テーラーメイドのラインナップの独自性
テーラーメイドは、ウッドのメーカーと思いがちですが、実際は逆でドライバーのラインナップはかなり少ないです。しかも、アイアンでたくさんのモデルを展開していたりしています。
さらに面白いのが、ハイブリッドのラインナップです。しばらくは挿しっぱなしの1モデルでしたが、M3以来久しぶりに可変の小ぶりなハイブリッドを追加。これまでギャッパーシリーズも並行していたことを考えると、ハイブリッドやアイアン型ユーティリティも多数販売していることになります。
2021年は、SiM²、SiM²MAXに加えて今回紹介するSiM UDIとSiM DHYの計4種類となりました。アイアン型を2つ出すのは他社と比較すると、かなりレアケースです。
試打データ
SiM UDI 3番(20°)
ヘッドスピード | 48.4m/s |
ボールスピード | 63.7m/s |
平均キャリー | 219y |
平均トータル | 233y |
平均サイドスピン | 21rpmストレート |
平均バックスピン | 4229rpm |
平均打ち出し角 | -1.7° |
平均打ち上げ角 | 16.8° |
最大の高さ | 43y |
落下角度 | 48° |
左右ブレ | -6y |
20°としては、飛距離は出ませんでしたし、高さも低めになりました。当然と言えば当然ですし、それを狙ったモデルだと思います。
SiM UDIは、ほぼストレート弾道で、打ち出し角が低い低弾道という感じです。スピンはかかっているので、かろうじて滞空時間が保ててキャリーが安定しているといった飛び方になっています。
ミスが出るとしたら、右です。左には絶対と言っていいくらい曲がりませんので、ハイブリッドで引っ掛けるのが怖いという人にとってはありがたいですね。
SiM DHY 4番(22°)
ヘッドスピード | 47.9m/s |
ボールスピード | 64.7m/s |
平均キャリー | 225y |
平均トータル | 240y |
平均サイドスピン | 16rpmストレート |
平均バックスピン | 3964rpm |
平均打ち出し角 | -1.6° |
平均打ち上げ角 | 17.4° |
最大の高さ | 46y |
落下角度 | 49° |
左右ブレ | -7y |
SiM DHYの方がUDIよりも捕まりが良いです。UDIのようにスライスは出ません。かと言って、引っ掛けることも有りませんでした。
捕まる分バックスピン量が減って飛距離が伸びました。22°としては、優秀な飛距離性能だと思います。
赤い弾道がSiM DHYです。この画像で見る限りは、どちらもストレート弾道ですが、ミスの傾向が違うので個人的にはまるで別物です。
デザインを考察
SiM UDI
まずはUDIから見ていきます。
アイアン型ユーティリティとしては、エッジの無い丸みを帯びたデザインです。
フェースは長く細いです。特に高さが少ないので、構えた時に“アイアンっぽさ”は希薄です。
SiM UDIのブレード厚はDHYと比較すると薄く見えますが、ソールの見え方で印象が変わっているようにも思えます。
ピンのアイアン型ユーティリティと違って、SiM UDIのグースは小さめです。いかにも上級者向けに作られていることがここからも分かると思います。
そもそも、UDIはアイアン(P790やその前のモデルなど)の一部として作られたモデルでした。ちなみに、UDIはUltimate Driving Ironの略です。要するに、超飛ばせるアイアン。あまり飛びませんでしたが。
SiM DHY
こちらは打って変わって、ハイブリッドをコンパクトにしたようなデザインです。
DHYは、Driving HYbridの略で、あくまでハイブリッドであると、テーラーメイドは定義しているようです。
ソールの厚さがだいぶ分厚いのと、グースが強いのがDHYの大きな特徴でありUDIとの違いです。
ブレードも少しもったりしたデザインでソールは構えた時に少し見えます。
このデザインが気になる人は多いのではないかなと思います。性能的にはDHYの方が良いのですが、心からおススメ出来ないのがこの面構えです。
データチャート
やや厳しい評価になった根幹は難易度の高さです。とてもアマチュアに扱いきれるものではないかなと思いました。
ただ、その割にはスピンがかかったり、良い面もあるので調整次第で化けるかなと思います。カーボンシャフトを挿したら丁度良さそうです。
SiM DHYは、UDIと比較すると難易度は低いものの、普通のハイブリッドほどの使いやすさは持ち得ていません。
ハイブリッドが引っ掛けて嫌だという人の中で、フェードを打つならUDI、ドローを打つならDHYという選び方が良いのではないかと思います。
総合評価
上級者に対しては、UDIをおススメします。理由は徹底的に左を殺せるからです。DIやテンセイオレンジなどの先端剛性が高い物を挿してあげれば、多少難易度を下げられると思います。
DHYは、まずデザインに抵抗が無いことが求められます。受け入れられれば飛距離も出るし、安定感も悪くないのでおススメです。
SiM UDIのおススメ度
SiM DHYのおススメ度
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