パトリック・リードが使うブランド
グラインドワークスは日本の地クラブの中でも世界的に有名なブランドです。ただその存在感は独特で地クラブブランドとしては、低価格ですし販売戦略もガチガチではありません。
特にマッスルバックのモデルはフェース長が短めで、ロフト設定もクラシックなので知る人ぞ知るハードコアモデルです。今回はその中でもオンライン販売限定のエンポリオコレクションのMB-1というモデルを試打評価していきます。

グラインドワークスMB-1のデザイン
グラインドワークスMB-1アイアンは普通のマッスルバックではない特徴がいくつかあります。
バックフェースは、3段になっていてソール側は肉抜きがされています。
普通肉抜きといえばトップブレード側を削って重心位置を下げますが、マッスルバックな上にソール側を肉抜きするというのはかなり攻めています。
断面は三浦技研KM-700のような感じになっています。
トップブレードは角張っていてシャキッとしているものの、決して薄くはありません。このフェースの長さとブレード厚の関係は他のモデルにはありませんね。
ソールはストレートで、これもそんなに薄くありません。グラインドワークスMB-1アイアンは、全体的に小さくてシャープだが肉厚というデザインです。
フェースは短めでかっこいいです。
試打データ
ヘッドスピード | 47.0m/s |
ボールスピード | 58.1m/s |
平均キャリー | 173y |
平均トータル | 181y |
平均サイドスピン | 592rpmドロー |
平均バックスピン | 7143rpm |
平均打ち出し角 | -0.9° |
平均打ち上げ角 | 24.2° |
最大の高さ | 50y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | -12y |
グラインドワークスMB-1は試打データも大変興味深い組み合わせになっています。7番のロフトが36°なので飛ばないんだろうなと思っていましたが真逆で、ちゃんと飛距離は出ます。しかも安定してバックスピン量が7000rpmを超えるので文句なし。
ロフトが寝ているので打ち上げ角度も大きく、弾道の高さもかなり高い部類に入ります。しかし、実際練習場で打ってみた感じではそこまで弾道が高い印象はありませんでした。流石に34°のクラブよりは上がりますが、ロフトに対しては順当な高さです。
方向性はドロー回転が常に500rpmほどかかる強めのドロー。マッスルバックでこのようなサイドスピンのかかり方をするのは割とよくあるパターンです。
ちなみに、飛ばそうと思えばキャリー180yくらい出るのが面白いです。
打感
グラインドワークスMB-1アイアンの打感は良い方だと思います。
ただ、最高レベルではないかなという感じがします。三浦技研の打感が100だとしたら、グラインドワークスは65点くらいですね。決して悪くはありませんが、P7MBやホンマ、ヤマハのキャビティより打感が良いということはないでしょう。
グラインドワークスMB-1の良さ
私が最も顕著に感じたのは、ヘッドの入れやすさです。
どこの形が具体的にそれに貢献しているかは分かりませんが、これによってあらゆるヘッド軌道が容易に引き出せるため、結果として弾道のコントロールが容易になります。
小ぶりなヘッドがそのように操作性が高いと評価されることが多いですが、形によっては起こらないのでこれには大きな価値があると思います。
エンポリオコレクション
グラインドワークスには、通常のモデルとエンポリオコレクションの2つのラインがあります。このMB-1はエンポリオコレクションで、オンライン販売限定です。

それによって、組み上げた状態での販売となります。選べるシャフトはN.S.PRO950GHネオR~Sと85gのカーボンです。逆に言えば、カスタマイズの自由度が低いので、好みのシャフトにしたい場合はリシャフトすることになります。
確かに6本セットで13万円ほどというのは魅力的な価格設定ですが、リシャフトしたら結局15万円くらいになってしまいます。それでも安いですがね。
データチャート
珍しくコスパで最高評価を獲得したアイアンになりました。それは、36°というかなり大きなロフトの割に飛ぶし、スピンもよくかかっているという性能面があってこそ。
流石にマッスルバックですし、その中でもやさしいモデルとは評価出来ないのでそこだけは覚悟してください。
総合評価
グラインドワークスMB-1は、一見普通のマッスルに見えますが、稀有な特性を持ったモデルだと私は思います。性能面の素晴らしさは三浦に匹敵しますしまた違う良さがあります。
グラインドワークスMB-1アイアンは地クラブ入門としておススメしたいです。
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