渋野日向子選手の活躍
言わずと知れた黄金世代の出世頭で、全英女子での優勝だけでなく8打差大逆転で優勝してしまうハートの強さ、プレースタイル。
それだけでなく愛嬌のある笑顔やしぐさがおじ様たちの心を鷲掴みしていることでしょう。
渋野選手のスイングは、手首を極力使わない現代的なスイングで、女子特有の癖も皆無です。どちらかというと男子アマの究極に近い(目指すべき)スイングだと思います。
ですから、セッティングも参考になると考えていますので、いつも以上に詳しく解説していきたいと思います。
あぁ、同学年なのにすごいなぁ…
渋野日向子選手のクラブセッティング
番手 | ブランド | シャフト |
---|---|---|
1W | ピンG410Plus 10.5° | スピーダー569エボⅥ(SR) |
3W | ピンG410LST 14.5° | スピーダー569エボⅥ(SR) |
5W | ピンG410 17.5° | スピーダー569エボⅥ(SR) |
UT | ピンG410ハイブリッド19°/22° | ダイヤモンドスピーダーHB7(S) |
5I~PW | ピンi210 | MCI80(R) |
AW、SW | ピン・グライドフォージド52°/56° | KBSツアー90(R) |
パター | ピン・シグマ2 | 不明 |
全てギア契約しているピンのクラブです。
ウェッジとパター以外はカーボンシャフトを使用していますね。女子プロとしては珍しいことではありませんが、軽めのセッティングだと思った方も多いのではないでしょうか。
それでは深読みしていきます。
筆者の深読み
ドライバー
ヘッドはピンG410プラスです。私のレビュー記事は下に貼っておきます。

クラブで重要なのはヘッドよりもシャフトです。シャフトが分かればセッティングの意図も理解しやすいですからね。
装着しているシャフトはスピーダーエボリューションシリーズの最新作、エボⅥで、569のSR。

私の大好きな偶数スピーダーですね。詳しくは上のリンクを読んでおいてください。
さて、このシャフトですが、やや捕まる中弾道。癖がなくコントロールショットも可能な万能シャフトです。
渋野日向子選手のドライバーショットはほぼストレートで、インパクトゾーンが長いのが特徴です。
それ自体は、現代のスイングの典型ともいえる要素ですが、こういったプレースタイルにはプレーンなシャフトが適切です。
動画を見る限り渋野日向子選手のヘッドスピードはトラックマンで平均で42m/s、マックスでも44m/sくらいだと思うので重量は最適でしょう。
フジクラの50g台はSRで55gを切る重量にしてあるものが多いです。
ですから、50g台の標準としてSRを組んでいるのでしょう。もしこれがSになるとほぼ60gですし、硬めの50g台という位置づけで、しかも重いです。
個人的にはヘッドとの組み合わせ的にはかなり捕まってしまう気もしますが、たぶんプロ仕様はフェースが開いている物が多いのでうまく調整してあるのでしょう。
そして、長さが44.75インチになっています。女子プロのようにゆったりとしたリズムだと長尺の方がうまくしなるので45.5インチを選択する人が多いですが、先に述べた通り渋野日向子選手は女子っぽいスイングではないので納得。
個人的にはもっと短くてもいい気もしますが黙っておきます(笑)
ウッド
渋野日向子選手が使う3番はLSTです。G410シリーズの三種類あるFWの中では最も小ぶりなモデルです。3番しかラインナップされていないのも特徴。

他の女子プロでも3番ウッドにこのLSTを選ぶ人は多く、人気です。
シャフトはドライバーと揃えていて、割とオーソドックスなセッティングの仕方です。
一方、5番にはスタンダードのG410をチョイス。

かなり扱いやすいウッドです。シャフトはこれまた同じ重量のものを選択しています。
ヘッドカバーはピカチュウです。多分これ。
実は品薄になっていない上に実力関係なく渋野さんとおそろにできますからおススメ(笑)
ドライバー用もありますよ。
ハイブリッド
G410のハイブリッド3番と4番です。

面白いのがシャフト。調べるまで存在すらしりませんでしたが、ダイヤモンドスピーダーのハイブリッド用を装着しています。
ダイヤモンドスピーダー自体はパリパリの先調子で、低いトルクが特徴のシャフトです。地クラブとの相性がよくて私が唯一打てる先調子でもあります。
70g台となると柔らかいのかと思いきやトルク1.8。さすがの低トルクです。この後紹介するアイアン用のカーボンMCI80Rよりもはるかに硬いです。
渋野日向子選手のセッティングで唯一理解できないのがこのハイブリッドのシャフトでした。
多くの選手が、というかほぼすべての選手がハイブリッド用は少ししなやかなシャフトを選択します。私の記憶にはハイブリッドの方が硬いシャフトを選択選手はいないように思います。
ただ、深読みすると、女子プロはセカンドショットでハイブリッドを使用することが多々ありますので、ウェッジに硬いシャフトを入れる感覚でハイブリッドにも硬いモデルを入れているのではないでしょうか。
アイアン
アイアンはピン契約の女子プロに人気のi210。ポケットキャビティでありながら充填剤を入れて打感を向上させ、ロフトは33°(7番)の使い勝手の良いアイアンです。
ハイブリッドやウェッジとのつながりが良くなるので、男子でも使っている人が多いですね。
シャフトはMCI80(R)です。カラーリングが青っぽいので、カラーカスタム仕様でしょう。一応下のリンクの一番下にレビューを書いていますのでご参照ください。


カラーカスタムなのでたぶんウェイトフローのブラックではないと思いますが、コスメはいかようにでもできるので不明。
シャフトとしては、トルクが高めで、芝に潜り込んでスピンをかけることができるものです。
i210はシャフトに気を付けないとスピンが激減して飛びすぎてしまうので、柔らかめのシャフトとの相性が良いです。
スイングレベルの低いアマチュアにとっては決して易しいシャフトではありませんが、一通りのことをクリアしたレベルのゴルファーには是非打っていただきたいシャフトです。
なにより、カーボン故に設計自由度が高いので様々なスペックから選ぶことが出来るのは魅力的です。
最近は、こんな練習器具が話題になっていましたね。渋野日向子選手も愛用のMCIプラクティス。重さがMCI70と同じくらいだそうです。
ここまでで、渋野日向子選手が使用しているシャフトは全てフジクラ製でした。ドライバーでは以前からスピーダーエボリューションシリーズを愛用していますし、アイアンも長く使っているモデルです。
ウェッジ
ピンの鍛造ウェッジで素材はカーボンスチール。
ピンのウェッジとしてはもっともクラシカルな設計で、ほかのヘッドより重く仕上がります。
シャフトはKBSツアーの90(R)です。なぜこのシャフトにしたのかはよくわかりません。
単純にステップレスのシャフトにしたかったのか、バランスを守りたかったのか…
そういえば、渋野日向子選手がたびたび比較されるダスティン・ジョンソン選手もアイアンはダイナミックゴールドでしたが、ウェッジはKBSにしていましたね。
なにか関係があるのかも…
パター
打感の柔らかいインサートを装着したシグマシリーズのピンタイプです。
渋野日向子選手が全英で優勝してからは品薄らしく、納期に1か月もかかるみたいです(笑)
渋野日向子選手の強気な(というか強い)パッティングを支える信頼のギアでしょうね。個人的には、ヘッド重量からか打感が軽いのであまり好きではありません。
インサートも言ってみればオデッセイに対抗しているだけですから。
渋野日向子選手のセッティングは…
メリハリのあるシャフトチョイスですね。
明確な意図までくみ取ることはできませんが、ところどころで独特のシャフトチョイスをしているのが伺えます。
鈴木愛選手のようなしなやかなシャフトではなくどちらかと言えば硬めで、全体としてはしっかり叩けるセッティングになっています。
ヘッドスピードがそこまで速くなく、男性ゴルファーと同じくらいなので参考になるかもしれません。
ただ、渋野日向子選手と同じクラブを買おうと思うと1か月待ちとかになるので、そこだけは注意してください(笑)
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