グースが定番
キャロウェイのアイアンは強めのグースが定番でした。上級者モデルであっても案外グースしているので独特なデザインに感じます。
ドライバーと同じネーミングで販売するモデルということでは、テーラーメイドと同じスタイルを取っていますが、キャロウェイの方がモデル数が多い傾向にあります。パラダイムシリーズのアイアンはパラダイムとパラダイムX、パラダイムMAX FASTの三種類です。
今回はパラダイムアイアンを試打評価していきます。


パラダイムアイアンのデザイン
パラダイムアイアンのデザインはこれまでと比べて飛躍的にシンプルになった印象です。
バックフェースのトゥ側にはタングステンが埋め込まれており、安定性を狙った構造になっています。
構えてみるとそこまでグースは強くなく、ヘッドも締まって見えます。サイズ感で言えば同じロフトの他のモデルよりもやや小さめだと思います。
ブレード部分はこんな感じです。分厚くはありませんがシャープとも言えないくらいの形です。
断面はストレートでソールは厚めです。テカテカの仕上げですね。
ネックにはよくわからないことが書いてあります。
試打データ
パラダイムアイアン7番(29°)×純正カーボン
ヘッドスピード | 48.9m/s |
ボールスピード | 61.2m/s |
平均キャリー | 198y |
平均トータル | 210y |
平均サイドスピン | 240rpmドロー |
平均バックスピン | 4941rpm |
平均打ち出し角 | -0.0° |
平均打ち上げ角 | 22.5° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | -6y |
カーボンシャフトはドライバーと同じスピーダーのデザインです。平均キャリーは200yに迫るほどで、スピン量は5000rpm弱とそこまで悪くありません。方向性は左で、弱いドローが出ます。
初速性能が高いので飛距離はよく出ています。それに対して曲がり幅は大きくもなく安定性の高いアイアンという印象でした。
弾道は高いですが、打ち上げ角度は小さいです。これが初速にも貢献しているとも考えられます。
パラダイムアイアン7番(29°)×N.S.PRO950GH neo
ヘッドスピード | 47.1m/s |
ボールスピード | 61.4m/s |
平均キャリー | 194y |
平均トータル | 205y |
平均サイドスピン | 310rpmドロー |
平均バックスピン | 5355rpm |
平均打ち出し角 | -0.1° |
平均打ち上げ角 | 23.0° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | -8y |
パラダイムアイアンはスチールシャフトでも高い初速を示しました。平均キャリーは少し落ちましたが、バックスピン量は増えてより実用的な試打データになったと言えそうです。
方向性もほとんど変わりませんが、スチールシャフトの方が引っ掛けや打点のばらつきが大きくなったように思います。
ただ慣れた時の安定性は捨て難いものがあります。
パラダイムアイアンの良い点
- 安定性が出しやすい
- 初速性能が非常に高い
- 形状がシンプルで綺麗
パラダイムアイアンのイマイチな点
- 打感が悪い
- スチールでは引っ掛けが出る
パラダイムアイアンは
パラダイムアイアンは打点がずれた時の打感の悪さが凄まじいです。しかし、弾道は良いのでなんとももどかしい感情を抱きます。
本来アイアンはこういう反応が正しいのか、本来アイアンはこうあるべきなのか。打点は特にトゥ側になりやすく手が痛くなるようなパチンという音がします。
パラダイムアイアンのセッティングのポイント
パラダイムアイアンはシャフト依存度がやや高いシャフトだと思います。安定性は出せますが、シャフトの反応がそれを上回るように思います。
カスタムをしてまでその安定性を引き出す必要があるかは分かりませんが、シャフトを変える効果はあるので気に入ったのであれば選択肢に入れてみてください。

入れるとすればスチールなら柔らかくてフェードが出しやすいモデルが良いでしょう。島田のK’s NINEなどです。
データチャート
飛距離はロフトに対してよく出ていると思います。安定性も悪くないので高評価しました。一方でスピン量はお世辞にも高評価とはいかないものの全体としては悪くなさそうなデータチャートです。
総合評価
パラダイムアイアンはシンプルになったデザインに、7番29°のややストロングなロフトの中にできる限り安定性を演出したアイアンです。
総合して評価するならば「面白みや楽しさがなく極めて無機質な性能を持ったつまらないアイアン」です。データチャートや試打データを見る限りは高評価かと思うかもしれませんが、どちらかというと低評価です。
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