カーボン使いのヨネックス
ヨネックスはカーボン製品を数多く作っているメーカーです。テニスやバドミントンのラケットのようなカーボンフレームを得意としています。
ゴルフクラブでも非常に豊富な純正カスタムシャフトを用意していて、しかも毎年のように新シャフトを発売しています。やはりカーボンをゴルフでもフル活用しています。
今回はカーボンとは一見関係なさそうなマッスルバックアイアンの試打評価ですが、実際は関係アリアリなのでその辺りがどう効いているのかを検証できたらと思います。
ヨネックスMB301アイアンのデザイン
ヨネックスのマッスルバックアイアンは前作であるN1-MBで特集しました。それも今作のMB301同様カーボンパーツをバックフェースに仕込んでいます。
これはG-BRIDと呼んでいて、カーボンの制振効果を使ってより心地よいフィーリングに近づけています。
ソールはかなり薄い部類に入ると思います。2023年にこんなにシャープなマッスルバックが販売されることになるとは思いませんでした。驚きです。
ネックもストレートで徹底しています。ヨネックスMB301アイアンはかなりハードコアなマッスルバックアイアンです。
ブレードも薄いです。光沢感もどこか懐かしいテカテカした仕様で、古臭いです。
MB301アイアンのフェースは25μmの細かい凸ラインがあるらしく天候によらずスピンを確保してくれるようです。
薄いです。しかも低重心にする気も感じられない挑発的なデザイン。最高です。
スペック
番手は3番からあり、7番のロフトは34°と変更なし。PWは46°です。
マッスルバックとしては普通のバウンス角、フェースプログレッションです。国産のブリヂストンとダンロップが33°で競い合っていますが、ヨネックスはもっと上級者層をターゲットにしているのでしょうか。
試打データ
ヨネックスMB301 7番×モーダス125S
ヘッドスピード | 45.8m/s |
ボールスピード | 58.5m/s |
平均キャリー | 170y |
平均トータル | 178y |
平均サイドスピン | 158rpmドロー |
平均バックスピン | 7084rpm |
平均打ち出し角 | -0.6° |
平均打ち上げ角 | 26.6° |
最大の高さ | 55y |
落下角度 | 56° |
左右ブレ | -4y |
飛ばないアイアンはもはや貴重になりつつあります。ヨネックスMB301アイアンは昔ながらの“ちゃんと”飛ばないマッスルバックです。こう言うモデルを求めている人は一定数いるでしょう。
弾道は申し分ありません。バックスピンは安定して7000rpm付近を推移しておりキャリーはブレ幅5y、横ぶれ9yです。さすがに34°のマッスルですし、バックフェースのカーボンも初速のためのものではないので、平均58.5m/sというのも妥当です。
打ち上げ角度が非常に高いので超高弾道です。サイドスピンもかなり小さく、方向性も読みやすい高性能マッスルです。
ヨネックスMB301 5番×モーダス125S
ヘッドスピード | 47.3m/s |
ボールスピード | 63.5m/s |
平均キャリー | 202y |
平均トータル | 213y |
平均サイドスピン | 43rpmドロー |
平均バックスピン | 5431rpm |
平均打ち出し角 | -0.1° |
平均打ち上げ角 | 21.8° |
最大の高さ | 55y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | -1y |
5番まで完璧でなければ高評価はしませんが、ヨネックスMB301は5番も素晴らしいです。キャリーは200yほど出るので飛距離には困らないでしょう。
MB301アイアンの5番は7番よりもストレートというところがとても良いですね。高評価するアイアンでよくあることですが、MB301は7番もほぼストレートですからその統一感も誉めたいです。
やや飛びすぎな感じはしましたが、これだけバックスピンがかかっているのであれば問題ないと判断しました。5番はしっかり初速が出ていますね。5番からPWの基本セットなのでこれくらいの仕上がりの5番なら安心です。
ヨネックスMB301アイアンの良い点
- ストレートな弾道
- 適切なスピン設計
- 高い安定性
- 素晴らしい打感
- 良い意味で古臭いデザイン
ヨネックスMB301のイマイチな点
- 難易度がやたら高い
- 試打環境が少ない
感動の打感
ヨネックスMB301は非常に打感が良いです。前作のN1-MBはそこまで打感が良いと感じませんでしたがMB301は抜群の仕上がりです。
このG-BRIDが効いているのを初めて感じることができました。私はややネック側でヒットするタイプですが、そんな人でも良い打感が楽しめます。
PWも秀逸
7番アイアンのサイドスピン自体がマッスルとしては少ないですが、そうなると当然PWも引っ掛けにくくなります。
しかもフェースプログレッションを変にフローさせていない(なぜかP社を煽る)ので予想通りな弾道になります。“デザインは性能を物語る”と私はよく言っていますが、まさにこのヨネックスMB301にも言えるでしょう。
他社製品との比較
マトリックスチャートではRFプロトの下付近になると思います。シャフト依存度が高いのであらゆるシャフトと組んで問題ないでしょう。また、シャフト性能を最大限引き出すヘッドでもあると思います。

データチャート
極端な評価ですが、それで良いと思います。万人うけを狙ったらここまでのデザインにはしませんし、ロフトだってクラシックのままにしないでしょう。棲み分けをしっかりしており、振り切ったコンセプトだからこそ“分かる人にだけ分かる”通なクラブになっているのだと思います。

総合評価
マッスルバックのあるべき姿を残した最新モデルです。
ヨネックスにしかできないG-BRIDとそれによる打感、高い性能、カッコいいデザイン。MB301アイアンはニッチだからこそ評価されるべきだと思います。
良い意味での古臭いマッスルバックはあっても良いのではないでしょうか。
おススメ度 (4.5 / 5)
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