AV Rawシリーズとは
テンセイAV Rawシリーズは、オレンジ、ブルー、ホワイトの三種類が発売されています。ホワイトの75TXはケプカがマーベリックサブゼロと組み合わせてテストしていました。
ブルーはテンセイシリーズのどのモデルでももっとも易しい仕様で、比較的高弾道。中調子で、中間剛性は低め手元が少し硬くなっています。
それでは早速試打データから見ていきます。

試打データ
テンセイAV Raw ブルー65S
ヘッドスピード | 54.0m/s |
ボールスピード | 77.3m/s |
平均キャリー | 283y |
平均トータル | 299y |
平均サイドスピン | 133rpmドロー |
平均バックスピン | 3323rpm |
平均打ち出し角 | 1.4° |
平均打ち上げ角 | 17.7° |
最大の高さ | 63y |
落下角度 | 51° |
左右ブレ | 0y |
なんとなくですが、カタログの表記通りの結果になると、自分がうまくシャフト性能を引き出せていると思う反面、メーカーの言いなりに宣伝するみたいで癪です。
まぁ出てしまった結果は仕方なく受け入れます。
さて、こういう無駄なことを言うのはやめにして本題に戻ります。
最も特徴的なのは、バックスピンの多さと打ち上げ角の高さです。ヘッドはエピックフラッシュサブゼロなので、かなり高い打ち上げ角だと思います。
頑張って低く打とうともしましたが、全く反応しません。それだけ明確に高弾道を出す仕様になっているということです。
スピン量が多い割には飛びました。最大飛距離はキャリーで290y、トータル308yです。この時のスピン量は2939rpm。
そして、もう一つ大きな特徴があります。サイドスピンの少なさと方向性の安定感です。テンセイAV Rawシリーズは手元側に蒸着したアルミ繊維?によって安定感を生み出すといかにもな感じで書いてありましたが、残念ながらその通り(リキよ、素直に喜べ)。
テンセイAV Rawブルーの方向性は、ほとんどまっすぐ。引っ掛けのミスが出やすい自分でそんな感じなので、もしかしたら捕まりは弱いかもしれません。
オレンジと比べるとだいぶ捕まりは弱く感じます。
テンセイAV Raw75TX
視聴者様から、シャフトをお借り出来ましたので、今回はTXフレックスも試打レビューします。TXは価格が倍で、同じくテンセイシリーズのCKオレンジとCKプロオレンジのような関係性です。
ヘッドスピード | 52.3m/s |
ボールスピード | 75.5m/s |
平均キャリー | 302y |
平均トータル | 324y |
平均サイドスピン | 80rpmストレート |
平均バックスピン | 2289rpm |
平均打ち出し角 | -0.3° |
平均打ち上げ角 | 16.5° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 45° |
左右ブレ | -9y |
最大キャリーは310y、トータル335yでした。飛距離性能は高いですが、重いので当然ヘッドスピードは落ちてしまいます。
通常のフレックスとの違いは、やはりバックスピン量でしょう。全体的に低い値になりやすく、ハードなシャフトだと感じました。
方向性は、GC2で計測する限りでは、ストレートからややドローと言った感じ。練習場で打つと、右に飛びやすいです。
注目すべきは、打ち上げ角です。先に述べた通り、バックスピンは少ないですから弾道の高さがネックになってきます。
しかし、TXフレックスは高い打ち上げ角を残しているので、キャリーがよく出るのだと考えています。65Sよりは1°ほど低いものの、私の平均が15°程度なのでそれを考慮すると高い打ち出しということです。
ビジュアルで見る弾道
テンセイAV Raw ブルー65S
青がテンセイAV Rawブルー、オレンジがオレンジです。ほとんど曲がりません。いつも通り3球だけ残したデータですが10球打ってもほとんど曲がることはありません。
打ち上げ角の高さやスピン量の多さで弾道はかなり高いですが、伸び方は直線的。純正シャフトと似たような硬さではありますが、凹みの無い弾道ですね。
テンセイAV Raw75TX
打ち出し角度がほぼストレートなので曲がり幅はかなり小さいです。
ただし、フィーリングとしては、頑張って振ってこのくらいなので気を抜けばすぐに右の林に吸い込まれます。
フィーリング
一応、合成分布を見ると先端剛性が他のモデルよりは低いということですが、あまりそうは感じず。
加工した際もオレンジよりもチップ径が大きく肉厚も厚め。
ワッグルすると、手元の硬さは確かに目立ちます。手元が硬いのでスイングしない限りはかなり硬いシャフトに感じました。
一方で、実際に打つと、ボールに当たり負けるような感触を少し感じます。フェースは最後まで返らず、フェースも上を向きます。
オレンジと比べると、インパクト時のロフト角が大きく約22°。オレンジは18°以下、他社の6Sで15°ちょいです。純正シャフトよりも大きい角度でした。
どんなプレーヤーにおススメか
テンセイAV Rawブルーの特徴は以下の通り。
- 高い打ち上げ角
- 3000rpm超えのバックスピン量
- 捕まりの弱さ
- 安定感
最後の安定感はがあるので、このシャフトを買って大外れする人は少ないと考えられます。
また、捕まりが弱くて高弾道というのはかなりレアですから、一定の需要があるように思います。例えば、私が以前作ったヘッドのマトリックス図では右上のゾーンは非常に数が少ないです。
この中だと低弾道のセンターにあるヘッドと組み合わせると丁度良さそう。TW747 455とかST200Xあたりです。
スイングとしても、インサイドアウト軌道でスピンが少ないタイプと合うと思います。ヘッドスピードが遅い人の方が良いと思います。
重いので安定感はありますが、しなり感的にはヘッドスピードは出やすいと思います。ヘッドスピード43m/s以下で、もっとキャリーを伸ばしたいという人にはかなりおススメ出来ます。
他社製品との比較
私が作ったこのチャートで言えば、通常スペックはツアーAD GTの右、TXはVENTUSブルーの右上、GPと同じ高さです。
データチャート
またふざけてるよこいつ。
でも本当にこのくらいの癖があるシャフトです。とにかく曲がらないです。手元の剛性感は慣れが必要だとは思います。
テンセイAV Rawブルーは初めてカスタムシャフトを組む人、カスタムを組みたいけど何を選んだらよいか分からなくなってしまった人におススメ出来ます。
総評
面白いです。捕まらなくて高弾道というのがかなりレアなので、貴重ですよね。
さきほどのマトリックス図を見てもらえば分かるとおり、合うヘッドも多そうですし、ハードヒッターよりもアベレージヒッター向けなので是非とも日本市場にも展開してほしいところ。
とりあえずは、USモデルを扱っているショップで安く買えますので、そちらから購入すれば良いかと思います。
おススメ度













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