モトーレから進化したエボリューションシリーズの初代
スピーダーといえば、店頭に並ぶ吊るしのカスタムシャフトとして不動の地位を確立しており、女子プロでの高い使用率だけでなく、アマチュアにも大人気のシャフトです。
毎年発売されるスピーダーエボリューションシリーズですが、その初代が今回紹介する通称青エボ。今となっては、エボⅤが水色でややこしくなったので初代のエボとか言われています。
この初代は奇数シリーズということで、先中調子のトルクが3.7。他のモデルとトルクはだいたい同じなのでしなり始めの挙動は馴染みのあるスピーダーらしいもの。
現在は残念ながらカタログ落ちしていますが、ネットではまだ在庫がある店舗も見られますので、入手は比較的容易だと思います。
それでは早速試打データを分析していきます。
試打データ
ヘッドスピード | 53.3m/s |
平均キャリー | 296y |
平均トータル | 317y |
平均サイドスピン | 194rpmドロー |
平均バックスピン | 2557rpm |
平均打ち出し角 | 1.5° |
平均打ち上げ角 | 14.0° |
最大の高さ | 45y |
落下角度 | 43° |
左右ブレ | -5y |
素晴らしい試打データだと思います。今回は私のシャフト試打で最もよく使うタイトリストTS3の9.5°のヘッドで試打を行っています。
まず、注目すべきはサイドスピン量です。サイドスピンは弱いドローで、安定感が抜群。
また、それに対して打ち出し角がしっかりと右に出ていることがコントロールのしやすさと美しいドローに貢献していると考えられます。この打ち出し角を実現している要因は後でまた言及します。
結果として飛距離が伸び、最大キャリーが302yとなりました。
バックスピン量は2500rpm程度で特別少ない訳ではありませんし、打ち上げ角も14°あるので、中弾道からやや高弾道になりやすいシャフトだと思います。
初代スピーダーエボリューションの弾道
だいたい同じ弾道が出ます。
高めの方が出やすいと感じました。
初代スピーダーエボリューションの振り心地
力を入れなくても走っていくというのが一番の特徴だと思います。
適度なオートマ感で、とくにミスしたと思った瞬間(私の場合はプッシュアウト)にフェースがちょうどよく戻ってくるので安定感が増したのだと思います。
振り心地としては、手元のしっかり感だけでなく、中間剛性も他の奇数シリーズと比べると高く感じました。それが、結果として打ち出し角とサイドスピンのバランスを実現しているのだと思います。
初代スピーダーエボリューションが合う人は?
引っ掛けるほど捕まるわけでは無いので超スライサーよりは、フェースが微妙に戻ってこなくて飛距離が出ない人や、力の無い人にフィットするように思います。
スピーダーエボリューションは実はこの初代から40g台の軽いスペックを用意していますので、ヘッドスピードが40m/s以下の人も使えます。
このくらいの捕まりなら、ヘッドとの相性も悪くないと思うので比較的自由に組み合わせる事が可能だと考えています。
デザイン
濃い青が特徴で、他のエボリューションのようにローマ数字は付きません。
構えるとこんな感じ。
データチャート
素晴らしい性能なだけでなく、難易度も低く多くの人が使いこなせる剛性感であることは評価すべきだろうと思います。
ラインナップも40g台から選択できますから、より多くの層をターゲットにしたシャフトであることは間違いありません。
総評
この初代スピーダーエボリューションはやはり歴史的な意味を持つシャフトだと思います。
たいてい新モデルの初代は完成度が高い(クロカゲやディアマナなど)のですが、スピーダーエボリューションも確実に当てはまっています。
今となっては旧モデルという位置づけにはなってしまうものの、価値は高いですから是非検討してみてください。
おススメ度




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