奇数スピーダーの最新作
スピーダーエボリューションシリーズの奇数のモデルは、先中調子の捕まるシャフトです。
今回レビューしていくエボリューションⅤもその流れの先中調子で、トルクは3.7。エボリューションシリーズはだいたいこのくらいのトルク値ですね。
見た目は薄い青色で、金色の字。40g台から70g台まで用意されています。また、Ⅲ以降のモデルはフェアウェイウッド用のシャフトが設定されています。
FW用は、フェアウェイウッドの長さでバランスが出るようにしているので、きれいなフローになるだけでなく、同じ振り心地なのでスピーダーで組むならぜひFWも同じようにセッティングすることをおススメします。
試打データ
ヘッドスピード | 52.2m/s |
平均キャリー | 277y |
平均トータル | 308y |
平均サイドスピン | 357rpmドロー |
平均バックスピン | 2064rpm |
平均打ち出し角 | -1.2 |
平均打ち上げ角 | 9.6 |
左右ブレ | -30y |
やはり捕まりますね。実はエボリューションⅣと同時に打ち比べたのですが、ここまではっきり感じるくらいの差には驚きました。
打ち出しから左に飛んでいるのが分かると思います。サイドスピンも平均で357rpm。最大で589rpmでした。
また、もう一つの特徴として弾道の低さが挙げられると思います。打ち上げ角がロフトとほとんど同じ9.6°とローグ並みに低く、バックスピンも2000rpmを少し超える程度。
もちろん、ドローはバックスピンがかかりにくいのでこちらは特別なことでは無いのですが、両立しているという点がシャフトとしての特長でしょう。
全体的にかなり左に集まるので、スライサーにはピッタリです。
風に負けないドロー
私が考えるスピーダーエボリューションⅤの一番の特徴は、捕まりではなく弾道の低さだと思います。
ドローボールを作るとき、基本的に右に打ち出すのでロフトが寝やすいです。よって、ドローを練習し始めのころは高めの弾道になりやすい。
そこで、エボリューションⅤのようなシャフトを入れることで安心して右に打ち出す練習ができるようになります。
データを見て分かる通り、ドロー回転がしっかりかかって戻ってくるという安心感もあると思います。
エボリューションⅤはゴールではない
フィッティングには何種類かあって、最も一般的なのが現状に合わせる方法。量販店のフィッターがやるようなものです。
もう一つは、伸びしろを計算したフィッティングです。こちらは、量販店のスタッフだとクラフトマンクラスの経験値を有した者しかできません。
今回試打して思ったのは、エボリューションⅤは後者のフィッティングの領域だということです。
トルクも3.7と純正に比べたらかなりしっかりしていますし、弾道も低いので現状合わせも可能ではあると思います。
しかし、エボリューションⅤの良さを最大限使うなら、「スイング強制用」シャフトとして使うのがおススメです。
硬いシャフトを走らせる感覚って、案外難しくて、純正のシャフトを打っているだけではなかなか身に付きません。ですから、こういったシャフトでその感覚を養うと良いでしょう。
データチャート
全体的に微妙な評価をしてしまいましたが、個別に見ていくとそんなことはありません。まず、飛距離は最大キャリーで286y出ています。平均するとそこまで飛びませんが、慣れてくればその範疇ではないでしょう。
安定性に関してはスイングタイプによると思います。
スピン量は、捕まるとはいえ平均で300rpm台なので極端に捕まるわけでは無く優秀です。ただ、たまにドロップするくらい低いボールが出るのでそこは注意してください。
総評
結論としては、低弾道がエボリューションⅤの最大の特徴であること、スイング強制用(ドローを打ちたい方向け)に最適だということです。
おそらく、この記事で初めて知ったことも多いと思います。スイング強制用に一本クラブを作るなんてする人は稀ですから。
ですが、非常に効率的なので是非検討してみてください。
おススメ度

テーラーメイド用
タイトリスト用
ピン用
キャロウェイ用


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