充填剤系コンボアイアン
APEXシリーズは、かなりヘビーな軟鉄鍛造のヘッドで中上級者向けアイアンです。
今作はエピックフラッシュの発売に合わせて二種類のヘッドを用意しています。この記事で紹介するAPEX PROは4番~7番の長いアイアンにウレタン・マイクロスフィアとタングステン・インナーウェイト、次世代360フェースカップを採用。
ウレタン・マイクロスフィアは所謂充填剤のようなもので、ヘッドの底の部分に柔らかいゴムのような素材を配置しています。
店舗の演出物で見ることが出来ますので、是非チェックしてみてください。ぷにぷにしていてとても柔らかい充填剤です。
試打データ
ヘッドスピード | 41.9m/s |
平均キャリー | 174y |
平均トータル | 183y |
平均サイドスピン | 345rpmドロー |
平均バックスピン | 7009rpm |
平均打ち出し角 | 1.3 |
平均打ち上げ角 | 20.5 |
左右ブレ | -1y |
今回試打したのはモーダス120Sシャフトを装着したもので、総重量430g(7番)。
APEX PROは7番で33°、充填剤内蔵のアイアンですから、明らかにテーラーメイドのP760やPINGのi210に対抗しているでしょう。
このサイトでもP760はレビューしていますのでそれと比較しながらAPEX PROもレビューしていきます。
まずこの試打データの一番のポイントはバックスピン量でしょう。平均で7000rpmを超えるのは35°のマッスルバックでもなかなか難しいです。
ここで思い出していただきたいのがAPEX PROがタングステンウェイトを装着していることです。タングステンは重い金属で、装着した箇所に重心が偏ります。
APEX PROでは、それをヘッド下部に装着し、さらにフェースの下部は薄くされている。(これがフェースカップ)
これらはフェースの下に当たったときにもボールを高く上げることでキャリーを伸ばし、落下角度を大きくするのに貢献しているでしょう。
APEX PROの最大の個性は何か
やはり、打感でしょう。
軟鉄鍛造にこだわっていることや、充填剤にウレタンを使用していることからもAPEX PROにとって打感が重要視されているのは間違いありません。
以前レビューしたP760の打感は柔らかかったものの、マッスルバックのような吸い付く打感ではありません。一方で、このアイアンは言われなければ気づかないくらい軟鉄のマッスルバックのような打感です。
打っていて楽しいですし、マッスルバック特有のショートは比較的少ないです。試しに色々な打点で打ってみましたが、トップでもある程度は許容してくれます。
ダフった時はもちろん相当距離をロスしますが、これは他のクラブでも同じです。
止まらないグリーンは存在しないけど…
平均落下角度は51°でした。バックスピン量が7000超えが頻繁に出るので、正直4番アイアンですら止まらないグリーンはないものと思われます。
7番が33°のアイアンでここまでスピンが出るのは稀有なので価値があると思います。
しかし、飛距離が全然出ていない!!
飛距離は初速、スピン量、角度で決まりますからそのうちスピン量と角度でロスが大きいので仕方ないですね。
データ上一番近いのは、スリクソンZ785でキャリーはほとんど同じです。それでもZ785はバックスピンがもっと出ていたので比べるとなんとなく中途半端に見えてしまいます。
データチャート
打感の項目があれば満点をつけるでしょう。
スピン量は間違いなく満点。さらに、安定性もかなりハイレベルでした。総重量が7番で430gとかなり重い割にはそこまで難しくなかったので難易度も少し高評価。
総評
とにかく打感につきます。
色々なアイアンと比べると、どの性能も一番にはなれませんが、総合的によくできていると思います。
構えた時の景色なんかはかっこよいですし、デザインも前作よりも硬派な感じになり好印象。
難点があるとすれば飛距離が出にくいことですが、実は最大飛距離はキャリーで180yくらい出ます。ですのでもしかしたら慣れの範疇なのかもしれません。
ヘッドがとにかく重いので、シャフトは軽いものにすることをおススメします。
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