伝統の700系
スリクソンというと硬派なアイアンをイメージする人も多いと思いますが、それはある意味で間違っていないと思います。
今回試打評価するのはZX7 MkⅡアイアンです。7番のロフトが32°のアスリート向けキャビティバックアイアンです。用意されている3種類の純正シャフトで試打データを計測しましたので評価して行きましょう。
スリクソンZX7 Mk2アイアンの概要
7番のロフトは32°で、PWが46°というのはかなり寝ていると思います。通常7番34°のモデルに採用されるPWの度数だからです。
スリクソンZX7 Mk2アイアンにはオプションでAWとSWが用意されているのも好印象ですね。キャビティですしPWが46°なのでウェッジ選びで困ることはありませんが、簡単にセッティングしたい人にも対応しているということですから評価したいところ。受注生産ですが3番アイアンも存在します。
スリクソンZX7 Mk2アイアンのデザイン
ZX7 Mk2アイアンはバックフェースセンターに肉厚を持たせたスタイルです。打感が良くなることは容易に予想できるデザインです。
よく見ると肉厚部分ではないところもセンターに向けて山を作るような肉厚設計になっています。両端に重量を散らしているZX5 Mk2とは正反対です。
内部には特に何も仕込んでいないピュアな構造です。
ソール形状はスリクソンお得意のVカットです。大きなバウンス角を持ち、芝での抜けに有利に働いてくれる優れもの。
ブレードは角張っていてシャープな仕上がりです。
ヘッドのサイズ感も安心感とかっこよさが両立する絶妙さ。ロフトは若干寝て見えます。
試打データ
スリクソンZX7 Mk2アイアン×ダイナミックゴールドDST
ヘッドスピード | 46.5m/s |
ボールスピード | 59.7m/s |
平均キャリー | 183y |
平均トータル | 193y |
平均サイドスピン | 89rpmドロー |
平均バックスピン | 6142rpm |
平均打ち出し角 | 0.4° |
平均打ち上げ角 | 23.4° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | 0y |
ダイナミックゴールドDSTはカタログ値ではS200で112g(カット後?)になっています。スピン量は6000rpmを超えて平均キャリーも180yオーバーなのでかなりバランスが良いと思います。スリクソンZX7 Mk2アイアンは私が考える基準を完璧に満たしています。
組み合わせとして一番安定した弾道になるシャフトでした。ダイナミックゴールドとしては軽い感じもしますが問題はありません。打ち上げ角度が大きいので長い番手でも止められるでしょうね。
スリクソンZX7 Mk2アイアン×モーダス120
ヘッドスピード | 48.3m/s |
ボールスピード | 59.9m/s |
平均キャリー | 184y |
平均トータル | 193y |
平均サイドスピン | 774rpmドロー |
平均バックスピン | 6279rpm |
平均打ち出し角 | -0.8° |
平均打ち上げ角 | 22.3° |
最大の高さ | 50y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | -17y |
モーダス120では少しドローが強くなりすぎました。ダイナミックゴールドの後に打っているのでやや仕方ない部分はありますがそれでも傾向としてドローは確定だと思います。
バックスピン量はダイナミックゴールドDSTよりも多いのでドローが強くなったことを考えれば高スピンな組み合わせと言えます。スリクソンZX7 Mk2アイアンはどんなシャフトでもスピンがかかってくれるという点で、これまでの700系の伝統を感じますね。
スリクソンZX7 Mk2アイアン×モーダス105DST
ヘッドスピード | 47.1m/s |
ボールスピード | 61.0m/s |
平均キャリー | 183y |
平均トータル | 191y |
平均サイドスピン | 18rpmドロー |
平均バックスピン | 7097rpm |
平均打ち出し角 | 2.0° |
平均打ち上げ角 | 22.5° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | 6y |
意外だったのがモーダス105DSTです。スピン量は7000rpmを超えていながら軽量なことも相まって初速が出ておりキャリーは180yオーバーを維持しています。
しかもサイドスピンはフェード傾向が垣間見えており、ストレート弾道も出せます。スリクソンZX7 Mk2アイアンの標準スチールシャフトの中では一番軽いですが最もフェードに近づくというのがよく考えられたラインナップだと思います。
スリクソンZX7 Mk2アイアンの打感
打感は素晴らしいです。ZX7 Mk2アイアンを求めるユーザーであっても間違いなく納得できる打感です。
前作のZX7やZ785よりも打感は良いので、3世代以上前のキャビティバックアイアンにも引けを取りません。
スリクソンZX7 Mk2アイアンの良さ
これまでのスリクソン700系アイアンはスピン過多で飛距離面でデメリットが出ることが多かったです。そこが改善されたのはかなりの変更点だと思います。
もちろん、飛距離を求めるユーザー向けのアイアンではないというのは承知の上です。それでも無駄に長い番手を入れなければいけないのであればそれはスコアロスの原因になる可能性があるのでやはり誉めるべきです。
データチャート
欠点はありません。素晴らしいとしか言いようがないアイアンです。さすがスリクソン。ZX7 Mk2アイアンは間違いなく多くの人が好むモデルですし、ちょうど良いロフト体系や番手ラインナップなのが乙。
総合評価
スリクソンZX7 Mk2アイアンは2022年の全モデルの中でも上位に入る高評価のアイアンだと思います。打感の良さは特に秀でていますが、それに加えてバランスの取れた試打データが出てくれること、キャリーが比較的安定することなど加点要素もたくさんあります。
デザインもよく考えられていますし、それが実感できるというのも評価したいですね。ぜひ試打をおすすめします。
おすすめ度 (5 / 5)
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