浦大輔氏監修のシャフト
私はゴルフ系YouTubeを見ないので全く知識がないのですが、そんな私でも知っている浦大輔氏はレッスン動画だけでなくクラブの試打動画でも人気らしいですね。そんな浦氏が監修したのが今回紹介するプロトステガです。実はプロトステガとアーケロンの二種類が既に発売しているのですが、手始めに安く手に入った方を試打するというだけの話です。
ネーミングは古代のウミガメからきているのだと思いますがなぜそれにしたのかは知りません。まずはプロトステガのコンセプトから探っていきましょう。
プロトステガのコンセプト
プロトステガは浦氏が代表を務めるスタンゴルフが販売しています。その中のルートCというブランドのシャフトです。プロトステガは弾性の低い素材を入れて粘り感を出すような狙いらしいです。
実際、トルクはやや大きめです。フィーリングの粘り感で言えば元調子にするというやり方もありますが、恐らく初速が下がるのを防いだり飛距離が落ちるのを防ぐ意図があるのかなと思いました。
試打データ
プロトステガ60S×エピックフラッシュサブゼロ9°
ヘッドスピード | 53.0m/s |
ボールスピード | 76.8m/s |
平均キャリー | 299y |
平均トータル | 319y |
平均サイドスピン | 353rpmドロー |
平均バックスピン | 2602rpm |
平均打ち出し角 | -1.6° |
平均打ち上げ角 | 16.5° |
最大の高さ | 55y |
落下角度 | 47° |
左右ブレ | -32y |
エピックフラッシュサブゼロはこれまで試打評価で使用してきたので比較しやすいと思います。まずは初速ですが、先調子系としては普通くらいかなと思います。78m/sを超えることもあるのでこれは良い傾向でしょう。
方向性は見ての通りドロー系でした。打ち出し角度も必ず左になるくらいの強めの捕まりでした。捕まりは強いですが、バックスピン量はやや多めです。
最高飛距離はキャリー301yです。特別飛距離性能が高いシャフトとは思いません。コンセプトの段階でフィーリング重視であり素材性能を追求していないと言っているのでそれを言われると困るのですが試打データを見るとその弱気なコンセプトも納得です。
プロトステガ60S×エピックフラッシュサブゼロ♦︎♦︎9°
ヘッドスピード | 52.7m/s |
ボールスピード | 75.9m/s |
平均キャリー | 309y |
平均トータル | 333y |
平均サイドスピン | 317rpmドロー |
平均バックスピン | 2008rpm |
平均打ち出し角 | -2.5° |
平均打ち上げ角 | 15.8° |
最大の高さ | 46y |
落下角度 | 42° |
左右ブレ | -40y |
爆飛びエピックフラッシュサブゼロの中でも最も低スピンで、左に飛びにくいのがダブルダイヤです。低スピンなのでプロトステガの中スピンも和らぎます。
プロトステガでの最高飛距離はこの組み合わせでのキャリー313yでした。バックスピン量はドロップする1800rpmを下回ることもあります。ダブルダイヤをドローさせているのでプロトステガのドローバイアスはやはり強いと考えられます。
初速はそこまで高くはないですが、悪くもないです。
プロトステガ60S×マーベリックサブゼロ9°
ヘッドスピード | 53.6m/s |
ボールスピード | 76.3m/s |
平均キャリー | 299y |
平均トータル | 320y |
平均サイドスピン | 21rpmフェード |
平均バックスピン | 2531rpm |
平均打ち出し角 | -3.9° |
平均打ち上げ角 | 16.1° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 46° |
左右ブレ | -46y |
飛距離的には飛びにくいマーベリックサブゼロですが、プロトステガでフェードが打てることを証明してくれました。飛距離的にはキャリー300yに留まっていますがフェードなら良いでしょう。
ほぼ直線的なフェードで安定性は高いです。また、ミスをしたときにスライスが出て逆球が出にくいです。
プロトステガはヘッドにもある程度反応を示しています。
プロトステガ60S×パラダイム♦︎♦︎♦︎9°
ヘッドスピード | 52.3m/s |
ボールスピード | 75.7m/s |
平均キャリー | 303y |
平均トータル | 327y |
平均サイドスピン | 551rpmドロー |
平均バックスピン | 2027rpm |
平均打ち出し角 | -3.0° |
平均打ち上げ角 | 15.6° |
最大の高さ | 44y |
落下角度 | 42° |
左右ブレ | -57y |
最高キャリー308y、バックスピンは2000rpm前後の安定感。ただし、ドローが強すぎるので使い物になりません。
数値だけ見たら確かに良いと思うかもしれませんが、感触的には引っ掛けがとまらないなぁって感じです。
ただ残した5球全てがキャリー300yを超えているのは褒めても良いかもしれませんね。
プロトステガってどんなシャフト?
コンセプトの時点で私的には疑問符でしたが、結論から言えば中途半端でどこか魅力に欠けるシャフトです。フィーリングの良さって芯に当たることだと思っているので、それにはあまり当てはまっているとは言えそうにありません。
方向性ははっきりとドローでありきたりな感じです。“今までにないシャフト”ではありませんね。
メイドインジャパンで、小さく書かれていますがデザインチューニングがコスメを担当しているみたいです。HPに書かれている「叩き系なのに優しい」というのも再現されているとは思いませんでした。そもそも叩き系ではない。優しいだけのシャフトだと思います。
プロトステガの良い点
- 誰でも性能を引き出せるやさしさ
- 捕まりがよく一方向性が高い
プロトステガのイマイチな点
- 少しのミスで3000rpmを超える
- 角度的にも上に抜けるためハードヒッターにはメリットが少ない
- 飛距離性能は高くない
プロトステガのセッティング
マトリックスチャートではダイアモンドスピーダーのあたりです。
極端に左に飛ぶわけではありません。
プロトステガに合わせるなら、低スピンの右のエリアかなと思います。実際エピックフラッシュダブルダイヤはこの位置にあって相性も悪くなかったと思います。
データチャート
性能的には他社製品と比べて特別秀でた点は少ないです。飛距離はキャリー300y前後に留まっていて、キャリー310yを超えることはほとんどありません。また、66000円という実勢価格は高いと思います。これならジアッタスV2を3本買う方が幸せになれます。
総合評価
話題性があるかなと思いノリで買いましたが自分のノリに感謝です。
高いシャフトなので買い渋っている人も大勢いるでしょうから今回の試打評価はぜひ参考にしていただければと思います。
私がプロトステガをおススメすることはありません。
おススメ度 (2.5 / 5)
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