アルディラも国内展開へ
アルディラシャフトといってもパッと思い浮かぶモデルがない人も多いかもしれませんね。今は三菱の傘下に入っているのですが、それまではアメリカ国内向けのシャフトとして販売されていました。
ジョン・ラーム選手が長らくアルディラのシャフトを使っているのを知っているかもしれませんが、それ以外はほとんど耳にしません。
今回特集するのは、アルディラRIP Xと言うモデルです。ハードヒッター向けのシャフトとして気になっているかもしれませんので、今回は試打データやフィーリングを詳細に評価していこうと思います。
アルディラRIP Xとは
アルディラRIP Xのコンセプトはシャフトの長手方向に対してカーボンファイバーを斜めに向ける「バイアス層」を効果的に配置する「R.I.P.テクノロジー」でしょうか。
効果としては、シャフトのねじれや潰れを抑制して安定したインパクトを実現すると言うもの。シャフトの中間から先端が上の画像のようにカーボンの織り目が見えるようになっています。
先端に多軸平織り層を配置する「MAMBAテクノロジー」を進化させて採用。まぁ書いてみたものの意味は不明。
まぁ多分、アルディラRIP Xって硬ぇんだろうな、と思われます(笑)
こういう直訳しただけのコンセプトって何を言っているのか全然わからないので、やはり打つしかないですね。
アルディラRIP Xのデザイン
いかにもアメリカのデザインって感じ。
アルディラのロゴは薄めなのですが、RIP Xの文字はグロテスクな雰囲気。ガキっぽさ満載で興奮を禁じえません。
今回はRIP X65Sを選んでみました。アルディラRIP Xは55、65、75、85、95の5つの重量帯を持ちます。スペックは以下の通り。
アメリカンなスペックです。トルクが大きめで、高重量帯はTXをラインナップしています。
試打データ
ヘッドスピード | 53.7m/s |
ボールスピード | 76.4m/s |
平均キャリー | 294y |
平均トータル | 314y |
平均サイドスピン | 168rpmドロー |
平均バックスピン | 2763rpm |
平均打ち出し角 | -3.9° |
平均打ち上げ角 | 15.1° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 46° |
左右ブレ | -32y |
今回アルディラRIP Xに組み合わせたのは、ピンG425LSTの9°のヘッド。
スピン量はやや多めの2700rpm台。弾道の高さは中弾道で、比較的強い弾道になりました。
方向性はほぼストレートです。ミスは右になるので、まともに当てると左に飛びました。おそらく大抵の人は打ち負けるほどの強烈な剛性で、ドロー回転を誰でもかけられるとは到底思えません。
アルディラRIP Xの最高飛距離はキャリーで298yですから、そこまで飛距離性能が高い感じはしません。振り心地がハードな割にはスピンも少なくはなかったです。
アルディラRIP Xのフィーリング
アルディラRIP Xのコンセプトからも分かるように剛性感のありそうな説明でした。実際はどうかというと、まぁ確かに剛性は高いなと思います。
中元調子としてはかなり振動数の高い294cpmでした。Sフレックスでこれなのでイカれています。
ただ、全域に硬いと言うわけではなく、局所的に硬さを感じるシャフトだと考えております。特に硬く感じるのは先端でした。ここまで振動数があるシャフトとしては、中間のハリはそこまででもありません。
先端が硬いですが、捕まりは悪くないというか、他のアルディラのシャフトよりもRIP Xはローテーションがしやすいと感じました。国内モデルだと、アッタスダースくらいの捕まり感です。基本右に飛ぶ気がします。
スピーダーTRの右下くらいなイメージです。
完全版のマトリックスチャートはこちら。
アルディラRIP Xに合うヘッド
正直、しならせても仕方ないと思いました。こんなことを思ったのは初めてなのですが、ピンのヘッドをつけてこんなフィーリングなのでしならせようとしてヘッド重量を上げたら総重量350gを超えるデブドライバーになるでしょう。
ダメな組み合わせはおそらく左上のゾーン。普通だと、捕まらないシャフトには捕まるシャフトを組み合わせろと言うのですが、RIP Xには意味がないです。
ピーキーになるだけなので、方向性の近いやや右のエリアのヘッドと組んで、思い切り捕まえにいくイメージが良いと思います。例えば、エピックフラッシュサブゼロやTS2などのラインです。
アルディラRIP Xが合う人
今回試打したアルディラRIP Xの65で必要なヘッドスピードは50m/sくらいではないかと思います。もっと言えば、ドローが打てるヘッドスピード50m/sです。
ヘッド重量を増やしても硬いままなので、打つ人がどうにかしなければならないと心に留めておいてください。まぁ合う人はほとんどいないのではないかと考えています。
と言うことで、アルディラRIP Xが合う人、打てる人は以下の通り。
データチャート
評価としては、イマイチに見えますが、私としては高評価している点もあります。それは、ミスヒット、特にヒールヒットしても捕まるほどしなり戻りが強くてミスにならないと言う点です。もちろんこれもヘッドスピードが速くなければ起こりそうにないので、誰でも使える万能なシャフトではありません。
そしてもう一つ評価しているのが、価格です。アルディラRIP Xは2万円程度で購入可能。これがアメリカでのシェアトップに繋がっているのかもしれませんが、ベンタスやテンセイなど、ハードヒッター向けは価格が高いモデルが多いことを考えると、これは高く評価したいところ。
総合評価
アルディラRIP Xは日本で売れるとは考えにくいですが、コロナ禍で増えた若者ゴルファーの受け皿になりそうなシャフトではあると思います。
ハードヒッターにはぜひ試していただきたいシャフトです。ちなみにアルディラRIP Xはレンタル可能なので、借りてみると良いと思います。
おススメ度












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