2017年の賞金女王、鈴木愛プロ。
抜群の安定感はショットコントロールとパターの精度にあります。そんな鈴木愛プロが使っているギアを私目線で深読みしながら見ていきましょう。
鈴木愛プロのクラブセッティング
番手 | ブランド | シャフト |
---|---|---|
1W | ピンG400LST10° | アルタJ50(S) |
3W | キャロウェイエピックサブゼロ | モトーレスピーダー661(SR) |
5W、7W | ピンG40017.5°/20.5° | TFC390(SR) |
UT | ピンG400ハイブリッド22°/26° | MCH70(R) |
6I~PW | ピンi210 | N.S.PRO.950GH(R) |
AW、SW | ピン・グライド2.0 50°/54°/58° | CFS(R) |
パター | ピンヴォルト2.0パイパーC | 不明 |
見ていただいて分かる通り、ほとんど純正のスペックなんです。それどころか、店舗においてある所謂「吊るし」のスペックが多いです。
そして、おそらくアンダースペックに組んであるものと思います。
筆者の深読み
ドライバー&ウッド
中でも面白いのは、ドライバーとウッドのセッティングです。ヘッドはG400LSTの10°ですが、シャフトはJ50。実はJ50は純正ではあるものの、G400シリーズではありません。
一つ前のモデルG30用の純正シャフトです。ウッドに装着されているTFC390も同様です。
ピンの純正シャフトはカスタムをそのまま柔らかくしたようなフィーリングのものが多いです。ですので、振れる人でもしっかりしなって戻ってきてくれます。
鈴木プロのセッティングは全体的に柔らかいので、そのあたりがうまくフィットしているのでしょう。
最近の純正シャフトは本当によく作られているので、是非参考にしていただきたいセッティングです。
中でもピン、ホンマ、タイトリストの2018年度モデルの純正シャフトはかなり使いやすいですからチェックしておいてください。
ユーティリティ
ユーティリティにもG400を入れています。22°と26°をセッティング。
シャフトはフジクラMCH70R。
70なのでおそらく先中調子でしょう。ウッドがSRだけ先中調子のTFC390で、アイアンのシャフトが中調子のスチールなので、硬さやバランス共にウッドとの中間になるようにしているのだと思います。
MCHはかなり有名なシャフトですし、使用しているプロも多いと感じます。フジクラ以外もユーティリティ用シャフトを作っているものの、なかなかシェアを伸ばせていませんね。
アイアン
ヘッドはi210。アイアンのシャフトは全てNS950GH。フレックスはRです。950のRや、私が使用している120のRは結構しなるので打っていてめちゃくちゃ楽しいです。
なんかこのセッティングを見ていても鈴木プロとそのフィッターの方とは話が合いそうな予感がします(笑)
番手は6番からPWまでです。ユーティリティを26°で組んでいるので、アイアンの5番はいらないのでしょう。ちなみにi210の5番は26°です。
ロングアイアンを極力少なくして、ミスを減らす目的だと思います。やはりプロでもロングアイアンはユーティリティに比べてリスクが大きいという認識があるものなのだと感じましたね。
グリップにもよりますが、おそらく重量は7番で400gを少し切るくらいだと思います。軽いです。このくらい軽くすると、7番33°のi210でも十分な飛距離が出せるのでしょう。
ユーティリティに装着してあるMCHとのスペックバランスも良さそうです。
ウェッジ
ピンのウェッジで、むっちりとしたデザインが特徴ですね。こちらも純正スペックなんですが、シャフトは聞いたことが無いかもしれません。
シャフトはこちら。
CFSとはコントロール・フィール・スタビリティの略です。Rフレックスだと先中になるのでしょうか。けっこう鈴木愛プロの使用シャフトには先中が多い印象ですね。
現在でもグライドESではスタンダードシャフトとしてのセッティングが可能なようです。尚、グライド2.0ではスタンダードではないので特注になるのでしょう。
パター
ピンのヴォルトシリーズで、センターシャフトのマレットタイプです。鈴木プロはブラックを使用。パターの色は案外見落とされがちですが、太陽光を反射すると構えにくかったりするのでつや消しやブラックで対策する人も多いです。
おそらく、鈴木プロもそういった考えが多少はあるのではないかと想像します。センターシャフトは距離感を出しやすいので、パター名人である鈴木プロにはピッタリですね。
鈴木愛プロのセッティングは…
ずばり、「しなり職人」です!
全体的に柔らかいシャフトを組んでいて、尚且つ先中調子を多用。ヘッドコントロールの感覚が普通でないことが推察されます。
本当は、男性アマでもこのくらい柔らかいシャフト、軽いスペックで組んでいただきたいものです。なかなか打ちこなすのは難しいですが、このようなセッティングで振っていけるようになれば非常に懐の深いスイングが完成するでしょう。
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