フル溝ウェッジ
テーラーメイドのウェッジは初めてノンメッキフェースを採用したミルドグラインドシリーズとハイトゥがメインのラインとして存在します。ハイトゥウェッジはこれまで56°以上寝ている番手でフルスコアラインを採用していましたが、ハイトゥ3では54°からフルスコアラインになっています。
今回は、テーラーメイドハイトゥ3ウェッジを2種類のシャフトで試打計測を行なって評価していきます。
ハイトゥ3ウェッジのデザイン
ハイトゥ3はカッパー仕上げで高級感があります。バックフェース?はキャビティのように彫られています。
今回の試打はハイトゥ3スタンダードバウンスですが、ローバウンスとハイバウンスも存在します。
CNC精密加工により、均質な製品制度を実現しているのもハイトゥ3ウェッジの良さです。
試打クラブは58°なのでフルスコアラインです。ハイトゥ3はノーメッキフェースですから少し錆びています。
ブレード部分はテーパーしていて、重心が高くなるように設計されています。
試打データ
ハイトゥ3ウェッジ58°×ダイナミックゴールドS200
芝の長さ | 短い芝 | 長い芝 |
ヘッドスピード | 33.2m/s | 34.2m/s |
ボールスピード | 29.5m/s | 29.6m/s |
平均キャリー | 70y | 71y |
平均トータル | 75y | 77y |
平均サイドスピン | 2101rpmドロー | 2320rpmドロー |
平均バックスピン | 8039rpm | 7283rpm |
平均打ち出し角 | 2.0° | 2.5° |
平均打ち上げ角 | 36.9° | 36.0° |
最大の高さ | 19y | 18y |
落下角度 | 51° | 49° |
左右ブレ | -3y | -4y |
ダイナミックゴールドでの試打データとしては飛距離が出なかったのが一つの特徴です。これは結構複雑なのでしっかりと説明します。まず、ヘッドスピードに対して短い芝であっても遅いボールスピードになりました。ロフトが立つ方向に力が伝わっていないように思います。
そしてサイドスピンが他のウェッジよりもかなり多くかかっています。ウェッジの場合サイドスピンによる曲がり幅は見ての通り小さいので問題はありません。ただ、それが表す前に進める力の小ささというのは留意すべきです。58°はそもそも縦距離を安定させるのが難しいですがハイトゥ3は特にその傾向が強いと思います。
弾道の高さも低めなのでミルドグラインドとは飛び方が違うことに気づきます。
ハイトゥ3ウェッジ58°×KBS Hi-Rev 2.0 115
芝の長さ | 短い芝 | 長い芝 |
ヘッドスピード | 30.9m/s | 33.5m/s |
ボールスピード | 29.0m/s | 29.3m/s |
平均キャリー | 69y | 70y |
平均トータル | 75y | 77y |
平均サイドスピン | 2597rpmドロー | 2338rpmドロー |
平均バックスピン | 7191rpm | 6344rpm |
平均打ち出し角 | 4.3° | 4.0° |
平均打ち上げ角 | 36.1° | 37.0° |
最大の高さ | 18y | 19y |
落下角度 | 49° | 50° |
左右ブレ | -2y | -2y |
ハイトゥ3ウェッジには標準でKBS Hi-Rev2.0も選択できます。このシャフトは私が大変気に入っているおすすめのウェッジ用シャフトなので期待出来ます。
スピン量はそこまでかかっていませんが、安定しているので縦距離は出しやすいです。こちらのシャフトでもサイドスピンがかなりかかるのでやはりハイトゥ3ウェッジのヘッド特性なんでしょうね。
オーバーすることはほとんどないので安心感があります。長い芝の方がスピンが減りましたね。フェースでスピンをかけるタイプの方が芝の長さによるスピンの差が出やすいです。
ハイトゥ3ウェッジの良さ
特にHi-Rev 2.0でのショットは安定感が高くて、ミスの傾向も穏やかでした。ウェッジの性能差って、形状によるところが多かったりするので大差がつくことはほとんどありません。
ハイトゥ3は溝がたくさん切ってありますが、特別高スピンでもありません。距離が出にくいフェースの抜け方は特徴として挙げておいた方が良いですね。これはオーバーを防いでくれるのと、比較的しっかり振っても良いので地面に刺さるミスも防げると思います。

ハイトゥ3ウェッジの特徴
アウトから入れるのは得意でないというか、このウェッジには合わない打ち方なのかなと思いました。基本的にウェッジはアウトから多めに入れるように打つことが多いのですがハイトゥ3を使うのであればある程度プレーンに乗せた方が打ちやすいです。
これはおそらくソール形状による着陸点が起因していると考えています。広い面で地面に設置するので一定な打ち出しになりやすい反面、慣れるまでは時間がかかりました。
こうして見るとトゥがわに重量が寄っているように思いますがその影響は良く分かりませんでした。
総合評価
ハイトゥ3ウェッジはフルスコアラインでノーメッキですが特別スピン重視でもなく良い意味で普通の距離感でした。もちろん、開いて打つ場面やバンカーでは差が出るかもしれませんがそれがメリットになるかは人によります。
デザインやバウンスを選べるというところでその辺りを調整してみると最適なモデルを選べると思います。ウェッジ選びの詳細は以下のnoteで徹底的に解説しているのでチェックしてみてください。

おススメ度 (3.5 / 5)
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