失敗作は存在しないホンマのアイアン
「アイアンのメーカーと言えば?」と聞かれれば私は真っ先にホンマと答えます。それだけ良いアイアンが多いです。よくアイアンはミズノだと言われますが、ホンマは上級者向け以外のアイアンで名作が多いというのがポイント。
今回紹介するホンマTR21Xは中空構造でロフトが30°。同じホンマのTR20Pと同ロフトと設計になっています。これがどう効いているのか、ホンマが施した工夫など熱く語っていきたいと思います。
試打データ
TR21X×IB WF85S
ヘッドスピード | 47.1m/s |
ボールスピード | 59.9m/s |
平均キャリー | 190y |
平均トータル | 201y |
平均サイドスピン | 116rpmフェード |
平均バックスピン | 5588rpm |
平均打ち出し角 | 0.6° |
平均打ち上げ角 | 21.9° |
最大の高さ | 49y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | 4y |
ホンマのオリジナルカーボンの中でもちょっと重め硬めのスペックになります。
結果としては、この後紹介するNS950neoよりもスピンが少なくなり190yキャリーという高い平均距離になりました。
飛び系のアイアンであれば、キャリー190yでバックスピンが5500rpmあれば十分だと思っています。
TR21Xアイアンが30°で中空であることを考えると、非常に良いのではないでしょうか。しかもカーボンシャフトですからね。
白がIB WF、緑がNS950neo
さらに、注目してほしいのがサイドスピン量の少なさです。とにかくサイドスピンが少なく最大でも193rpmで全てフェード。捕まりが強いシャフトでは無いので、軽量ではありますが、全然引っ掛ける気配を感じません。
TR21X×NS950neo
ヘッドスピード | 49.6m/s |
ボールスピード | 60.7m/s |
平均キャリー | 183y |
平均トータル | 191y |
平均サイドスピン | 594rpmフェード |
平均バックスピン | 7340rpm |
平均打ち出し角 | -1.2° |
平均打ち上げ角 | 20.8° |
最大の高さ | 49y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | 5y |
やはりストロングロフトのアイアンには間違いない相性のNS950neoを組んでみました。ホンマの試打クラブは、シャフト変更できるので規模の小さいショップでも色々な組み合わせで試打できるのはありがたいかもしれませんね。
試打データを見てみますと、少しサイドスピンが増えましたが、打ち出し角度が左なので到達地点は10y以内に全て収まっています。
飛距離とバックスピン量のバランスも素晴らしく、キャリー183yでスピン量7000rpm超えなので、申し分なし。強いて言うならもう少しバックスピンが減るシャフトと組み合わせて見ても良いかもしれません。
ストロングロフトであることを考えれば、カーボンシャフトというのも有効な手段。
TR21Xアイアンのデザインの工夫
試打データで、性能的な良さは理解できたと思います。
ここからはデザインの考察。
バックフェースのデザインは、マッスルバックのようになっています。TRシリーズから復刻したモグラマークが個人的には可愛くて好きです。
ソール厚はロフト30°のアイアンとしては普通くらいかなと思いますが、グースは少なめなので、とてもバランスの良いデザインだと思いました。
なんで同じロフトのアイアンを2種類も作るのか疑問に思っていましたが、こういう細かいところに差があります。何かというと、ブレード部分のカラーリングの違いです。左がTR21Xアイアンで、右がTR20P。TR20Pアイアンの方は一般的なアイアンと同様で、スコアラインの書いてあるつや消しのゾーンがブレードまで繋がっています。
一方のTR21Xアイアンはブレード部分はバックフェースと同じツヤのある仕様になっています。初めてこんなアイアンを見たので、ざっと他社のアイアンも見てみましたがこんなデザインの物はありません。
ではそのデザインがどんな効果があるのかと言うと、ズバリ、“すっきりして見える”に尽きると思います。ツヤがあることによって、ブレード部分のエッジが目立つためかっこいいです。
TR21Xアイアンの特色
TR21Xアイアンのヘッドは、256.4gでした。まぁ可変の試打クラブなので、実際のヘッドがこの重さなわけでは無いと思いますが。
同じロフトのTR20Pは約3g重かったです。TR21Xのネックが若干短い=重心が低いのでしょう。
そしてもう一つTR21Xアイアンの特色はロフトバリエーションです。なんと、18°の3番アイアンまであるんです。これは中々面白いです。単品アイアンで入れることも想定しているのでしょう。
これがTR20Pだと、5番までしかありません。
フィーリング
中空アイアンで気になるのが打感だと思います。実はTR21Xアイアンは、私が分類している中では、中空充填剤系アイアン。樹脂を充填して打音を低く、フィーリングを柔らかくしています。
さすがに、キャビティほど打感が良い訳ではないのですが、爪で叩いた時のキンキンした音はゴルフボールを打つ限りは気になりません。同じくデザインの良いピンi500アイアンと、この点において大きく違います。
打感は柔らかいというかは、”重い”という印象で、中空充填剤系としては、良い方だと思います。音が低いのもあって不快にはなっていないのがまた上手い。
データチャート
まぁほぼ満点の評価になりましたね。弱点はありませんし、シャフト次第で多くのプレーヤーにはまるというのも高評価の要因です。
特に、スピンと飛距離のバランス、それでいて難易度が非常に低いという点も素晴らしいです。これまでさんざん褒めちぎってきたホンマのアイアンですが、TR21Xアイアンは、もしかしたら一番かもしれません…
総評
もしかしたら、2020年モデルのアイアンで一番かもしれません。
確かに、TR20Bアイアンは素晴らしいマッスルバックアイアンではあるものの、多くの人が使えるとは思えませんでした。
そういう面でもTR21Xアイアンの方が高く評価することが出来るのではないかと思います。
試打している段階では「あぁいいアイアンだなぁ」と思うだけだったのですが、3番までラインナップしてるあたり、ハイブリッドが嫌いな人がユーティリティアイアンとして入れるのも大いにアリですからさらにポイントアップ!
おススメ度


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