Z785はスリクソンの中上級者モデル。ドライバーからアイアンまで全て統一のモデルをそろえています。男女ともにツアープロが使用するので、決してやさしいクラブではありませんが、バランスの取れた良いクラブです。
今日紹介するのはスリソンZ785のアイアンセット。
7番アイアンで32°、今回試打したのはモーダス120Sシャフト。やや重いですが、シャフトはN.S.950DSTも選べますので、重量の幅はかなり広いです。
ちなみに、DSTはデュアル・スピード・テクノロジーの略で、ヘッドスピードとボールスピードをあげるために手元よりに重心をおいたモデルのことです。これによりクラブ全体の慣性モーメントが小さくなり、振りやすくなります。
また、それに伴いヘッド重量が少し重くしてあります。こちらは、ボールにヒットした際により高いエネルギーを伝えることでボールスピードが上がる設計でしょう。
ただ、DSTはある程度振れる人をターゲットにしていますので、少し注意してください。モーダス120やダイナミックゴールドS200などは中元や元調子なので、950DSTの位置づけはそれらの重量違いといったところでしょうか。
では早速レビューしていきましょう。
試打データ
ヘッドスピード | 45.2m/s |
平均キャリー | 172y |
平均トータル | 180y |
平均サイドスピン | 335rpmフェード |
平均バックスピン | 7766rpm |
平均打ち出し角 | -0.5 |
平均打ち上げ角 | 20.3 |
左右ブレ | 3y |
試打しているときは結構うまく打てている感触がありましたが、数字を見ると全然飛距離が出ていないことに驚きました。
やはり上級者向けか
重量、度数を考えるとあまり飛んでいないことが分かります。自分が今使っているアイアンは重量がほとんど同じでロフト34°ですが、もう少し飛びます。
ただ、それに関係してスピン量はかなり優秀です。これは逆に度数のわりに多いです。しかも、落下角ども常に50°を超えていたのも魅力的です。このバックスピン量と落下角度なら、3番アイアンでもグリーンでびしっと止まりそうです。
面白いのが、打ち上げ角度です。この手のアイアンは打ち上げ角度が揃いやすいので、それは驚きませんが、打ち上げ角度が少し小さいのが興味深いです。
それでいて大きい落下角度ということは、いかにバックスピンで球が上がっているかが分かるかと思います。
フェードのイメージ
サイドスピンはフェード。油断するとサイドスピン量が増えますが、ヘッドの重さもありほとんどブレません。これは不思議なデータですね。
左右ブレは平均すると右に3y。縦のブレも7yなのは好印象ですね。
マイナスポイント
打感が思ったよりも良くなかったことです。キャビティバックのアイアンはマッスルバック程打点にシビアではないのでずっと気持ちよく打てるクラブが多いのですが、Z785は微妙です。Z585の方が良かったですね。
ですが、改めて考察しているとそこまでデメリットは多くありません。私は三浦技研のアイアンを使っているので、一般に出回っているアイアンは相対的に打感が悪く感じてしまいます。
この辺りはやはりご自分で確認していただくしかありませんね(笑)
データチャート
飛距離は低めの評価ですが、スピン量は満点です。さらに、安定性も高評価。
サイドスピンが増えてもグリーンを外さないくらいの幅に収まりますし、縦のブレもかなりすくないです。
総評
ヘッドスピードがドライバーで45m/sを超える人向けかなと思いました。950DSTなら42m/sくらいでも十分打てるでしょう。それ以下の方はZ585をおススメします。
易しいクラブとは言い難いので、念入りにフィッティングした方が良いです。うまくはまればグリーンを外さない強力な武器になることは間違いありません。
おススメ度
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