US三菱出身モデル
三菱のテンセイシリーズは、約7年前に登場したUS三菱が企画開発をしたシャフト。特に有名なのがテンセイCKプロシリーズだと思いますが、それ以外にもAV、1Kと合計3種類のシリーズを展開する大家族。
このサイトでもテンセイCKプロホワイト、テンセイCKプロオレンジ、テンセイCKプロレッド、テンセイプロホワイト1K、テンセイプロオレンジ1K、テンセイAV Rawブルー、テンセイAV Rawオレンジを特集しました。その他コブラLTDxに装着されていたテンセイAV Rawホワイトを含めると8種類も試打レビューしたことになります。
しかし実際はもっと種類があるモデルでして、アメリカ市場ではCKシリーズにプロではないものがあったりします。今回はこの中でもテンセイCKプロシリーズとテンセイ1Kシリーズにフォーカスして比較をしていきます。
まずはそれぞれのシャフトの特徴をコンセプトという観点でみていきたいと思います。
テンセイシリーズの大まかな位置付け
テンセイCKプロオレンジ
- カウンターバランス
- 高い先端剛性
- 50g台からラインナップ
- タイガーを始め多くのトッププレーヤーが使用
- 唯一の国内展開をしたCKプロシリーズ
実はかなり癖があるシャフトです。カウンターバランスというのは手元が重い手元重心設計のことで安定性の向上や浮くのを防いでくれます。

ドローフェードの打ち分けは一応できます。簡単ではありませんが。
テンセイCKプロホワイト
- 先端から中間に高い剛性
- 超低スピン特性
- ボロンチップで重ったるい振り心地
- マキロイなどが使用
そもそもハードなテンセイCKプロシリーズの中でも最もハードヒッター向けのシャフトです。超が付くほどの低スピンで、方向性は右。引っ掛けにくいです。
一方でベンタスブラックなどもそうですが初速が出にくいデメリットもあるので飛距離を最大化しやすいモデルではありません。

テンセイCKプロホワイトは左を消せるストレート。
テンセイCKプロレッド
- 適度な先端剛性としなやかな中間剛性
- 中スピン中高弾道
- 適度な捕まり
- 大きめのトルク設計
- 60g台からのラインナップ
ほとんど話題にならないレッドは特徴もあまり過激ではありません。まぁそれでもCKプロシリーズなので国内でメイン展開するモデルよりはハードです。スピン特性に関しては試打データ参照。

オートマチックで低弾道なドローがテンセイCKプロレッドの特性。
テンセイCKプロブルー
- 操作性が高い
- モリナリなど多数使用
- ハイブリッドシリーズは国内女子プロなども採用
こちらもマイナーなシャフトですが、PGAではかなり人気なシャフトでした。トルクが少なくコントロールがしやすい点などから支持されている模様。テンセイCKプロブルーはハイブリッド用でも活躍していた印象ですね。

テンセイCKプロブルーはドローとフェードを打ち分けても飛距離が落ちないのが特徴。
テンセイプロホワイト1K
- 更なる安定性を実現するクロスリンクテクノロジー
- しなやかな手元剛性
- 低スピン低弾道
- テンセイCKプロホワイトの後継?
基本的な性能や味付けはテンセイCKプロホワイトにそっくりです。それをさらにレベルアップしたものと捉えておけば大丈夫でしょう。個人的な見解ではCKプロホワイトよりも手元がしなやかにしなるイメージです。

テンセイプロオレンジ1K
- 小トルク化
- カウンターバランス
- ラインナップの充実
- 安定性向上
- 低スピン中弾道
テンセイプロオレンジ1Kは大人気のCKプロオレンジをよりハードにしたという感じです。トルクが小さくなり捕まりも弱くなったので結構違うシャフト。唯一カウンターバランスという点は継承しているので雰囲気は残しています。

試打データ
テンセイCKプロシリーズ全種類(全て6S)
モデル | オレンジ | ホワイト | レッド | ブルー |
ヘッドスピード | 54.5m/s | 53.3m/s | 54.1m/s | 55.1m/s |
ボールスピード | 77.8m/s | 76.6m/s | 74.0m/s | 77.2m/s |
平均キャリー | 306y | 308y | 306y | 310y |
平均トータル | 327y | 331y | 332y | 333y |
平均サイドスピン | 267rpmドロー | 51rpmストレート | 68rpmストレート | 55rpm |
平均バックスピン | 2510rpm | 2213rpm | 1841rpm | 2278rpm |
平均打ち出し角 | -3.0° | -2.2° | -2.2° | -2.5° |
平均打ち上げ角 | 14.5° | 15.9° | 15.9° | 15.2° |
最大の高さ | 49y | 49y | 43y | 48y |
落下角度 | 45° | 44° | 40y | 43° |
左右ブレ | -35y | -17y | -18y | -18y |
バックスピンだけで言えばテンセイCKプロレッドが一番少ないですが、実際の弾道はホワイトがドロップします。まぁ詳細データはホワイトで1600rpmが結構出るのでミスの方向で言えばホワイトの方が低いです。
結論から言えば、どの弾道も美しいので全部良いです。テンセイはどれも上手く打てます。
テンセイプロ1Kシリーズ全種類(全て6S)
モデル | テンセイプロオレンジ1K | テンセイプロホワイト1K |
ヘッドスピード | 56.1m/s | 54.4m/s |
ボールスピード | 78.8m/s | 76.5m/s |
平均キャリー | 311y | 314y |
平均トータル | 332y | 338y |
平均サイドスピン | 431rpmドロー | 84rpmストレート |
平均バックスピン | 2429rpm | 2044rpm |
平均打ち出し角 | -4.3° | -3.9° |
平均打ち上げ角 | 14.9° | 16.6° |
最大の高さ | 50y | 50y |
落下角度 | 45° | 44° |
左右ブレ | -56y | -16y |
1Kだとオレンジはドローだと結構強めに左に飛びます。ホワイトはCKプロほど左を防ぐわけではありませんが、それでもフェード系ではあるかなと思います。
初速が結構出ているので飛距離性能はめちゃくちゃ高いです。テンセイCKプロシリーズよりもプロ1Kシリーズの方が初速が出ていることは純粋に進化として捉えたいです。
振動数比較
テンセイプロホワイト1Kが261cpmでオレンジがやや硬い263cpmでした。
テンセイCKプロシリーズだと、ブルーとレッドが同じくらい、オレンジとホワイトが硬いようです。
マトリックスチャートにまとめると
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テンセイシリーズの選び方
テンセイCKプロオレンジが合う人
重いシャフトの方が安定するタイプで、なおかつヘッドスピードを落としたくない人に向いています。やはりカンターバランスの効果はあるので重くて安定させるだけでなく飛距離も担保したい人むけです。
注意点は、上手くしならせると結構捕まるのでフッカー向けではないということ。どちらかというとミスした時に右に抜けるような人がどハマりすると思います。
テンセイCKプロホワイトが合う人
とにかく低スピンにしたい人が合うと思います。やはりシリーズ内でもその位置付けははっきりしているのでそれだけで選ぶ理由になります。
また、方向性で言えば左を消したい人向けでもあります。私も半年ほど使っていましたがこれは確信しています。さらに、振り心地を重くしたい人にも合うと思います。以上に重く感じるのでこれまで70g台を使っていた人が振り心地をそのままに軽くするのであれば間違いなく合うでしょう。
テンセイCKプロレッドが合う人
弾道の高さをコントロールしたい人、適度に捕まえてくれるシャフトを求める人、オートマ感を求める人に向いていると思います。
テンセイCKプロレッドはCKプロシリーズの中ではかなりマイルドで汎用性が高いので合う人は大勢いるはずです。ヘッドスピード43m/s程度あれば十分しならせられて、柔さは感じられないので是非とも検討してみましょう。
方向性は弱ドローですから、色々なヘッドとも相性が良いという点も褒めるべきだと思います。
テンセイCKプロブルーが合う人
とにかく弾道をコントロールしたい人向けだと思います。
テンセイCKプロブルーはテンセイCKプロシリーズの中でも特に一方向性がないので、フェードもドローも打てる仕様だと思います。ですから、ある程度の技術が求められます。
弾道の高さは低くはないので低くしたい場合はレッドを選びましょう。
テンセイプロホワイト1Kが合う人
ハードなシャフトが好きで、低スピンでも捕まえたい人に合うと思います。CKのホワイトほど右に飛ぶわけではないのでどちらかというと操作できるレベルである必要があるでしょう。
また、振り心地はスイングレベルに依存するので硬いと感じたらやめるべきです。そこまでして使う必要はありません。
テンセイプロオレンジ1Kが合う人
我こそはというハードヒッターにおすすめしたいです。かなりハードで、1Kシリーズについてはホワイトよりもオレンジが難しいです。
方向性はフェード系ですがカウンターバランスの安定感が共存しているのでハマればスコアも飛距離も手にできる一挙両得のセッティングも可能。
まとめ
テンセイシリーズは今後も展開が増えていくでしょう。
ベンタスシリーズと比較されることも多いですが、この手のシャフトの先駆者的存在です。テンセイシリーズはプロシリーズだけでなく、AVシリーズやノンプロもあるので幅広い層を取り込んでいます。
今後の展開にも期待したいですね。


















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