アッタスシリーズは一旦断念
マミヤといえば、ネーミングが胡散臭いアッタスシリーズが続いてきましたが、前作のジアッタスV2でアッタス系は一旦ストップとなりました。厳密にいえば、アッタスKINGで世代を基にしたネーミングを終了しているのですが2023年モデルのLINQはUSのマミヤが開発したシャフトとのこと。
ここ5年くらいはテンセイやベンタスの時代で、US出身モデルが売れるという業界の流れがあるのでそれに乗っかったということでしょう。これが果たして吉と出るのか凶と出るのか、試打データから評価していきたいと思います。
LINQ EXブルーのデザイン
そもそもネーミングはLINQだけではなく「EXブルー」という謎のワードが入っています。
もしかしたら色違いがこれから出るのかもしれませんが、そうなると EXが邪魔です。その EX本当に必要なんですかね。いつもネーミングでウケを狙いにくるのに今回はやや鬱陶しさが目立ちます。
コスメはアルディラみたいでダサいです。ロゴも分かりにくく、もしこれが仮に初代モデルで名前を浸透させたいのであれば適しているデザインとは思えません。
今回も60Sを購入しました。コスメにも“M40X”の記載がありますが、先端部分にこの剛性を上げるカーボンを入れています。また、これもハードなシャフトではよく聞くトレカT1100Gを全長に採用している本気仕様です。
LINQ EXブルーのスペック
LINQ EXブルーはUS出身モデルらしく50g台からのラインナップです。しかも50Rでも58gあるのでかなり重いです。
今回買った60Sで67g、トルクは2.9です。トルクが小さいというのは一つ大きな特徴です。USモデルはトルクが大きめのモデルが多いので、LINQ EXブルーはUSの中でも特に絞った剛性感を持っているということになりそうです。
試打データ
LINQ EXブルー60S×エピックフラッシュサブゼロ9°
ヘッドスピード | 52.8m/s |
ボールスピード | 76.1m/s |
平均キャリー | 303y |
平均トータル | 325y |
平均サイドスピン | 384rpmドロー |
平均バックスピン | 2273rpm |
平均打ち出し角 | -3.7° |
平均打ち上げ角 | 16.5° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 45° |
左右ブレ | -49y |
平均初速は76m/sくらいで、元調子系としては普通です。スピン量は予想通り少なめで2000rpmちょうどくらいの時もあります。飛距離は安定してキャリー300yを超えますが、LINQ EXブルーとエピックフラッシュサブゼロの組み合わせでは最大でキャリー306yです。
方向性はドローで、サイドスピンはストレートと400rpmくらいのドローに分かれています。どちらのサイドスピンであっても打出しの角度は左で、私の嫌いなベンタスブラックにそっくりです。
LINQ EXブルーはスピンは中程度から、低い部類に入ります。弾道の高さも油断すると40yという低い値になるので、低くする方が得意なシャフトと判断して良いでしょう。
LINQ EXブルー60S×エピックフラッシュサブゼロ♦︎♦︎9°
ヘッドスピード | 52.8m/s |
ボールスピード | 76.0m/s |
平均キャリー | 302y |
平均トータル | 325y |
平均サイドスピン | 78rpmドロー |
平均バックスピン | 2318rpm |
平均打ち出し角 | -3.2° |
平均打ち上げ角 | 15.6° |
最大の高さ | 49y |
落下角度 | 44° |
左右ブレ | -24y |
ノーマルのエピックフラッシュサブゼロよりも捕まりが弱いダブルダイヤですが、しっかりとその差がサイドスピンに出ています。こちらの組み合わせではフェードも2球出ているので、LINQはドローだけでは無いということがわかります。
ただし、打出しの角度は相変わらず左ですのでドローで曲がり幅を抑えるのは少々難易度が高いです。LINQを試打している時に「マミヤのいつものちょうど良い感じ」は微塵も感じられず、USモデルっぽさ、その中でもハードなシャフトに見られる癖を強く印象付けられます。
打ち上げの角度が通常のエピックフラッシュサブゼロの時よりも1°も低くなったので、頂点高度も下がります。ただ、バックスピン量に変化は無いので単純に組み合わせで出る反応という感じです。
LINQ EXブルー60S×パラダイム♦︎♦︎♦︎9°
ヘッドスピード | 53.8m/s |
ボールスピード | 76.5m/s |
平均キャリー | 302y |
平均トータル | 323y |
平均サイドスピン | 204rpmドロー |
平均バックスピン | 2468rpm |
平均打ち出し角 | -4.1° |
平均打ち上げ角 | 16.0° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 46° |
左右ブレ | -37y |
比較的万能なパラダイム♦︎♦︎♦︎とLINQ EXブルーの組み合わせは初速を見ると悪くないと考えられます。計測中の最高初速も78.3m/sとかなり良かったです。エピックよりもスピンはボリュームで200rpmほど高くなりますが平均キャリーは同じ。
最高キャリーは310yと優秀です。方向性は他の2つよりもより一定で左に集まりました。ただ打ち出し角度が大きいのでサイドスピンが1球を除いて全て200rpm台にも関わらず曲がり幅は決して小さいとは言えません。
今回の3つの中では最も捕まえやすいヘッドだとは思いますがそれでも引っ掛けるようなことはなかったのでLINQ EXブルーは相当左への耐性があると思われます。
LINQ EXブルーの良い点
- スピンが低めに集まる
- 左への心配が少ない
- 思い切り振れる人ほどメリット大
- 飛距離性能高め
LINQ EXブルーのイマイチな点
- コスメが笑えるほどダサい
- かなりハード
- 油断すればすぐにスライス
- 安定性が低い
LINQ EXブルーのフィーリング
マミヤが作ったベンタスブラックです。
結論から言えば私は嫌いですが、試打データはそこそこ良いのでそれが憎めないところ。シャフトの動きとしては、体が温まっていない序盤はとにかくヒールヒットによるスライスが頻発します。まるでマッスルバックを初めて打った時のような感触。
そして剛性感ですが、しなるポイントは突然現れてしなったと思ったらまたすぐに硬くなるといった感じでした。つまり、許容してくれる時間が限りなく短いため難易度が高いということです。LINQ EXブルーの難易度の高さの原理はベンタスブラックと同じですが、下手するとこちらの方が合う人が少ないのでは無いかと私は感じます。ベンタスブラックは0か100かでしたが、LINQ EXブルーは0か150くらい、結果の良し悪しに落差があると思います。
LINQ EXブルーのセッティング
LINQ EXブルーはマトリックスチャートの右下のエリアです。
と言ってもドローで集められるのでツアーAD TPをセンターラインを挟んで反対側にしたような感じです。
組み合わせるヘッドは出来る限り捕まる低スピンが良いでしょう。最近で言えばVD/Rドライバーなどのエリア、マーベリック等です。ただ、組み合わせではどうにもできないくらいには難しいので覚悟してください。
データチャート
安定性が皆無なのは私の実力不足ですが、それ以外の性能は高いと判断しています。初速もパラダイム♦︎♦︎♦︎では特に良かったですし、スピンとの関係も良いです。
総合評価
LINQ EXブルーは全くマミヤらしさ、具体的に言えばマミヤの良さが無いシャフトでした。マミヤのシャフトはマイルドでありながらしっかりと味付けがされているという点で他社にはない魅力があるのですが、LINQはクセが強いです。
かといってUSでも特に目立っていないこのモデルが勘違いハードヒッターに響くとも思えないので期待は薄いです。製品としての評価も高くありません。
おススメ度 (2.5 / 5)
コメント