年々進化するP790
中空に充填剤を入れたアイアンのパイオニアであるP790は常に時代の先を行くモデルです。2023年モデルは番手ごとの重心設計をさらに煮詰めたのがトピックです。
これまでのP790アイアンと比較をしながらどの点が優れているのかを評価して行きたいと思います。
P790アイアン(2023)のデザイン
前作のP790でも十分シンプルでしたが、2023年モデルはさらに洗練されたように思います。
モデル名が小さく表記されるのみで、ブラッシュドスチール仕上げがかっこいいです。
ソールにはスピードポケットがあります。スムージングされていてスッキリしています。
ブレードはやや薄めでこれもかっこよさの一因です。P790アイアンはどの角度から見てもかっこいいです。
構えると確かにこれはP790って感じです。少しだけオフセットされたフェースですが、フェース長は短いのでかっこいいんですよね。
試打データ
P790アイアン(2023)×モーダス105S
ヘッドスピード | 46.2m/s |
ボールスピード | 59.0m/s |
平均キャリー | 184y |
平均トータル | 195y |
平均サイドスピン | 194rpmドロー |
平均バックスピン | 5621rpm |
平均打ち出し角 | -1.2° |
平均打ち上げ角 | 23.7° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 51° |
左右ブレ | -8y |
モーダス105はドローで中スピンのシャフトなのでシャフト通りの結果になりました。P790の特にこの2023年モデルはシャフトに対する反応がこれまでのモデルよりもさらに良いと思います。
綺麗な弾道で、安定感があります。P790アイアンはこれまでも6000rpm前後でキャリー180yを達成していたので相変わらずのバランスの良さです。
弾道の高さはそこまで顕著ではなく、ロフトなりだと思います。7番のロフト30.5°となると、すでに発売しているT200アイアンと完全に一致します。P790の方が少しスピン性能で劣るかなといった感じです。
P790アイアン(2023)×ダイナミックゴールドS200
ヘッドスピード | 49.3m/s |
ボールスピード | 59.1m/s |
平均キャリー | 179y |
平均トータル | 188y |
平均サイドスピン | 609rpmフェード |
平均バックスピン | 6333rpm |
平均打ち出し角 | 0.5° |
平均打ち上げ角 | 24.4° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | 12y |
ダイナミックゴールドで久々にフェードした気がします。私の評価ではDGはどちらかというとフェードバイアスなのでこれもシャフト通りの結果になりました。やはり2023年モデルはこれまでよりもシャフトに依存するモデルになったと感じますね。
フェードでも初速は維持されていて、バックスピンがよくかかるのでスピン重視ならDGなどのフェードしやすいモデルが良いでしょう。例えばモーダス115などもこのような弾道になると考えられます。
P790アイアン(2023)の良い点
- スピン性能がちょうど良い
- 距離が出しやすい
- シャープなデザイン
- シャフトを変えたら素直に反応する
P790アイアン(2023)のイマイチな点
- 前作よりも打感は不純
- 若干難しくなった
P790アイアンの改悪された打感
私は正直全然許せると思っていますが、打感は2021年モデルが良かっただけに2023年モデルが劣っていると感じてしまいました。
2023年モデルのP790アイアンは全体的には柔らかさが減って、ミスヒットした時のビリビリ感が増えたと思います。
他社製品と比較
2023年モデルのP790アイアンは2021年モデルの真左に当たると思います。

シャフト依存度が高いのでこの手の中空としてはある意味異質です。これまでになかった反応の良さはこのアイアンを特徴づける要素でしょう。
データチャート
全体的なバランスは良いです。ただ歴代のP790の中では通な仕様になったので価値は分かりにくくなったように思います。初速は59m/sですし、スピンも6500rpmを超えることはないので距離は出しやすいです。
総合評価
常に先進性を持ったアイアンとして存在感を示していたP790の最新版は逆に過去に回帰したと私は思いました。シャフトに対する反応の良さはすごく評価しています。ただ、それゆえに難易度が上下しやすいという点も明確にしておきます。ただ今作は標準シャフト(試打クラブがある)でN.S.PRO950GHネオや限定のMCIなんかもあるので選択肢の多さは魅力ですね。何よりかっこいいのでそれがP790の最大のメリットです。
おススメ度 (3.5 / 5)
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