分かりやすいラインナップに
タイトリストは同じモデル名を3世代くらい使うので、クラブの話をするときにやや面倒なんですよね。2023年モデルのネーミングはT100とT200が継続で、T100SがT150に、T300がT350になりました。T300はそのままでも良いと思いましたが何故かT350になりましたね。
これまでのT300はシンプルなポケットキャビティの打点裏に樹脂を配置したスタイルでした。T350アイアンになって最大の変更点としてはT200のようなキャップバックを採用したことです。
今回はタイトリストT350アイアンを試打データをもとに評価していきます。
タイトリストT350アイアンのデザイン
全体的なボリュームは前作よりも増えたかなという印象が強いです。
T300アイアンはグースが強いイメージはあるものの、ボディサイズが気になるほどではありませんでした。一方でT350アイアンはバックフェース、ブレード全てむっちりしています。
テカテカな仕上げでタイトリストらしさを感じます。このテカテカは別に好きじゃない。
構えてみるとT300感が残っていますね。ヘッドサイズは大きく、ロフトが立っているのも分かりやすいです。7番で29°なのでゼクシオXやステルスアイアンがライバル。
試打データ
タイトリストT350アイアン×N.S.PRO 880AMC
ヘッドスピード | 45.8m/s |
ボールスピード | 60.1m/s |
平均キャリー | 186y |
平均トータル | 196y |
平均サイドスピン | 143rpmドロー |
平均バックスピン | 5794rpm |
平均打ち出し角 | -1.2° |
平均打ち上げ角 | 23.8° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | -7y |
非常にストレートに違い方向性で、安定感抜群でした。キャリーは平均186yで、バックスピン量は約5800rpm。バランスに優れた試打データです。
打ち上げ角度は24°弱なので29°のロフトとしてはしっかり高さが出ていると思います。サイドスピンの少なさは弾道の画像を見れば分かると思います。
縦ブレ6y、横ブレ8yです。ストロングロフトでもしっかりスピンがかかるからこそ、キャリーが安定するということですね。
タイトリストT350アイアン×N.S.PRO 105T
ヘッドスピード | 46.0m/s |
ボールスピード | 60.6m/s |
平均キャリー | 187y |
平均トータル | 196y |
平均サイドスピン | 297rpmドロー |
平均バックスピン | 5872rpm |
平均打ち出し角 | -1.2° |
平均打ち上げ角 | 24.1° |
最大の高さ | 54y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | -10y |
少し重量がある105Tでもバックスピン量やキャリーに差は出ませんでした。まぁこれは良くも悪くもという感じです。シャフトを変えても反応が薄いということでもありますし、重くしても距離が落ちないとも言えます。
こちらは先ほどよりもドローが強くなりましたがそれでもバックスピン量のレベルは保っています。
キャリーの最高値も最低値も880AMCと同じでした。初速も打ち上げ角度も高さもほとんど同じです。T350アイアンは大きいヘッドですし、グースも強いですが捕まりが強いわけではありません。これは最近登場するようになった高慣性モーメントアイアンに見られる特徴。つまり安定性の証とも言えます。
タイトリストT350アイアンの良い点
- 安定性が高い
- 打点ミスに極めて強い
- 距離が出しやすい
- 飛びすぎない
タイトリストT350アイアンのイマイチな点
- シャフトを変えても反応なし
- デザインが厚ぼったい
T350アイアンの打感
T350アイアンは樹脂パーツを打点裏に仕込んでいるので柔らかめな打感にはなっています。ただ自然ではないので好みは分かれると思います。おそらく性能、特に飛距離性能を優先して選ぶと思うのでフィーリングは二の次に考えてください。
ただ打点を外して打っても初速が落ちにくく、ミスへの強さはピカイチです。
他社製品と比較
安定性が高い反面シャフトを変えても反応しないのでこれはシャフト依存度が低いアイアンということになります。

マトリックスチャートでは右側の真ん中あたり、222CB+の右です。
データチャート
安定性は高すぎるくらいで面白みに欠ける部分ではあります。ただこれは初心者中級者にはメリットになるのでそういう人が使うのには向いています。もちろんTシリーズのラインナップを見ればそれは一目瞭然なので納得感があります。
総合評価
T350アイアンは大型ヘッドらしさをしっかりと感じることが出来て、このクラスでもトップレベルの性能を誇ります。タイトリストにこのようなアマチュア向けモデルのイメージがないかもしれませんが、実はこれまでもかなりレベルが高かったのでそれを考えれば順当進化なのかもしれませんね。
おススメ度 (4.5 / 5)
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