アイアン型ユーティリティ
テーラーメイドのアイアン型ユーティリティは2種類あります。今回紹介するステルスDHYとステルスUDIです。UDIは元々P790系などツアープリファードシリーズの流れを汲むアイアンのユーティリティバージョン。
ステルスDHYはドライビングハイブリッドの略で、ドライビングアイアン(=アイアン型ユーティリティ)とは少し違うということをアピールしたネーミングです。確かに、形状を見るとアイアン型とハイブリッドの中間くらいなので納得ではあります。
この記事では、ステルスDHYを試打データをもとに評価していきます。
ステルスDHYのデザイン
ステルスDHYはバックフェースが分厚いですが、ごちゃごちゃした凹凸は少ないのでシンプルに見えるかもしれません。前作のSIM2DHYとそっくりなデザインです。
断面はこんな風になっていて、分厚いバックフェースと分厚いブレードが見えます。
ソールが広くなることで芝へのコンタクトがシビアになりすぎず寛容に、重心位置的にもアイアン型ユーティリティよりも球が上がりやすくなります。
ステルスDHYとステルスUDIの違いとしては、フェースのオフセット量だと思います。ストレートに近いUDIに対して、ステルスDHYはグースネックです。
ブレードの分厚さは相当なものですし、バックフェースの張り出しも大きいので構えるとみえます。
ステルスDHYは19°、22°、25°の三番手ありますが、22°でソールが見えてしまいますのでそこを気にしない人向け。25°はまだ見ていないので分かりませんが期待もしていません。
試打データ
ヘッドスピード | 50.6m/s |
ボールスピード | 64.0m/s |
平均キャリー | 228y |
平均トータル | 244y |
平均サイドスピン | 97rpmフェード |
平均バックスピン | 3507rpm |
平均打ち出し角 | 1.5° |
平均打ち上げ角 | 18° |
最大の高さ | 45y |
落下角度 | 47° |
左右ブレ | 9y |
バックスピンが少なくなりやすいアイアン型ユーティリティとしてはスピンも確保出来ていると思います。バックスピン量のボリュームゾーンは4000rpmくらいでした。
ステルスDHYは基本的にはフェードが打ちやすいです。サイズの大きいアイアン型ユーティリティはこういう方向性にすることが多いですね。引っ掛けたくない人には朗報でしょう。
流石に弾道の高さまで揃えることは出来ませんでしたが、キャリーが思ったよりも揃っているのが高評価。形に対する安定性は高いと思います。
22°ではキャリー220y飛べば飛距離性能に問題はありませんが、ステルスDHYは大きく上回る228y、最高キャリーは232yでした。平均から乖離していない距離のばらつきは褒めたいです。
ステルスDHYのフィーリング
この手のクラブは打感が悪いですが、ステルスDHYも打感は悪いです。一応、P790に採用されているスピードフォームエアーという充填剤を入れてありますが、まぁほぼ意味ないんじゃないかというくらい打感はチープ。
このフェース形状も結構重要。フェースの高さが低いので私のように高い打点で打つ人は手が痺れます。あくまで、ターゲットの違いだと思うのでこの特徴を踏まえるとステルスDHYは案外初級者〜中級者向けに作っているのだと思います。
まぁ確かにそれを考えると、上級者が好まないこの形状も問題にならないと判断したと納得できます。
ステルスDHYはこんなクラブ
- フェード系
- 打点は低い方が良い
- 打感は悪い
- 弾道の高さはそこそこ出る
- 飛びすぎることは少ない
- キャリーが安定
- 初級者〜中級者向け
データチャート
評価をしてみると、そんなにグラフが大きくなりませんでした。感触的に楽しいクラブではないのと、性能的な優位性を再現しやすいかという疑問が残ります。ステルスDHYの試打データをみる限りは悪くなさそうな感じはしたかもしれませんが、誰にメリットがあるのかが分かりません。初級者〜中級者向けの特性と言いましたが、ハイブリッドほど簡単でもないので微妙なんです。上級者が使うには打点設計に違和感があるし、初級者が使うには簡単ではないのとフェードバイアスである必要がないのではないかという考えが浮かんでしまいます。
総合評価
ステルスDHYはアイアン型ユーティリティと分類するにはちょっと無理があるくらい独特です。まさにアイアン型ユーティリティとハイブリッドのハイブリッドです。ですから、必ず試打をしてください。試打をすれば多分分かるくらい性格ははっきりしています。
おススメ度 (3.5 / 5)








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