度は比較的高いかと思います。
ただ、ヘッドはそこまで右に飛ぶ必要はなく、微ドローくらいの物をおススメします。APEXやパラダイムのハイブリッドはスライスしそうなのであまり賢明とは言えないでしょう。
データチャート
安定性とスピン量が高評価です。データチャートで見るとテンセイプロ1Kハイブリッドは高評価に見えないかもしれませんが、汎用性が高く良い製品だと思います。
総合評価
テンセイプロ1Kハイブリッドは需要のあるシャフトだと思います。
試打クラブもそこそこ配給されるのでそれも良い点かもしれませんね。ただ、テンセイシリーズなのに色がないという分かりにくさは今後どうにかして欲しいところです。
おススメ度 (4.5 / 5)
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