ロフト25°の厚ソールアイアン
ゼクシオシリーズに新たに設定されたワイドソールのストロングロフトアイアンがゼクシオクロスです。
おそらくこのジャンルを開拓したヤマハインプレスUD+2やプロギアエッグに対抗したスペックと言えそうです。
セットが二種類用意されています。7番(25°)~PW(37°)までの4本セットと7番~PW、AW(43°)、DW(49°)、SW(56°)の7本セットです。
ちなみに、5番(21°)アイアンまで単品が設定されています。正直、ここまで入れると本数がすごいことになるのであまり現実的ではありません。
ですが、21°のハイブリッドとしてなら入れてみても良いかもしれませんね。
では早速レビューしていきます。
試打データ
カーボンシャフト
カーボンシャフトはこんなコスメです。
ヘッドスピード | 45.8m/s |
平均キャリー | 193y |
平均トータル | 203y |
平均サイドスピン | 13rpmストレート |
平均バックスピン | 6842rpm |
平均打ち出し角 | 2.3 |
平均打ち上げ角 | 17.3 |
左右ブレ | 8y |
シャフトトルクはSフレックスで4.3、重量は52g。非常にしなやかでハイブリッドを打っている感覚でした。
バックスピンが6800rpmを超えるほどかかり飛距離はイマイチ伸びませんでした。通常、カーボンシャフトはしなり戻りが激しいのでドローがかかる上にバックスピンが減ってしまいます。
おそらくロフト角が小さいので低重心化しているのだと思われますが、それにしても素晴らしいスピン性能です。
スチールシャフト
スチールはN.S.PRO870DSTforXXIOという特別仕様です。
ヘッドスピード | 45.0m/s |
平均キャリー | 193y |
平均トータル | 203y |
平均サイドスピン | 306rpmフェード |
平均バックスピン | 6288rpm |
平均打ち出し角 | 0.9 |
平均打ち上げ角 | 17.7 |
左右ブレ | 9y |
このシャフトはトルクが3.0で重量が89g。スチールシャフトでは最も柔らかい部類に入ります。振っていてしなりを感じるほど柔らかいですし、データもカーボンとそこまで変わりませんでした。
何故かスチールシャフトの方がバックスピン量が減りましたが、飛距離は全く同じです。
また、サイドスピンがフェードになります。カーボンから打ったのですが、結構右に集まります。スチールだとサイドスピン、打ち出し角ともに右でした。
厚ソールの注意点
この手のワイドソールを使う人は多くありませんし、知らない人も多いので注意点を述べておきます。
ワイドソールは自力でヘッドを返すのが結構難しいです。それがボールが右に集まった理由だったりします。
逆に言うと、ヘッドが動きにくいので安定した打ち出し角にすることが出来ます。ですからこの特性自体は一長一短ですね。一応そういうものなので注意してください。
誰に需要があるのか
ゼクシオが新たにラインナップしたモデルなので何故設定したのかがよく分かりません。ゼクシオはそもそも易しいクラブでありながら見た目も無難。
それが完全にブレてしまったように感じました。もちろん、ゼクシオのブランド力ですから購入する人は一定数いますがゼクシオがやるべきではないでしょう。
しかも、今回同時に試打したゼクシオプライムの新作アイアンも似たような感じなので本当によくわかりませんね。
データチャート
度数のわりに飛距離は出ませんのでやや評価を下げました。ただ、このスピン量と飛距離が両立出来ているのは珍しいです。
慣れれば打ちこなせるでしょうしラフや柔らかいフェアウェイなんかで活躍しそうです。
総評
非常に軽いということ、ソールが熱いということ、ロフトが立っていることがこのアイアンの特徴です。
コースでの再現性の高さや易しさは評価できますが、そのためのデザインはかなりかっこ悪いです。ヘッドが長いのでハイブリッドとして打つべきだと思います。
良いクラブだとは思います。が、良いアイアンかと言われると微妙。
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