飛距離とスピンのバランスを極めたアイアン
スリクソンは海外ブランドのようにたくさんのモデルをラインナップするメーカーではありません。今回のZXシリーズのアイアンも、ZX5とZX7のみ。Zフォージドを合わせても3種類だけです。
ZX5アイアンは、前作と同じポケットキャビティといって良いのか分かりませんが、ロフトは7番で31°と変更点は無し。後ろにバッジを貼った仕様です。
面白いのが、番手別溝設計です。8番からPWは狭く深い溝で、溝の本数も多くしてあります。7番より上は広く浅い溝になっています。試打データは7番の物なので、溝の違いは分かりませんが、とりあえず性能チェックと行きましょう。

試打データ
ヘッドスピード | 45.2m/s |
ボールスピード | 59.5m/s |
平均キャリー | 189y |
平均トータル | 200y |
平均サイドスピン | 594rpmドロー |
平均バックスピン | 5255rpm |
平均打ち出し角 | -0.9° |
平均打ち上げ角 | 23.1° |
最大の高さ | 50y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | 16y |
基本的にはドロー弾道になりやすいアイアンでした。バックスピンは度数のわりには少ない平均5255rpmです。ただ、弾道の高さはロフトが1°寝ているZX7よりも2y高く、落下角度は同じ。
キャリー190yで安定しているので飛距離性能は申し分ないでしょう。
ただ、サイドスピンがやや多いのが気になるところではあります。今回の試打データはモーダス105DSTというシャフトでしたが、シャフトを変えても捕まることには変わりなかったので、ヘッドとしての特性だと考えています。
最近のヘッドが大きいアイアンは比較的右に飛ぶものもありますが、ZX5アイアンは右には飛びにくいのでメリットになる人もいるかもしれません。
ドローが強すぎるとバックスピンが減って止まらなくなるのでボール選びもセットで行いましょう。
ビジュアルで見る弾道
全てドローで、サイドスピン500rpm程度の曲がり幅です。結構打ち出しから左に飛ぶのでシャフトはそのあたりを制御できるものが望ましいと考えています。
高さのブレはそこまで大きくありません。この辺りはロフト角なりの安定感です。
デザイン
前作のような明らかなポケキャビというよりかは、キャビティ風にしてあるのが分かります。
接着剤で付けているのだと思いますが、不安になるくらい浮いているバッジ。ZX5アイアン同様、ミズノJPXのアイアンもこんな風になっていましたね。もしかしたらこの隙間がポイントなのかも。
打感や振り心地
ZX5アイアンの打感は、不思議なことに前作とあまり変わりませんでした。ここまで構造やデザインが違うと別物になりそうですが、うまく作っていますね。ちなみに、溝は見ても分かりません(笑)
そして、振り心地に大きく影響するのがこの部分です。Vカットのソール自体はずっと採用されているものですが、ソールに段差があるこのデザインは前作にはありませんでした。ただ、Z545などには見られたものなので、復活したというのが正しいでしょう。
バウンスが増えたような接地感で、人工芝だとやや跳ねます。カタログ上は、20°くらいのハイバウンスということですが、もっとありそうなくらいです。ちなみに、このバウンス、SWはローバウンスのままですが、PWとAWは前作よりも大幅に増やされています。
データチャート
前作同様かなり高評価したいアイアンです。度数のわりに飛ぶこと、それでも安定性は度数なりといううまい設計だと思います。
多くの人にとってメリットとなる性能は、再現性も高く好印象でした。
総評
飛距離が落ちてきたからそれをカバーしたいと思っている人は多いと思います。しかし、飛ぶアイアンは軒並み安定性は低いため中々決心できていないのではないでしょうか。
そんな欲張りな人にはZX5アイアンをおススメしたいです。スピン量はシャフトで制御することも十分可能なので、そのあたりはフィッティングをして決めると良いでしょう。
おススメ度
フェアウェイゴルフなら3番から購入可能
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