2018年は賞金ランク11位の松田鈴英プロ。
1998年生まれの21歳です。女子ゴルフ界は九州出身のプロが活躍する傾向にあると勝手に思っていますが、松田プロは滋賀県出身。
ギアはブリヂストンとの契約で、パター以外のクラブは全てブリヂストン製、ボールもツアーBXを使用しています。
2019年の初戦ダイキンオーキッドレディスでさっそく5位タイと好発進を決めました。
それではクラブセッティングを見ていきましょう。
松田鈴英プロのクラブセッティング
番手 | ブランド | シャフト | 重量 |
---|---|---|---|
1W | ブリヂストンツアーB XD-3(9.5°) | スピーダー569エボリューションⅤ(S) | 301g |
5W | ブリヂストンツアーB JGR | スピーダー569エボリューションⅤ(S) | 325g |
H3/H4/H5 | ブリヂストンツアーB JGR | フジクラMCH70(S) | 360g/364g/367g |
5I~9I、PW | ブリヂストンツアーB X-CBP | N.S.PRO850GH(S) | 403g |
50°/53°/58° | ブリヂストンツアーB XW-F | N.S.PRO850GH(S) | 430g/432g/434g |
パター | オデッセイ・オーワークスピンク#1SH | 不明 | 不明 |
先述の通り、パター以外は全てブリヂストン製を使用しています。2018年の最終的なセッティングなのでダイキンオーキッドでこのギアだったかは分かりませんが、大きな変更はないと思います。
特徴はハイブリッドを3本入れていることと、ウッドとハイブリッドがJGRになっている所だと思います。
また、ウェッジの刻み方が面白いですね。この辺りはこれから詳しく考察してみます。
筆者の深読み
ドライバー&ウッド
ドライバーは、私も大好きなXD-3を使用しています。
打感が良く、飛距離も出て、しかも低スピン。ブリヂストンのプロも慣れ親しんだ前作や前々作から一斉に切り替えているのは、やはりこのヘッドの素性の良さが要因だと思います。
レビューしてますのでこちらの記事からXD-3の詳しい情報をチェックしてみてください。

そのドライバーに装着しているシャフトはスピーダーエボリューションⅤの474。トータル重量を301gに抑えた仕様で、飛距離ランク8位というのも納得です。
エボリューションⅤの474(S)はトルク4.7で重さのわりにはしっかりした印象です。女子プロはトルク5を少し下回るシャフトを使用している人が多い気がしますね。
ちなみに、スピーダーエボリューションⅤもレビューしていますのでこちらもぜひチェックしてみてください。

この組み合わせ、非常に絶妙だと思います。それは、ウッドとハイブリッドが捕まりの良いJGRを使用しているから。ドライバーだけは明らかに弾道を低くするセッティングになっています。
JGRのドライバーは捕まるだけでなく球が上がりやすいです。(たしかGRはグラビティレボリューションの略)しっかり球をとらえる技術がある女子プロにはやや枷になるでしょう。
続いてウッドです。
5番ウッドのみを選択しています。まぁ、平均250y飛ばしているので3番は必要ないでしょう。私もウッドは5番だけなので共感するところが多いです。
シャフトはスピーダーではありますがエボリューションⅣ。中調子で弾道はやや低め。これで見事に捕まり具合が揃うのでしょう。
ニュートラルからやや捕まりにくい特性のXD-3に捕まるエボⅤ、捕まるJGRにニュートラルなエボⅣ。しかもトルクはエボⅣの569が4.6でエボⅤの474が4.7というのも偶然ではないでしょう…
ハイブリッド
ハイブリッドは19°、22°、25°の3本。
女子プロはフェアウェイウッドを多用する選手とハイブリッドを多用する選手の二極化が進んでいますが、松田鈴英プロはハイブリッド派のようです。
ウッドも5番なので、もしかしたらウッドに苦手意識があるのかもしれません。
シャフトはMCH70Sなので先中調子です。こちらはヘッドもシャフトも捕まるようなセッティングになっていますね。ですが、MCHはトルクが3.3としっかりしているのであえて先中にしているようにも思います。
5番アイアンが25°なので、度数がかぶっていますが、構造上ハイブリッドの方が飛びますし、状況により使い分けができるのでこの番手選択なのだと思います。
アイアン
調べた限り、2018年はこの2017年モデルのX-CBを使用しているのですが、もしかしたら2019年はこっちの新しい方にしているかもしれません。

番手は25°の5番から46°のPWまでをN.S.PRO850GH(S)との組み合わせで入れています。総重量が軽めになるのでハイブリッド同様のドローのイメージでしょう。
このアイアンはスピン性能が非常に高く、安定してグリーンを狙うことが出来ます。やや飛距離に難がありますが、プロや上級者には十分の性能をもっている素晴らしいアイアンです。
それにしても、女子プロはダイナミックゴールドはおろかモーダスシリーズを使っている人すらほとんど見かけませんね。
グリーンにのるかどうか顕著に差が出るのでオーバースペックにならないように気を使っているように感じます。
男性アマも本当はこのくらいの重量や硬さが理想だと思います。
ウェッジ
こちらも2017年モデルですが、2019年は後継モデルにしているでしょう。
度数は50°、53°、58°の3本でちょっと疑問が残る組み合わせです。というのも、PWが46°ですから、50°との間に4°の差が出来ます。
これ自体は良いのですが、次の番手が53°で3°の差になるのです。PWと短いアプローチとの間はミーリングの関係上縮めた方が距離のフローが作りやすいです。
ですが、松田鈴英プロは逆でPWと短いアプローチとの間がやや開いています。
おそらく、一番欲しい距離に合わせて53°を選択しているのでしょう。つまり、53°が優先順位一位でバンカーで58°、転がしたいときに50°といったところでしょうか。
このように、役割を考えてセッティングしているのは非常に合理的です。もちろん、50°の振るショットやハーフショットでの距離を把握していればその距離が残った時に使えますので選択肢が増えます。
数字の配列を考えただけではない人間味を感じるウェッジセッティングですね。
パター
ピンタイプの金属プレートを貼ったパターです。
ピンタイプにしては反発がよくロングパットでも活躍するフェースです。女子プロはピンとオッデセイが多いですが、オデッセイユーザーはほとんどオーワークスを使用しています。
やはり、このフェースが支持されているのだと思います。
松田鈴英プロのセッティングは…
捕まのりコントロールを重視したセッティングですね。
ドライバーからアイアンまで、ヘッドスピードのわりに柔らかい、もしくは走るシャフトを選択しています。
ヘッドとの組みあわせも絶妙で、きれいに作っていると思いました。全体的に捕まるセッティングにしている女子プロは多くないので、スライサーには非常に参考になるセッティングだと思います。
同じくブリヂストンの黄金世代。

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