セラミック内蔵ブレード
プロトコンプトは2023年に2種類のアイアンを新発売しました。C03TCは私も過去に類を見ないほどの低評価をしましたが、本命はマッスルバック形状のC01TBです。今回も7番アイアンを購入してみました。
プロトコンプトC01TBアイアンはマッスルバックの中にセラミックを内蔵しています。セラミックは鉄よりも比重が軽いため、実質的には中空構造に近いことをしているのかもしれません。その辺りがどんな風に仕上がっているのかを評価して行こうと思います。
プロトコンセプトC01TBアイアンのデザイン
バックフェースはシンプルで美しいです。プロトコンプトのブランドロゴは小さめで、モデル名のC01TBはさらに小さく書かれています。
一眼レフで撮ったのでやたらかっこいいですね。
ブレード部分はバックフェース側の肩が落とされたような形状になっています。バックフェース中央には溝。
ブレードは薄くカッコいいです。このネックの部分の形がとても美しいですね。
構えるとオフセットはそこまで感じませんが、ネック部分にくびれのようなものがあると思いました。これは人によってはフェースが被っているように見える要素かもしれません。
C01TBアイアンは形状による重心設計はそこまで積極的ではないかもしれません。セラミックを入れることで中空のようなメリットを引き出すことが最大のトピックでしょう。
試打データ
プロトコンセプトC01TBアイアン×モーダス120S
ヘッドスピード | 45.1m/s |
ボールスピード | 58.3m/s |
平均キャリー | 176y |
平均トータル | 184y |
平均サイドスピン | 123rpmフェード |
平均バックスピン | 6748rpm |
平均打ち出し角 | -1.4° |
平均打ち上げ角 | 23.7° |
最大の高さ | 50y |
落下角度 | 54° |
左右ブレ | -2y |
7番のロフトは32°なので、ZX7Mk2やT150がライバルです。それらと比べたときに初速がイマイチ出ていないというのが分かります。T150ではダイナミックゴールドで低い初速を記録しましたがC01TBと同じモーダス120では1m/s以上速かったです。
弾道はほぼストレートで、サイドスピンが少ないです。スピン量は平均で7000rpm弱とレベルは高いですね。
キャリーも平均通りに集まります。初速の低さですが、平均だけで語ればかもなく不可もなくという結論にしても良いでしょう。ただC01TBには二つのボリュームがあって、57.7m/sと58.8m/sという二極化が起こります。ただし、高い方に集めるのは至難の業で現実的とは言えません。
プロトコンセプトC01TBの良い点
- デザインがまとまっている
- ちょうど良い距離感
- ロフト体系が絶妙
プロトコンセプトC01TBのイマイチな点
- ミスヒットに極めて弱い
- 引っ掛けが頻繁に出る
- 高さが出しにくい
ミスヒットへの致命的弱点
もちろんC01TBアイアンはマッスルバックだから、という意見があることは承知です。しかし、じゃあ何のためにセラミックを入れたんだとなるわけです。
結果から述べれば、予想される理論上のメリットは少しも感じられないどころかピュアなマッスルバックにすら勝てていないというのが現実です。中を空洞にしないというのは打感のためだと思いますが、打感は別によくないと思います。不快ではないが、誉められたものではありません。
安定性は試打データを見れば良さそうですけど、実際は高さが出なかったり引っ掛けが出やすいなど欠点も明確でした。
打点設計
C03TCの方で私が酷評した打点傾向ですが、C01TBでもあまり印象は良くなかったです。
何というか、単純にスイートエリアが狭いと思います。そしてそれがとても分かりにくいです。打感が悪いというだけならまだ良いのですがそれが性能的デメリットになっているというのはプロトコンセプト2023年モデルの共通点になってしまいました。
他社製品と比較
C01TBアイアンはマトリックスチャートで言えばP760の右あたりです。

安定性はそこまで高くないのですがモーダス120っぽさを引き出しているとも言い難い中途半端なポジション。
データチャート
スピン性能は常に良かったです。これはメリットですね。一方で打感が良くないので打っていて楽しくない、スイートエリアが分かりにくい、大きいミスが低くない確率で出るというイマイチな点が目立ってしまいます。
総合評価
凡です。
セラミックが入っているだけのマッスルバックアイアンでした。セラミックが入っていることのメリットを感じることはなく、ただ打感が悪くなってしまっていると私は思います。
おススメ度 (1.5 / 5)
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