ブラックと聞くと
フジクラのブラック系シャフトというとベンタスブラックのイメージが強いです。スピーダーNXシリーズ第三弾はスピーダーNXブラックでした。
しかし、実際スペックなんかを見ているとスピーダーNXブラックは全然ハードではなく先中調子のモデルでした。スピーダーNXシリーズはブルーもグリーンも中調子だったので久々の先中調子のスピーダーということになります。
早速スピーダーNXブラックのデザインやスペックを見てみましょう。
スピーダーNXブラックのデザイン
ブラックとホワイトのモノトーンがかっこいいです。
スピーダーエボシューションシリーズではエボ4が黒でハード目なシャフトでした。
相変わらずデカいロゴ。慣れてきました。
構えると文字が派手です。
スピーダーNXブラックのスペック
重さは40g台から70g台まであります。今回は60Sを購入しました。
トルクは他のスピーダーNXシリーズとさほど差はありません。
振動数は60Sで252cpmです。スピーダーNXシリーズは大体同じくらいですね。先中調子は振動数が出やすいので柔らかめなのかも?
試打データ
スピーダーNXブラック60S×エピックフラッシュサブゼロ9°
ヘッドスピード | 52.5m/s |
ボールスピード | 75.5m/s |
平均キャリー | 295y |
平均トータル | 315y |
平均サイドスピン | 285rpmドロー |
平均バックスピン | 2569rpm |
平均打ち出し角 | -3.2° |
平均打ち上げ角 | 16.5° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 47° |
左右ブレ | -35y |
結論から言えば面白くないシャフトでした。試打データを見てわかる通り、スピーダーNXブラックは初速が出ずスピンがかかる“ナヨいシャフト”です。先中調子だから合わないだろとか、そういう戯言がはっきりと聞こえてきますがそれは間違いです。先調子でもぶっ飛びのモデルもあるからです。
最高キャリーは301yでした。シャフトをイマイチな評価にすることは私が下手であることを認めるのと同じなので出来る限り避けていますが、スピーダーNXブラックは4日に分けて試打しても結果はほとんど変わらなかったです。
先中調子のシャフトはどちらかというと初速が高い傾向にあるのでここが一体どういうことなのかを分析していきます。
スピーダーNXブラック60S×パラダイムトリプルダイヤモンド9°
ヘッドスピード | 53.6m/s |
ボールスピード | 77.4m/s |
平均キャリー | 294y |
平均トータル | 312y |
平均サイドスピン | 175rpmドロー |
平均バックスピン | 2927rpm |
平均打ち出し角 | -0.1° |
平均打ち上げ角 | 16.6° |
最大の高さ | 58y |
落下角度 | 49° |
左右ブレ | -11y |
方向性が良くなり、初速も上がりました。しかし飛距離は上がらず平均キャリーは300yを切り、最高キャリーも296yとポンコツです。確かにエピックフラッシュサブゼロよりもスピンは増えやすいですが、せっかく高初速な場所で打てているのに勿体無いです。
弾道は良いんですよ。初速もMAX77.6m/s出てますから。
このヘッドはマトリックスチャートで言えばど真ん中から少し右くらいです。これでマイルドドロー。
スピーダーNXブラック60S×エピックフラッシュサブゼロ♦︎♦︎9°
ヘッドスピード | 51.8m/s |
ボールスピード | 75.1m/s |
平均キャリー | 299y |
平均トータル | 322y |
平均サイドスピン | 197rpmドロー |
平均バックスピン | 2298rpm |
平均打ち出し角 | -0.8° |
平均打ち上げ角 | 15.9° |
最大の高さ | 48y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | -19y |
私が試打でよく使うヘッドの中で一番右に位置するヘッドで試打しました。この組み合わせが辛うじて使えるかなぁという程度です。捕まらないヘッドを組み合わせて一生懸命ドローさせるように打ちました。
最高飛距離はキャリー304yでした。バックスピン量は全体的に少なめ。しかし、根本的に初速が低すぎるので結局飛んでいるシャフトとは言えません。
エピック系だけが初速が出ないという現象はあまり起こりませんが、スピーダーNXブラックはどのヘッドであっても大した試打データは取れないのでそれが全てでしょう。
スピーダーNXブラック60S×ロマロRay V V2 455 9.5°
ヘッドスピード | --m/s |
ボールスピード | 76.8m/s |
平均キャリー | 300y |
平均トータル | 320y |
平均サイドスピン | 262rpmドロー |
平均バックスピン | 2582rpm |
平均打ち出し角 | -0.4° |
平均打ち上げ角 | 13.9° |
最大の高さ | 39y |
落下角度 | 44.4° |
左右ブレ | -20y |
試打環境が違いますので同列比較は出来ませんがGC4で平均キャリー300yは悪くないと思います。スピン量は中程度で、最高キャリーは304yでした。
小さいヘッドでブレに強いモデルなので安定感は悪くないです。スピーダーNXブラックは暴れるシャフトというほど安定性が低いわけではないのですが、扱いやすくはないと思います。どう振っても綺麗な弾道にはなりません。
スピーダーNXブラックの良い点
- 適度に捕まる
- ヘッドによっては一方向性が高くなる
スピーダーNXブラックのイマイチな点
- ダフる
- ヒールヒットしやすい
- ヘッドによらずミスは左右両方出る
- 初速が低い
- 飛ばない
スピーダーNXブラックのセッティング
まずスピーダーNXブラックのマトリックスチャートでの位置ですがダイアモンドスピーダーの近くです。弾道の高さが印象的です。
これに合わせるヘッドですが、方向性が良かったのはセンターよりも右のエリアのドライバーでした。
右下のエリアがおススメですが、そこまで極端なヘッドを装着してまでスピーダーNXブラックを使わなければならないかという疑問が残ります。
データチャート
スピーダーNXブラックで褒められることと言えば、見た目がかっこいいくらいです。スピン量はヘッドによって変化する幅が割と大きいのでこれはセッティングでどうにかしてください。ただそれほど魅力はないので他のシャフトをおススメします。
総合評価
最後まで、打った瞬間に抱いた「あー、これCQっぽいな」から印象が変わることはありませんでした。ツアーAD CQも捕まるシャフトでありながら右へのミスモデルピーキーさを持っていました。ただCQはまだ初速が出るのでそっちの方が高評価です。
スピーダーNXブラックはこれといって推しのポイントがなくつまらないシャフトでした。買って後悔しています。
おススメ度 (1.5 / 5)
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