軽量で低ロフトの飛びアイアン
今回試打したのはPRGR RS REDのアイアンです。試打クラブがカーボンシャフトのRフレックスしかなかったので、ライバルはテーラーメイドのMグローレとホンマの747Pでしょう。
7番でのロフトは27°、総重量351g、シャフトトルク3.8です。Mグローレは軽くて硬いシャフトだったのでトルクは2.8とかですが、こちらは非常にしなやかなシャフトです。
また、ドライバー同様にキックポイントは元調子にしてあります。
さっそく試打データから見ていきましょう。
試打データ
ヘッドスピード | 48.2m/s |
平均キャリー | 194y |
平均トータル | 203y |
平均サイドスピン | 413rpmフェード |
平均バックスピン | 7192rpm |
平均打ち出し角 | 0.6 |
平均打ち上げ角 | 18.8 |
左右ブレ | 9y |
ライバルであるMグローレと比較するとキャリーの飛距離で5yほど劣っていますが、客観的に見て優秀だと思います。
そして、意外だったのが方向性です。打ち出しは1°を切る低い数字で推移しながらフェード回転です。正直、Mグローレより軽量である以上いくら元調子でもフェードは珍しいです。
しかも、200rpmから500rpmくらい安定してかかっています。
平均値なので分かりにくいのですが、球の集まり方が素晴らしかったです。縦1y、横3yの幅に収まっていて、ブレは無いものとみなしても良いと思います。
さらに、バックスピンも平均で7200rpmと超高スピン。飛距離がMグローレに劣っているとは言え、これだけのスピンとフェード回転なら性能は非常に高いと言えます。
落下角は驚異の53°。やはりカーボンシャフトのアイアンは弾道の最高到達地点が落下地点側に寄るので落下角を大きくするのは簡単なようです。
意外と使いやすい?!
思ってもみなかった高スピンに驚きましたが、REDのアイアンは案外使いやすいのではないかと思います。
REDでフルセットを組むだけでなく、単品のアイアンとして入れてみるのも中々乙です。5番アイアンまでの設定ですが、5番のロフトは23°で単品購入可能です。
ハイブリッドが苦手でアイアンを4番まで入れたいけど、4番は確率が悪いという方や、ハイブリッドでは距離が出てもグリーンを狙えるほどの精度やスピン量にならないという方にピッタリです。
特徴的な打感
フェース形状は下側が丸みを帯びた形で、フェースの高さは低めです。
打感は、やや柔らかめで、スイートエリアに当たると芯のある重い感触です。ゼクシオのアイアンと似たような打感です。
一方で、音は低く、乾いた打音。こちらはMグローレに酷似しています。REDのアイアンとMグローレのアイアンは構造的に似ていても素材は全く違います。
REDはステンレスのボディにチタンフェースを組み合わせています。これが高スピンの原因なのでしょうか。
データチャート
性能面はおおむね満点の評価を付けました。飛距離が9点なのは度数に対しての評価だからです。スピンとの両立を考えたら非常に稀有なアイアンだと思います。
さらに、カーボンシャフトは元調子でハードヒッターでも使えないことは無いと思います。
総評
総合的に見て、高性能なアイアンであることは確信しています。
見た目に反してスピンも落下角も高い数字を示しています。アイアンセットとして入れることは考えにくいものの、ヘッドスピードが速くない人なら候補に入れて頂きたいです。
また、アイアンとウッドの間に入れるクラブを迷っている方も23°の5番アイアンを検討してみるのもアリです。
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