ミズノのアメリカ市場向けブランドJPX
ミズノと言えば、国内ではミズノプロブランドが人気ですが、実は海外でも人気のメーカーです。用具契約フリーの選手がこぞって使ったりしているのがそれに拍車をかけているのはあるでしょう。
海外ではミズノプロと同じフレームを使ってバックフェースのデザインを変更したJPXシリーズを展開しています。国内で一度廃止されたJPXブランドが再び日の目を浴びたのは、メジャーで勝ちまくっていたブルックス・ケプカ選手がJPX919ツアーを使用していたことが発端だったと思います。
JPX921ツアーはそのモデルの後継で、JPX900シリーズの2021年モデルということでこのネーミングになっています。ロフト体系は変更なし、国内でも限定でなく正規販売されています。
試打データ
ヘッドスピード | 46.7m/s |
ボールスピード | 54.9m/s |
平均キャリー | 170y |
平均トータル | 180y |
平均サイドスピン | 766rpmドロー |
平均バックスピン | 5568rpm |
平均打ち出し角 | 0.7° |
平均打ち上げ角 | 25.1° |
最大の高さ | 46y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | -11y |
飛距離はキャリーで170yと、度数なりです。しかし、バックスピン量がやや少なく平均で5500rpm、最大でも6000rpmを超えることはありませんでした。
特徴は、打ち上げ角度の高さとそれによる弾道の高さです。
常に右に打ち出して強めのドローがかかるのでバックスピンが少なくなりやすいと考えられます。
安定感は割と良くて、縦5y、横6yに収まっています。サイドスピンが742rpmから783rpmで推移しているため、これだけの安定感が出せているのだと思います。
JPX921ツアーのデザイン
構造はシンプルなハーフキャビティ。前作と同様、ヒール側はフレームが途切れているのが見て取れます。
ソールは薄く、バウンスはメーカー公表値で3°。正直バウンス少なすぎます。なので、うまくヒットしてもロフトが立ち切らずフライヤーみたいな弾道が人工芝からでも出ます。これがおそらくバックスピンが少ない理由でもあると考えています。
ブレードは薄く、かっこいいです。まぁ私のTB-ZEROの方がかっこいいですけど。
顔はミズノらしい和顔ですが、ホンマのようなネックの膨らみは無いのでハーフみたいなイメージです。フェース長はキャロウェイより少し長いくらい。
JPX921ツアーのデメリット
ミズノのアイアンになにを求めるのか。
性能を求めるならもっと良い製品はあるでしょう。テーラーのPシリーズ、キャロウェイのマーベリックプロアイアン、プロギア01アイアンなど。
それらを買わずにJPX921ツアーを選ぶなら、打感の良さは欲しいと思うでしょう。
構造的にはハーフキャビティなので、打感は良くなりやすいです。しかし、実際にJPX921ツアーを試打すると、打感はすこしぼやける印象。正直あまり打感が良いとは言えません。
私自身、JPX919ツアーを持っているので、そちらの打感は把握していますが、JPX921ツアーの打感は前作よりも悪くなっていると感じてしまいました。
シャフトが吊るしのスペックだとダイナミックゴールド120だけなので、これもイマイチ。試打クラブが少ないですから積極的にカスタムを組むことはしにくいです。
データチャート
JPX921ツアーの何が優れているのか、考えて見ると安定性くらいで、あまりよいアイアンとは思いませんでした。
もしこの重心設計ならば、もっとバウンスがあるべきだし、バウンスを付けないのであれば、もっと重心を下げてほしいです。
シャフトが合えばまた違うのだとは思いますが、メーカーとして「これがベストバランスだ」と踏んで発売していることを考えると、配慮に欠ける部分が多々あると思います。
総評
かなり厳しい評価になりましたが、34°のアイアンは中々良いモデルが出にくいのは事実。難易度が高くなりすぎるのでそこをどう”ごまかすか”が肝です。
JPX921ツアーは、マッスルバック並の難易度と寛容性なのでどういったユーザーに響くのかが分かりませんでした。少なくともハードヒッターならマッスルバックにしてしまう方が色々と都合が良いかなと思います。
おススメ度
価格的にはフェアウェイゴルフが最安値だと思います。

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