ハイテクアイアンの極致
テーラーメイドのPシリーズアイアンは、ドライバーから独立したラインナップで高性能なモデルばかり。特に前作で言えばP760とP790は中空充填剤というハイテクアイアンでした。
今作、同時に発売されるモデルとしてはマッスルバックのP7MB、キャビティバックのP7MC、そして今回レビューするP770です。P770の770はフェース長を表していて、P760よりやや大きくなった寛容なヘッド、テクノロジー的にはレベルが高いためどのメーカーも取り入れているわけではありません。
ロフトは7番で33°とこの手のアイアンとしては寝ています。これこそがP770アイアンの価値になっていきそうですね。
試打データ
ヘッドスピード | 48.5m/s |
ボールスピード | 59.4m/s |
平均キャリー | 179y |
平均トータル | 188y |
平均サイドスピン | 165rpmドロー |
平均バックスピン | 6184rpm |
平均打ち出し角 | 1.2° |
平均打ち上げ角 | 25.9° |
最大の高さ | 55y |
落下角度 | 55° |
左右ブレ | 0y |
私が求めるバックスピン量、飛距離、方向性だと思います。P770アイアン(2020)は、面白いアイアンで、左右の打ち分けを非常にしやすいヘッドの動きをします。
この試打データでは、フェードとドローとちらも計測しているので、それぞれのデータの特徴を述べていきたいと思います。
まず、ドローですが、バックスピン量が5700rpmとやや少なめではあるものの、キャリー184yなので十分といって良いでしょう。サイドスピンは500rpm前後を推移し、曲がり幅は10y。打ち出し角はやや右のドローボールです。
一方で、フェードの場合、バックスピン量は6400prm、平均キャリー176yとスピン寄り。弾道の高さは56yと、ドローよりもさらに高弾道。打ち上げ角度も26°を超えますので硬いグリーンでもピンを狙う攻め方が出来そうです。曲がり幅は7yでした。
ビジュアルで見る弾道
弾道は高いです。33度の中でも特に高弾道だと思います。
揃っていますね。
フィーリング
打音は乾いた音で、とても中空充填剤とは思えません。これは、前作から継承されていますが、よりシャープで、どこに当たっているか分かりやすくなったように思います。
打感は決して柔らかいと形容できるほどではありません。ただ、柔らかければ良いとは思っていないので、評価を下げることは無いです。
あと、これは完全に深読みかもしれませんが、最近のテーラーメイドは製品精度の極限に挑戦しているように思います。スピードインジェクションです。
P770アイアンでも、中空構造だけでなく、中にスピードフォームを充填しています。これはやはり製品精度を保つのが難しい中空構造を制するためのように思ってしまうんですよね。
どちらかというとフェード向き
P770アイアンは、ドローよりもフェードの方が球を集めやすいです。ドローがダメと言うよりは、コントロールの幅がフェードの方が手に取るように分かるというイメージです。
ドローの方が特異な私がそう感じるので、もしかしたらかなりオートマチックなアイアンなのかもしれません。
今回組み合わせたシャフトはモーダス105でした。個人的にはドローが打ちやすいシャフトなので、今回の結果は意外でした。
データチャート
P770は飛距離、スピンのバランスが良く、非常に使いやすいアイアンだと思います。ただ、構造上仕方がないことではありますが、少々高いかなと思います。
これなら、ピンのi210やT100などにコスパでは勝てません。
まぁコスパが全てではありませんから、参考程度に。
総評
製品としての完成度は、前作よりもかなり良くなっています。
見た目もマッスル風にしたというのは、ユーザーのニーズをよく分かっているなと思いました。
ドライバーの性能ばかりがフィーチャーされがちですが、マーケティングも含めると、ドライバーはキャロウェイ、テーラーはアイアンがうまいな、と思っています。
これはいいアイアンですよ。
おススメ度
最安値はフェアウェイゴルフでした。トータル2万円以上安いです。


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