T100Sが名称変更
タイトリストTシリーズはアマチュアからアスリートまでカバーするハイテクアイアンのラインです。ピュアなMBやCBはなく基本的には番手別重心設計のハイテクアイアンが多いです。
2023年モデルでは名称を刷新して、ややこしいT100とT100Sを明確に分けるためにT100SはT150になりました。ロフトは7番で32°のハーフキャビティアイアンです。
タイトリストT150アイアンのデザイン
デザインはT100とそっくりです。T150もT100も2023年モデルはモデル名が非常に小さくなり、シンプルで良いですね。
バックフェースの肉厚のところにT100Sにあったような1本のパーツが見えます。
基本的な形状はT100と同じです。ロフトが2°寝ている分ネック側のブレードの具合が違いますが、ぱっと見で分かるのはそれくらいです。気持ちトゥ側が分厚いかな?
T150アイアンも角度によって見え方が変わりますね。
試打データ
タイトリストT150アイアン×モーダス120S
ヘッドスピード | 46.8m/s |
ボールスピード | 59.5m/s |
平均キャリー | 176y |
平均トータル | 184y |
平均サイドスピン | 346rpmフェード |
平均バックスピン | 7135rpm |
平均打ち出し角 | -0.3° |
平均打ち上げ角 | 24.4° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 55° |
左右ブレ | 4y |
T150アイアンに標準で設定されるシャフトはモーダス120とモーダス105で、今回の試打ではモーダス120を打ちました。バックスピン量が良くかかっており、前作T100Sとは大きく特性が異なっていることがわかります。
しかも方向性はフェードで、同じシャフトを組んだT100とも弾道の違いが表れました。T150とT100はこれだけ見た目が似ているのに方向性が違うとなると内部構造はかなり差があると考えられます。
平均キャリーは32°としてはかなり控えめで180yを割ります。ただそれに付随するスピン量があるので総合的な判断では高評価に値する素晴らしい試打データだと思います。
タイトリストT150アイアン×ダイナミックゴールドS200
ヘッドスピード | 46.7m/s |
ボールスピード | 57.8m/s |
平均キャリー | 172y |
平均トータル | 180y |
平均サイドスピン | 164rpmドロー |
平均バックスピン | 7125rpm |
平均打ち出し角 | -1.0° |
平均打ち上げ角 | 24.0° |
最大の高さ | 50y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | -5y |
モーダス105がまだ配給されていなかったのでダイナミックゴールドでも打ってみました。流石にDGでは初速が落ちますがスピン量はほとんど同じレベルでかかっています。しかもバックスピンのブレ幅は180rpmほどしかなく安定しています。そのためキャリーもほとんど同じところに集まっているのはアスリートアイアンらしい特徴です。
方向性はストレートで、これもT100よりも少しだけ右に集まっています。T150は方向の出方が大型ヘッドの高慣性モーメントモデルに似ています。このヘッドのサイズ感でこのような結果が得られたのは初めてです。
T150アイアンの試打におけるDGとモーダス120の違いは弾道の高さです。これは私のマトリックスチャート通りなのでシャフトの性能を引き出していると言えます。
タイトリストT150アイアンの良い点
- 性能は申し分なし
- バックスピンが安定してキャリーが集まる
- スイートエリアの打感は良い
- デザインがかっこいい
- 標準シャフトの設定が鍵
タイトリストT150アイアンのイマイチな点
- 重いシャフトに向かない
- 万能というわけではない
T150はシャフト重量に注意
T150は32°のアスリートアイアンです。ある程度のレベルの人が使うことを想定して作られているはずです。ただその中にもT100との棲み分け的なものが存在すると私は感じました。
それはシャフトを入れ替えた時の反応です。
結論から言えば、T150に130g前後の最重量モデルのシャフトを入れるのはあまりおススメ出来ません。確かに試打データは良かったかもしれませんが、アレには裏があります。
DGではとにかくダフりました。シャフト重量を上げるとヘッドが通る位置が低くなって打点が上がります。マッスルバックならそれでメリットを引き出せますが重心設計をしたハイテクキャビティには逆効果でした。
でもそこはさすがタイトリスト。標準設定はモーダス120と105なんです。これは納得でした。なんで最近では珍しくモーダス120を設定したのかと疑問に思いましたが、そういうことだったんですね。
T150アイアンの打感
スイートエリアが広いアイアンというわけでもありませんが、打感はそこそこ良いです。
比較をすれば、T150アイアンよりもT100Sの方が打感が良かったです。先ほどのシャフト重量によって打点がかなり変わるので打感でセッティングを出すのもアリです。
他社製品と比較
スピン性能的には7000rpmクラスで、シャフト依存度は重量に対してのみなのでそこまで高くないかと思います。特にモーダス120でフェードするくらいなので、マトリックスチャートでは三浦技研MB5005のあたりに来ると思います。

シャフト重量だけ気を使えば幅広いセッティングが可能です。
データチャート
T150アイアンもT100同様、安定性とスピン性能で満点の高評価です。中重量シャフトで美味しさを引き出せるので、やさしさも上がりました。ただロフトに対する飛距離性能は良くないのでそこは低めの評価です。
総合評価
タイトリストT150アイアンはバランスの取れたモデルだと思います。T100SよりもT100との差別化が目立ち、存在感が増したように思います。
タイトリストのアイアンは本当に性能が高いですし、デザインも年々洗練されているように感じられるので買わない理由が見つかりません。もっとレベルアップしたい人の強い味方になってくれること間違いなし。
おススメ度 (4.5 / 5)
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