待ちに待ったi210の後継
ピンi210といえば渋野選手をはじめとするトップ選手が長らく愛用してきたアスリート向けアイアンです。しかし発売したのは2018年で、なんと4年の月日が経過してようやく後継モデルのピンi230が登場しました。
ピンi230アイアンは2022年の初旬に画像がリークされていましたが、中々R&Aのリストには掲載されず11月に突然試打クラブが投入、1月発売となりました。
今回はそんなi230アイアンを試打データをもとに評価していきます。
ピンi230アイアンのデザイン
ピンi230アイアンのバックフェースデザインはiブレードに似ています。
基本的な構造はポケットキャビティで、そこに樹脂を入れたスタイル。これはi200、i210などに採用されてきた構造ですね。
ポケットを除いてもわずかな隙間しか見えません。
ブレードは薄めで、フェースも短いです。ブレード部分はボディと同じフィニッシュになっているのでよりシャープに見えます。
i230アイアンを構えた感じはi210の面影を残します。
i230アイアンのソールはトゥ側に向けて少しだけテーパーしています。ピンのアイアンではお馴染みのスタイル。おそらく重量配分を最適化した結果だと思います。
ピンi230アイアンのコンセプトと概要
ピンi230アイアンは既に完成しているi210をさらに磨き上げた仕様と言えます。番手ごとのヘッドサイズすらフローさせた徹底ぶりです。これはi525から導入された手法ですね。
i230アイアンのロフト体系はi210アイアンと全く同じです。7番33°、PWが45°というのは一つの黄金比です。バウンス角も変更しませんでした。
試打データ
ピンi230アイアン7番×モーダス105S
ヘッドスピード | 49.4m/s |
ボールスピード | 58.6m/s |
平均キャリー | 181y |
平均トータル | 191y |
平均サイドスピン | 608rpmドロー |
平均バックスピン | 5700rpm |
平均打ち出し角 | 0.0° |
平均打ち上げ角 | 24.5° |
最大の高さ | 51y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | -12y |
i230はロフト33°なのでスペック的に期待できるところですが、モーダス105では少しスピンが少なめになりました。ただキャリー180yを超えているのでバランスは抜群です。
5500rpmあたりにボリュームゾーンがあります。i210アイアンはスピン性能が計測ではイマイチだったのでi230はその辺りの改善が見られます。
スピンは常に安定しているので縦距離のブレもそこまで大きくはありません。平均通り180yくらいに集まります。打ち上げ角は高めでした。
ピンi230アイアン7番×モーダス115S
ヘッドスピード | 48.9m/s |
ボールスピード | 58.1m/s |
平均キャリー | 175y |
平均トータル | 183y |
平均サイドスピン | 216rpmドロー |
平均バックスピン | 6340rpm |
平均打ち出し角 | 1.3° |
平均打ち上げ角 | 25.7° |
最大の高さ | 53y |
落下角度 | 55° |
左右ブレ | 0y |
スピン性能と万能さに定評のある(というか私がそう評価している)モーダス115を組んでみるとスピン量が増えてよりスコアに貢献してくれそうな仕上がりになりました。
弾道はストレートに近づきました。この試打データは4球なのですが、画像を見て分かる通り2球にしか見えません。やや右とやや左に微調整して打つことができる証拠です。i230アイアンの打ちやすさ、コントロールのしやすさは試打データだけでも理解することが出来ます。
ドローが強い方が距離的には飛んでいて178y前後、弱いドローがキャリー170y付近です。スピン量が6000rpmを超えていることを考えれば十分だと思います。
同じ方向に打ち続けるのであれば、シャフトに関わらずバックスピン量が安定してくれるのでピンをデッドに狙えます。
ピンi230アイアンの強さ
前作i210からの一番の変更点は間違いなく打感です。i230アイアンの打感はかなり自然になりました。i210の打感はピンのアイアンの中では良い方ですが自然ではありませんでした。
打感が柔らかいアイアンではなく少しソリッドな感触を残します。ただi230アイアンは打点が高くなった時にも好感触を得られるという点で、他のポケットキャビティや中空などハイテクアイアンに優っていると思います。
ピンi230アイアンの良さ
ピンi230は何と言ってもデザインがかっこいいです。ピンのアイアンはi525もi59もブループリントもデザインの良さが光ります。
このバックフェースの凹みが何の効果を産むのかは分かりません。
断面はブレードにかけてなだらかに繋がっています。割とカクカクしているモデルが多いので異質に見えます。
データチャート
安定性とスピンというアイアンの性能において重要な2項目で最高評価です。難易度は特に高いとも思いませんが、思い通りの飛距離が得られるかどうかという点で少し評価を下げています。これはハードヒッターや上級者には心配にならないと思います。評価を下げるようなものは何もありません。
総合評価
ピンのアイアンは評価が真っ二つになっていますが、i230アイアンは高評価です。安定性の高いアイアンでありながらヘッドサイズが小さめでかっこいいです。
かなりの完成度の高さなので値段が上がったのは少し残念ですが、i210のようなロングセラーになるのであれば買い替えたくなることもないでしょうからコスパもそんなに悪くないのではないかと考えています。
おススメ度 (5 / 5)
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