ZX5のライバル?
PRGR02アイアンは、7番のロフト30°のアベレージヒッター向けのモデルです。構造もコンセプトもスリクソンZX5に似た特徴が多いです。
国産ブランドのこの部類は需要がある上に海外ブランドと比べて相対的に安くなっているので売れそうです。今回は、そんなPRGR02アイアンの2023年モデルを試打評価していきます。
PRGR02アイアンのデザイン
バックフェースは01アイアンとも似ていますが、バッジが貼られていておそらく振動や音を制御しているのでしょう。
PRGR02アイアンは軟鉄(S20C)で、フェースがクロモリです。クロモリフェースはヤマハが先駆的に採用していましたが、他のブランドでも最近増えてきましたね。
ソールはやや厚めですが、ネックはそこまで短くないと思います。
断面はこんな風になっています。ブレード部分にかけて少し太くなって重心設計しています。
PRGR02アイアンは、01アイアンにはなかったこれまで通りの“PRGRらしさ”が残っている面構えです。少しグースして、フェースはネック側から少し高くなっています。
ブレードは普通の厚さです。
PRGR02アイアンのスペック
番手は4番から設定されており、PWで44°です。ロフト30°のアイアンとしては無難なロフト体系と言えます。
標準シャフトとして設定されているのは、カーボンシャフトと、スペックスチールⅢver.2、それに加えてモーダス105と115が選べます。
試打データ
PRGR02アイアン7番×スペックスチールⅢver.2 M43
ヘッドスピード | 48.8m/s |
ボールスピード | 59.0m/s |
平均キャリー | 187y |
平均トータル | 197y |
平均サイドスピン | 435rpmドロー |
平均バックスピン | 5301rpm |
平均打ち出し角 | -0.9° |
平均打ち上げ角 | 23.5° |
最大の高さ | 50y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | -12y |
ロフト30°のアイアンは性能が多用ですが、PRGR02アイアンはやや飛びに偏っていると思います。飛距離が出しやすいアイアンだと私は考えています。
方向はしっかりとしたドローで、安定性は高いです。やや癖がある振り心地ですが、慣れればこのヘッドの大きさを活かせるでしょう。
バックスピン量は5300rpmほどで、そこまでかかるわけではありません。ただ、この試打データは純正スチールなので、モーダス115にすれば6000rpmは超えると思います。方向性ももう少しストレートに近づくかなと。
弾道の高さはスピンなりでそこまで高弾道でもありません。
PRGR02アイアン5番×スペックスチールⅢver.2 M43
ヘッドスピード | 49.3m/s |
ボールスピード | 64.0m/s |
平均キャリー | 215y |
平均トータル | 229y |
平均サイドスピン | 414rpmドロー |
平均バックスピン | 4384rpm |
平均打ち出し角 | -0.1° |
平均打ち上げ角 | 20.2° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 52° |
左右ブレ | -13y |
5番アイアンはやたら飛びます。最近のアイアンは5番が飛びすぎる問題があるのでやや残念ですが、スピン量などのバランスは良いです。単純に初速が一気に上がって飛距離が出ているという感じでしょうか。感触的には、5番の方が7番よりも芯に当たっていました。
方向性は7番とほとんど変わらず、これは評価したいですね。飛距離のギャップ以外は悪くないです。しかも、PRGR02アイアンはキャリーが安定していて、5番で2yの縦ぶれに収まっています。
こうして見ると7番がもっと飛んでも良かったのかもしれません。
PRGR02アイアンの良い点
- 安定性が高い
- ロングアイアンまで使える
- 方向性の番手間の整合性が取れている
- シャフトの選択肢が多い
PRGR02アイアンのイマイチな点
- 打感が悪い
- 飛距離のギャップが大きい
PRGR02アイアンの良さの源泉
平均試打データでは出していませんが、PRGR02アイアンはこの手のモデルの中ではダウンブローに入りやすかったです。
意識に対して自然に反応するというのもあるし、単純に強めのダウンブローで入っているというのもあると思います。これによってロフトが立ちやすくなっているため飛距離が出るのかなと思いました。ただ、このフェースの立ち具合が番手によって違うので距離のギャップが生まれたとも言えますからその辺りをセッティングで解決しておく必要がありそうです。
PRGR02アイアンの打感
厳密に言うと打感は普通なのですが、打感が良いエリアに入りにくいです。
PRGR02アイアンはクロモリフェースの独特なパスパスした音が出ますが、バックフェースのバッジで変に響いてしまっている感は否めません。まぁこれはセンターヒットし続ければ気にならないのですが7番では難しかったです。特にトップとヒールが出やすかったです。
HPには打点をよりセンターに近づけたとありますが、センターだから正義とかいう単純なものではないと痛感しました。結局、シャフトやライ角、形状なんかとの組み合わせで引き出されるのだと思います。
データチャート
飛距離性能は高い方ですがギャップがあるのでやや減点。安定性は高いです。バックスピン量が安定してキャリーもまとまります。コスパも悪くないと思います。
総合評価
PRGR02アイアンは魅力こそ少ないですが、無難な仕上がりだと思います。クロモリの打感がもう少し強調されればもっと楽しいクラブになると思います。純正のスペックスチールはあまり良い選択肢だとは思わないのでモーダス115あたりがおススメ。
おススメ度 (3.5 / 5)
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