平均点が高いブランド
PRGRはドライバーで高評価を与えていますし、アイアンも中々絶妙なクラブを作っています。今回特集するのはPRGRのアイアンのフラックシップである01アイアンです。
PRGRはRS、RS FORGEDの後継として01、02シリーズを展開してきましたが、それの最新作ということになります。この記事ではPRGR01アイアンの7番と5番の試打データを計測して評価していきます。
PRGR01アイアンのデザイン
PRGR01アイアンは軟鉄鍛造のキャビティバックアイアンです。素材はS20Cなので一応良さそうな素材選択です。
7番のロフトは32°です。PWが46°なのでライバルはZX7Mk2やブリヂストン221CBあたりだと思います。
特徴的なデザインとしてはソールのフェース側の削りです。三浦技研のデントソールみたいに丸く削られています。
PRGR01アイアンは全体的にシャープでカクカクしたデザインになっています。中々かっこいいですよね。
ブレードもこの通り綺麗です。
構えてみると、これまでのPRGRのネック側の膨らみは控えめになった印象です。構えた瞬間にPRGRを感じることが出来なくなってしまってやや寂しいです。まぁかっこいいから許しますけどね。
試打データ
PRGR01アイアン7番(32°)×モーダス105S
ヘッドスピード | 46.7m/s |
ボールスピード | 57.6m/s |
平均キャリー | 175y |
平均トータル | 184y |
平均サイドスピン | 178rpmフェード |
平均バックスピン | 6131rpm |
平均打ち出し角 | 1.2° |
平均打ち上げ角 | 25.1° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | 7y |
7番32°のアイアンとしては、どちらかというとスピン重視な試打データに見えます。ただ、初速があまり出ていなくて、スピンの割には距離が出ていないという感じも否めません。
方向性はモーダス105としては珍しくストレートからフェードになりました。PRGR01アイアンはヘッドサイズが特別大きいわけでもありませんし、慣性モーメントを意識して作られているわけでもないと思うので意外な結果でした。
揃った美しい弾道ですね。縦距離のブレは3yなのでこのあたりがアスリートモデルと呼称する所以なのでしょう。
PRGR01アイアン5番(25°)×モーダス105S
ヘッドスピード | 50.4m/s |
ボールスピード | 63.1m/s |
平均キャリー | 209y |
平均トータル | 221y |
平均サイドスピン | 702rpmドロー |
平均バックスピン | 4759rpm |
平均打ち出し角 | -0.8° |
平均打ち上げ角 | 18.9° |
最大の高さ | 47y |
落下角度 | 51° |
左右ブレ | -22y |
5番アイアンになると印象はガラッと変わって、突然飛び始めます。正直7番のロフトが32°のモデルでこの距離のギャップはあまりよろしくありません。
方向性もはっきりとドローしており、安定性は高いですが、今までによくあるアイアンとは番手ごとの性格が異なっているので慣れが必要だと思います。
バックスピン量はちょうど良くかかっています。PRGR01アイアンは結局ドローで打つべきなのか、フェードで打つべきなのか最後まで分かりませんでした。
PRGR01アイアンの良い点
- スピン量が適度にかかる
- 方向が安定する
- 縦距離も安定する
- デザインがかっこいい
- 打感が良い
PRGR01アイアンのイマイチな点
- 番手ごとの設計にギャップがある
- 初速が出にくく距離感が分かりにくい
- 打感が良いエリアは狭い
PRGR01アイアンの打感
見るからに打感の良さそうな形をしていますし、珍しくS20Cを使用しています。
実際、打感は良い部類に入ると思いますが、同ロフトならZX7Mk2の方が良いです。PRGR01アイアンの打感がZX7Mk2に負けるのは、単純に打感が良いエリアの広さと、そこに導いてくれるかどうかという理由です。
ZX7Mk2アイアンは何も考えなくてもセンターヒットするので常に打感が良いですが、PRGR01アイアンは少し気を使ってあげる必要があります。慣れれば問題ないと思いますが、私のようなヒールヒッターならZX7Mk2の方が良いと感じるでしょう。
5番アイアンをどう考えるか
PRGR01アイアンは、5番アイアンがかなり飛んでいる印象が強いです。
実際に屋外の練習場で打っても5番はよく伸びます。7番が飛んでいないと感じるわけではないので、やはり5番の方がちょっと変なのではないかと私は考えています。
明確に感じるのは5番をやさしくしようとしているということ。「こうすれば楽でしょ」みたいな打つ人を舐めた設計なので、上級者には鬱陶しく感じることでしょう。アスリートモデルと自称するのであれば、もっと打つ人を選んでも構わないと思うのですが、それでは売れないでしょうからもどかしいところです。
なんとなく、打つ人にお伺いを立てている自信なさげなアイアンに思えてなりません。
データチャート
7番だけで評価したら、高評価になっていたかもしれません。7番だけを打っていれば、打点の癖やセンターヒットのしにくさなど気になる点は少ないです。ただ、5番を打ってしまうと、疑問符が増えます。幸い6番までのセットなので5番を入れなければ良いだけですから、安心してください。
総合評価
PRGR01アイアンはロフト的に有利なモデルなので評価はやや高いです。
それでもライバルたちが優秀なだけに最高評価を与えるほど光るものがあるとも言えません。相対的にはなってしまいますが、この性能なのであればもっとフィーリングが良いアイアンはいくらでもあるというのが結論です。
おススメ度 (3.5 / 5)
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