スピーダーNXグリーンはプロも使用
スピーダーがエボリューションシリーズからNXに移行して2世代目となる2022年モデルはスピーダーNXグリーンが登場しました。
フジクラはベンタスもカラーで分けているのでそれがわかりやすいと思ったんでしょう。私としてもカラーで分類する方が説明しやすいのでありがたいです。
この記事ではスピーダーNXグリーンを試打データをもとに評価していきます。


スピーダーNXグリーンのデザイン
デザインは前作のスピーダーNXの色違いという感じです。特に書いてあることに変更点はありません。
この絶妙なグリーンは、ツアーADクアトロテックみたいな色です。スピーダーNXグリーンはエメラルドグリーンと言えば分かりやすいかと思います。
US風のフジクラロゴ。
試打データ
スピーダーNXグリーン6S×ステルス9.0°
ヘッドスピード | 54.7m/s |
ボールスピード | 75.5m/s |
平均キャリー | 306y |
平均トータル | 331y |
平均サイドスピン | 208rpmフェード |
平均バックスピン | 2078rpm |
平均打ち出し角 | 0.1° |
平均打ち上げ角 | 15.7° |
最大の高さ | 46y |
落下角度 | 42° |
左右ブレ | 17y |
テーラーメイドのステルスドライバーに装着して試打を行いました。
非常に特徴的な試打データだと思います。スピーダーNXグリーンはフェードバイアスの可能性が高いと思います。常にフェード回転ではあるものの、かなり低スピンな部類にも入ります。これは稀有な特性なのでカスタムで活躍すること間違いなし。
面白いのは、スピンが少ないので弾道の高さの割に落下角度が小さく、キャリーが伸びたということです。初速があまり出なかったので飛距離が期待できるシャフトとは判断し難いですが、スピンバランスでなんとか。
スピーダーNXグリーン6S×ステルスプラス
ヘッドスピード | 54.4m/s |
ボールスピード | 77.5m/s |
平均キャリー | 304y |
平均トータル | 325y |
平均サイドスピン | 213rpmドロー |
平均バックスピン | 2537rpm |
平均打ち出し角 | -1.9° |
平均打ち上げ角 | 14.0° |
最大の高さ | 47y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | -44y |
ステルスプラスに組んでみました。スピーダーNXグリーンはサイドスピンの少ないドローとなりました。
最高飛距離はキャリーで313yでした。
バックスピンは2500rpmほどなのでちょうど良いです。
打ち上げ角度が14°と低めでした。
スピーダーNXグリーン6S×ステルスグローレプラス9.5°
ヘッドスピード | 54.4m/s |
ボールスピード | 75.7m/s |
平均キャリー | 297y |
平均トータル | 320y |
平均サイドスピン | 417rpmドロー |
平均バックスピン | 2326rpm |
平均打ち出し角 | -2.8° |
平均打ち上げ角 | 15.6° |
最大の高さ | 48y |
落下角度 | 43° |
左右ブレ | -45y |
スピーダーNXグリーンを組んでみたら、少し曲がり幅が大きくなったものの、飛距離は純正を超えました。
スピーダーNXグリーンとステルスグローレプラスの組み合わせは、弾道の高さは基本的には高いです。キャリーは安定しています。最高キャリーは298yです。
スピーダーNXグリーン50S×ピンG430LST9°
ヘッドスピード | 53.6m/s |
ボールスピード | 75.9m/s |
平均キャリー | 300y |
平均トータル | 323y |
平均サイドスピン | 410rpmドロー |
平均バックスピン | 2237rpm |
平均打ち出し角 | 2.7° |
平均打ち上げ角 | 16.2° |
最大の高さ | 48y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | -15y |
スピーダーNXグリーンとG430LSTを組み合わせてみました。このヘッドとの他のシャフトとの組み合わせでの試打データを考えると飛距離はそこまで出ていません。
ちなみに、スピーダーNXグリーンとG430LSTの組み合わせではドロップします。試打計測ではスピーダーNXグリーンは基本的にドローが出るみたいです。
打ち上げ角度はやや高いです。一番飛んでいるのが一番低い弾道でした。最高キャリーは305yです。
スピーダーNXグリーン60S×エピックフラッシュサブゼロ9°
ヘッドスピード | 54.1m/s |
ボールスピード | 77.2m/s |
平均キャリー | 299y |
平均トータル | 318y |
平均サイドスピン | 24rpmストレート |
平均バックスピン | 2691rpm |
平均打ち出し角 | 0.0° |
平均打ち上げ角 | 16.8° |
最大の高さ | 57y |
落下角度 | 48° |
左右ブレ | 0y |
スピーダーNXグリーンとエピックフラッシュサブゼロの組み合わせでは吹き上がりました。最高飛距離はキャリー301yで、このヘッドでの試打データとしてはあまり飛んでいないと思います。
弾道はほぼストレートでサイドスピンはかなり少ないです。バックスピンが増えたのは単純な相性の問題もあるのでスピーダーNXグリーンの特性とは限りません。
スピーダーNXグリーン60S×マーベリックサブゼロ9°
ヘッドスピード | 53.8m/s |
ボールスピード | 76.7m/s |
平均キャリー | 298y |
平均トータル | 319y |
平均サイドスピン | 95rpmストレート |
平均バックスピン | 2566rpm |
平均打ち出し角 | 0.4° |
平均打ち上げ角 | 16.7° |
最大の高さ | 54y |
落下角度 | 47° |
左右ブレ | -5y |
スピーダーNXグリーンにフェード系のマーベリックサブゼロを組むとやはりフェードとドローが両方出ます。フェードでもスピーダーNXグリーンならキャリー297y飛びます。
ドロー弾道ではキャリー308yでした。スピーダーNXグリーンはドローの中にもフェードの可能性が少し感じられるシャフトだと思います。
スピーダーNXグリーンの特徴
スピーダーNXグリーンの特徴をまとめると以下の通りです。
- 捕まりは弱め
- バックスピン量は少ない
- フェードドロップの可能性がある
- 初速性能は高くない
- マッチするヘッドは多そう
スピーダーNXグリーンの良さ
スピーダーNXグリーンは、スピーダーらしくないといえばらしくないと思います。なぜなら、捕まりが弱いモデルでも少し捕まってくれる安心感がこれまでのスピーダーにはあったからです。
しかし、スピーダーNXグリーンにはその安心感はありません。逆に言えば左に飛びにくい安心感があるので、スピーダーと思って打つとびっくりします。
左を防げるシャフトの中でもスピーダーNXグリーンは、ローテーションが途中でゆっくりになるような動きをします。ローテーションのスタートが遅いツアーAD XCと違い振り心地が気持ち良いという利点があります。
振り心地の気持ちよさはスピーダーらしいのかもしれません。
スピーダーNXグリーンの振動数
いつも通りエピックフラッシュサブゼロを装着した60Sでの振動数です。
255cpmは国産モデルとしてはよくある振動数です。ベンタスだと265cpm前後なので1フレックスくらい柔らかいです。
スピーダーNXグリーンのセッティング
スピーダーNXグリーンはレジオフォーミュラM+の真下あたり。ここに位置するシャフトは少ないので独自性が高いだけでなく需要もありそう。
スピーダーNXグリーンは何がなんでも右に飛ぶBF、 XC、BBとは違い、捕まえることもできるポジションということです。
まだ確定ではありませんが、センターライン上からやや右くらいまでの範囲が合うかなと思います。


データチャート
スピーダーNXグリーンは、飛距離が“出しやすい”シャフトではありません。ですが、スピンロスが出にくいので実戦投入したら化けるような気もします。
何よりもローテーションの感触が独特であり、途中でフェースが返りすぎることがないので捕まえるのが得意な人に向いています。フェードで低スピンが打てるのでこれまで良い感じのシャフトが無かった人の救世主になるかもしれません。
総合評価
スピーダーNXグリーンは、スピーダーらしさが少ないですが良いシャフトです。
かと言って全然ベンタスではないので、安易にベンタスに似てるんじゃないかと期待しないでください。ベンタスTRブルーやブルーの捕まらなさはローテーションの始まる位置が遅いタイプ、スピーダーNXグリーンはローテーションが途中で止まるタイプです。
そうなると、合う人も違ってくると思います。試打してみないことには何も始まりません。
おススメ度 (4.5 / 5)








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