ヒットモデルの後継
三浦技研の中でも、特に売れたモデルがCB-1008です。このサイトでもレビューしましたが、シンプルなハーフキャビティで難易度、ロフト体系、打感のバランスに優れたアイアンでした。
今回紹介するTC-101アイアンは、そのCB-1008の後継です。随所に共通点も見られますのでそのあたりも分析しつつ評価していきたいと思います。
三浦技研TC-101のデザイン
バックフェースは、CB-1008をさらに肉抜きしたようなデザインになっています。くりぬいた5角形の部分を左右に分配して寛容性を増しています。
TC-101のバックフェースのフレームにはスリットがあり、これもCB-1008との共通点です。
ソールは、やや厚めでフェース側にはカットが入っています。このカットは、三浦技研のCBのラインで良く見られるデザインです。これまでですと、デントソールと呼ばれる特徴的なカットもありました。
フェースアングルはややグースでフェース長はそこまで長くありません。この個体に関しては、ブレード厚を薄くするカスタマイズをしていますので、通常よりもシャープな見た目になっています。
試打データ
フェード
ヘッドスピード | 45.1m/s |
ボールスピード | 56m/s |
平均キャリー | 169y |
平均トータル | 177y |
平均サイドスピン | 354rpmフェード |
平均バックスピン | 6628rpm |
平均打ち出し角 | 0.0° |
平均打ち上げ角 | 24.5° |
最大の高さ | 47y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | 5y |
三浦技研TC-101は、フェードもドローも打てるアイアンだと思います。なので、今回は打ち分けをした試打データを見ていきましょう。
緑が5番で、黄色が7番です。
ヘッドスピード | 47.4m/s |
ボールスピード | 59.9m/s |
平均キャリー | 192y |
平均トータル | 203y |
平均サイドスピン | 747rpmフェード |
平均バックスピン | 5478rpm |
平均打ち出し角 | 0.0° |
平均打ち上げ角 | 19.9° |
最大の高さ | 45y |
落下角度 | 51° |
左右ブレ | 16y |
まずフェードですが、弾道があまり高くならないのが特徴です。特に5番では低くて強い弾道です。飛距離はさすがにドローには劣りますが、決して悪くない結果だと思います。
美しい弾道フローです。
ドロー
ヘッドスピード | 45.3m/s |
ボールスピード | 56.6m/s |
平均キャリー | 173y |
平均トータル | 182y |
平均サイドスピン | 267rpmドロー |
平均バックスピン | 6200rpm |
平均打ち出し角 | -1.6° |
平均打ち上げ角 | 24.1° |
最大の高さ | 48y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | -10y |
ドローでは私が基準としているキャリー180y、スピン6000rpmに近い結果になっています。ツアーキャビティの名にふさわしく、飛びすぎることもありませんので、上級者でも納得の使い心地だと思います。
ヘッドスピード | 47.6m/s |
ボールスピード | 61.6m/s |
平均キャリー | 197y |
平均トータル | 208y |
平均サイドスピン | 285rpmドロー |
平均バックスピン | 5640rpm |
平均打ち出し角 | -0.7° |
平均打ち上げ角 | 19.3° |
最大の高さ | 47y |
落下角度 | 51° |
左右ブレ | 3y |
5番アイアンでも使いきれる難易度なのもポイントですね。さすがに5番でもドローするわけではありませんが、弾道はフェードよりも中央に近づきました。
こちらも美しくフローした弾道ですね。
三浦技研TC-101の良さ
一言でTC-101の良さを表現するのであれば、それは汎用性の高さだと思います。
これまで三浦技研が作ってきたモデルでは7番で34°というロフトが標準でした。それに対して、たった1°ではありますが、ストロングになったことで一気にターゲットユーザーが広がりました。
それは、TC-101の構造ももちろん貢献していると思います。バックフェースはこれまでのフルキャビティとハーフキャビティの丁度中間くらいにすることで、寛容性と打感を高次元で両立しています。
性能面で言えば、シャフトへの反応の良さも褒めるべきポイントだと考えています。今回私はこの記事並びにYouTubeの動画を作るにあたってプロジェクトX LZが装着されたものと、モーダス120Xが装着された2つの仕様を試打させてもらいました。
シャフトに対して、動きを邪魔することなく従順で、かといってシャフトの動きも助けてくれるような協調性を感じます。
データチャート
データチャートにしてみたら意外と突出した点が無いなと思ってしまいそうですが、ある意味総合力で価値を高めていると言えると思います。
特に他社の33°のアイアンと比較した時に優れているのはやはりやさしさでしょう。他のメーカーでは、33°は完全アスリート向けにしていますが、三浦技研はTC–101の上にMC-501とTB-ZERO、下にはCB-301やPI-401などがあり、極めて中間に位置するモデルです。
ですから、それだけやさしさに振ったデザイン、性能に出来るのでしょう。
総合評価
三浦技研TC-101アイアンは、本当に傑作だと思います。
しかもそれがまだ新品で購入可能であり、三浦技研のカスタマイズプログラムMCW対応というのは買わない選択肢を著しく狭めていることは間違いありません。
初めて三浦技研を使う人にも、これまで使ってきたミウラーの人たちにも納得してもらえる上質な製品だと思います。
おススメ度

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