大型ヘッドの筆頭
大型ヘッド化はドライバーだけでなく、アイアンにも広がっています。特にピンは昔から比較的大きいヘッドを作ってきたのでそのイメージが強いです。
G430アイアンは、前作のG425アイアンから7番のロフトで1°ストロングになって登場します。大型ヘッドとして進化を続けるG430アイアンを試打データをもとに評価していきます。
ピンG430アイアンのデザイン
今作はバックフェースのデザインを大きく変更しました。
G430アイアンのバックフェースセンターには五角形の衝撃吸収バッジが備わっています。ただ、大まかなフレーム形状は前作から踏襲しているように見えます。
G430アイアンのグースは強く、ピンらしさを感じます。ソールも分厚くて、バウンス角も前作より増えています。
不思議とブレード厚自体は前作ほど気にならないデザインになっています。
要因の一つはこのブレードのカラーリングだと思います。通常フェースのフィニッシュがブレードまで繋がっていますが、G430アイアンはボディと同じカラーリングです。過去にはTR21xでも見られたデザインです。
前作よりもさらに低重心になっています。
試打データ
G430アイアン×N.S.PRO950GH neo
ヘッドスピード | 49.0m/s |
ボールスピード | 58.8m/s |
平均キャリー | 184y |
平均トータル | 195y |
平均サイドスピン | 252rpmフェード |
平均バックスピン | 5416rpm |
平均打ち出し角 | 2.5° |
平均打ち上げ角 | 24.4° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | 14y |
29°としてはバックスピンがかかっている方だと思います。キャリーは安定していて、縦ブレは3yと極めて小さいです。左右ブレも8yなので29°の飛び系アイアンではトップクラスに高い安定性を誇ります。
緑がN.S.PRO950GHネオの弾道です。G430アイアンはやはりピンだと思わされるフェード弾道が出ました。慣性モーメントが大きいとアイアンの場合はフェードするパターンが多いです。
弾道の高さ含め、かなりその辺りに気を使ったアイアンだと確信しています。さすがです。
G430アイアン×モーダス105
ヘッドスピード | 49.3m/s |
ボールスピード | 59.7m/s |
平均キャリー | 191y |
平均トータル | 202y |
平均サイドスピン | 15rpmストレート |
平均バックスピン | 5046rpm |
平均打ち出し角 | 0.7° |
平均打ち上げ角 | 23.5° |
最大の高さ | 52y |
落下角度 | 53° |
左右ブレ | 2y |
モーダス105ではスピン量は少し少なくなりました。と言ってもそれは平均の話であって、ボリュームゾーンは5300rpmくらいなのでこれでも十分だと思います。
モーダス105では、サイドスピンが3桁を超えることがなく、1球は0rpmというイカれた試打データになりました。これはG430アイアンの左右安定性を強く印象付ける結果となりました。
ピンG430アイアンの凄さ
毎回凄いなと感動していますが、G430アイアンもやはり曲がりへの強さが際立っています。
ロフトを立てると安定性を出しにくくなるのは仕方ないのですが、G430はそれを実現しているわけです。これだけでも高評価を与えたいです。
フレーム形状が同じなのはある意味一つの答えなのでしょう。安定性を追求したらこの形になるみたいな。
ピンG430を買う際の注意点
冒頭で7番のロフトが30°から29°にストロング化されたと書きました。
しかし実際はこれ以上の変更点があります。それはPWです。G425で44.5°だったPWは、G430アイアンでなんと41°になっています。
その下に45、50、54、58というロフトの番手が新たに設定されました。つまり、G425やG410からの買い替えとなると、45°を入れたセットにしないと下の番手が合わなくなるということです。
もちろん乗り換えでない人であってもこの点には注意する必要があると思います。
ピンG430アイアンの打感
G430アイアンの打感はとても独特です。私は嫌いでもありませんが、打感が良いアイアンでは決してありません。
バックフェースの振動吸収材は効果を発揮しているのだと思いますが、いかにも作った感のある大人しさでした。感触としてはやや硬さを伴い、広い範囲で同じような打感になります。スイートエリアの広さをここからも感じられます。
データチャート
安定性が非常に高評価なので全体の評価もそれに引っ張られて高評価です。サイドスピンの少なさはピンらしい特性ですし、スピン量も安定性や飛距離を考慮すれば素晴らしい仕上がりです。
総合評価
ピンG430アイアンは間違いなくピンイズムが強く感じられるアイアンでした。
間違いなくピンにしか作ることが出来ないアイアンです。G430はロフト体系を大きく変えましたが、その価値は前作から継承されていると言えるでしょう。
おススメ度 (4.5 / 5)
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