USPGAで大人気
ハザーダスシリーズは国内ではほとんど注目されることはありませんが、アメリカ国内では純正シャフトにも多く採用されているメジャーなブランドです。
特に今回紹介するハザーダスT1100はジョン・ラーム選手やフィル・ミケルソン選手が長く使用していたことで知られるアメリカのハードヒッター向けの定番です。ネーミングは他のハザーダスと違い、色ではなく素材が由来。
T1100は東レの高級素材でデラマックスのシャフトなんかにも使われています。価格も4万円クラスなのでベンタス、テンセイユーザーがターゲットになりそうです。
ハザーダスT1100のコンセプト
ハザーダスT1100はハザーダスブラックのさらに上のモデルという位置付け。ブラックで既にかなりハードなので信じられないコンセプトではあります。
スペックはトゥルーテンパーのHPに限定販売ということで掲載されていました。
シャフト先端部に高強度高弾性のトレカT1100Gを採用しており、低スピン低打ち出しを狙っています。トルクが非常に低いのは先端剛性の高さと強い関係があるのでいかにハードかがわかると思います。
スペックは65と75のみなのでヘッドスピードが遅い人には少しの配慮も感じられません。
ハザーダスT1100のデザイン
ハザーダスT1100はシルバーのコスメに緑で縁取られたロゴです。
手元側にはUNOの4カードみたいなスペック表記とHAND CRAFTEDのマークがあります。これが純正に使われるシャフトだとちょっと違うのが書かれていたと思います。
構えると完全にシルバーの単色に見えます。
試打データ
ハザーダスT1100 65(6.5)×エアロジェットLS 9°
ヘッドスピード | 51.4m/s |
ボールスピード | 76.1m/s |
平均キャリー | 302y |
平均トータル | 325y |
平均サイドスピン | 248rpmドロー |
平均バックスピン | 2321rpm |
平均打ち出し角 | 0.5° |
平均打ち上げ角 | 15.9° |
最大の高さ | 50y |
落下角度 | 45° |
左右ブレ | -15y |
今回試打したスペックは6.5=X相当なのでかなりハードではあります。スピン量も低く、2000rpm台前半に集まります。飛距離は常にキャリー300yを超えましたのでこの手のシャフトとしては悪くない印象。
打っていて楽しいシャフトだったので計測結果は5球残しました。弾道としてはストレートがメインで、ドローさせることも辛うじて出来るというものです。最高飛距離はキャリー306yでした。
エアロジェットLS自体が爆飛びドライバーというわけではないのでそれを考えたら飛距離を落とすほどハードでもないのでしょう。
ハザーダスT1100 65(6.5)×エアロジェット 9°
ヘッドスピード | 52.3m/s |
ボールスピード | 76.4m/s |
平均キャリー | 310y |
平均トータル | 335y |
平均サイドスピン | 437rpmドロー |
平均バックスピン | 1960rpm |
平均打ち出し角 | -1.8° |
平均打ち上げ角 | 15.6° |
最大の高さ | 44y |
落下角度 | 41° |
左右ブレ | -45y |
同じくコブラのヘッドでの試打データです。こちらはドローが強いですが、飛距離は格段に良くなりました。セッティングを煮詰めればもう少しセンターに近いばらつきで収めることができると考えています。
最高飛距離はキャリー316y、トータル344yです。ドローが強い分スピン量が減りましたが、ドロップするわけでもないので絶妙にギリギリのバランスを保っています。
弾道は低いですね。ハザーダスT1100はどちらの試打データでも打ち上げ角度が低かったので、これは一つ大きな特徴と言えそうです。
ハザーダスT1100の良い点
- 飛距離性能が高い
- 左を防げるドロー
- ストレート弾道も狙える
- 振り心地が“分かりやすい”
- 暴れにくい
ハザーダスT1100のイマイチな点
- 非常に硬い
- ヘッドスピードが下がる
ハザーダスT1100の振り心地
振動数は6.5=Xで288cpmとかなり高いです。重量に対する振動数ではトップクラスに入りそう。
これだけ硬いとしならないのかと思いましたが、実際はそういうわけでもありません。確かに硬いには変わりないのですが、しなり方が案外普通で把握しやすいです。特別難易度が高いわけではない。トルクが小さくヘッドの向きが分かりやすいのが功を奏しているのでしょうか。
それゆえにハードなシャフトでありながら、方向性の安定感を感じる仕様になっているのだと思います。
ハザーダスT1100のセッティング
ハザーダスT1100のマトリックスチャートのポジションは、ツアーAD DIの右下当たりだと思います。
左への耐性の強さに反して低スピンに出来る稀有なシャフトです。
組み合わせるヘッドはエアロジェットとエアロジェットLSの中間くらいが理想です。上の簡易チャートだとTS2の位置です。パラダイムトリプルダイヤモンドなどがここにあります。フェードで作るならLSくらいでも良いと思います。
データチャート
ハザーダスT1100の一番の推しポイントはその方向性とバックスピン量のバランスです。なのでスピン量を最高評価にしました。ただ、やさしさを感じることは全くない上にスペックの少なさが親切ではないので選ばれし者のためのややお高く止まったシャフトだと思います。
総合評価
ハザーダスT1100は良いシャフトだと思います。
重量が重くないのに硬いというのはレアではありますが、それによってヘッドスピードが上がるということではないので特にメリットにはなっていません。ですがシンプルに試打データは優秀ですし、ヘッドへの反応も良いのでセッティングを出す楽しさは最高レベルでしょう。
ハザーダスT1100は分かる人にだけ分かるマニアックなシャフトです。
おススメ度 (4 / 5)
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