一新されたシリーズのポジション
ヤマハのアイアンはこらまでRMX100系と200系にツアーモデルという位置付けでした。2021年モデルでは、RMX VDシリーズになってアイアンのラインナップもやや整理されたようです。
これまでの200系は超大型ヘッドになり、100系の後継はロフトが32°になりました。前作では31°だったので、ロフトが寝たことになります。
素材はクロモリで、構造はポケキャビなのでその辺りは変更なし。それではデザインから見ていきましょう。
RMX VDアイアンのデザイン
バックフェースは謎のモザイク調?になっています。前作まではバッジを貼り付けたようなデザインでしたが、VDアイアンは単色になっています。
ヤマハのホームページには「超小ぶりアイアン」とありますが、そこまでではありません。確かにRMX120よりは小さくなっているとは思いますが、VDアイアンよりさらに小ぶりなツアーモデルがあるので、小さすぎて難しそうと思うほどではありませんね。
ブレード厚がやや薄くて、シャープな印象を持ちます。ブレード厚だけで言えばツアーモデルとあまり変わらないくらい。
ソール形状は少し特徴的で、トゥ側に肉厚があります。これもVDアイアンになっての変更点で、RMX120ではなかった形状。
ソールの形状はこれまた面白くて、フェース側のカットに加えて、トゥ側の肉厚部分の肩も落としてあるので実質有効なソール厚はかなり細くなっているのではないでしょうか。すごくメッセージ性のある工夫されたソールだと思いました。
試打データ
ヘッドスピード | 46.3m/s |
ボールスピード | 60.3m/s |
平均キャリー | 193y |
平均トータル | 204y |
平均サイドスピン | 294rpmフェード |
平均バックスピン | 5304rpm |
平均打ち出し角 | -1.6° |
平均打ち上げ角 | 22.1° |
最大の高さ | 50y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | 1y |
32°としてはかなり飛びます。シャフトはモーダス105でしたが、方向性はフェード。安定感は相変わらず素晴らしくて、VDアイアンも曲がりに強いアイアンであることは間違い無いでしょう。
縦距離のブレはたった1yで左右ブレも10yくらいなので非常に優秀な方向性。
ロフトに対して、初速が出ているのはやはりクロモリ素材の恩恵でしょうか。同日計測したツアーモデルは、VDアイアンよりも低い打ち出しだったにもかかわらず初速は1m/s劣っています。
揃い方のレベルが高いです。これよりもさらに慣性モーメントを高めたVD40アイアンが存在するのですが、必要ないくらいVDアイアンも安定感があります。
VDアイアンのフィーリング
どんなに頑張ってもクロモリはクロモリ。VDアイアンの打感は前作とそこまで違いを感じられるものではありませんでした。
ただ、良くなった部分もあって、それは音です。フェース裏のバッジには響きをコントロールする役割もあるのですが、よく働いていると感じました。気持ち良いとまでは言えませんが、打っていて不快ではありません。
ただ、このギラギラなのはどうなのかなと(笑)
ネットで見る画像よりもはるかに光り輝いているので実際に見てみてください。
データチャート
飛距離は申し分ないでしょう。安定性も最高評価です。ただ、スピン量に関しては、もう少し欲しいかなと思います。32°のロフトで探している人が飛距離だけで満足するとは考えにくいですから、スピン量はあと500rpmほど欲しかったです。
総合評価
前作の性能を評価していましたが、VDアイアンはそれを飛距離に少し偏った味付けにしたような感じです。
今RMX120を使っているのであればわざわざ買い換えるほどではないと思います。ですが、製品としては良いのでおすすめは出来ます。相変わらず低価格なので6本セットでも10万円くらいで買えますからそれも魅力的かもしれませんね。
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